本心の見えない面接時のマニュアル応答、人材を見抜くのは難しいのでしょうか?
いえ、誰にでもできるやり方があります。従来のブラック面接をやめて、リラックスしたホワイト面接を増やすのです。応募者の警戒心をとき、本音を見やすくする考え方のいくつかをご紹介いたします。
目次
採用時に良い人材を見分ける方法は?
みなさんは人事採用で苦労していませんか?
判で押したようなマニュアル応答、「第一希望」といいながら簡単に辞退する、人事採用の苦労はつきません。
良い人材を見抜くために、様々な従来テクニックがネット上にもあります。
- 「意外な質問を与えて反応を観察しろ」
- 「どのように貢献できるのかをプレゼンしてもらう」
- 「小論文や実務テスト」
- 「圧迫面接」
などです。
ここにある調査会社のデータがあります。細かい統計は省略しますが、
この根底にあるのは企業のブラック面接に対しての応募者の警戒心なのです。警戒しなくても問題ない、警戒しないで本音で話したい・・そんな気持ちにさせれば、面接の時間は有意義なものになります。
採用時に良い人材を見分けるのは簡単です。
古い体質のブラック面接や上から目線では応募者は警戒して嘘の応答しかしないでしょう。応募者の心を開くのはアイデアと人間力のホワイト面接が必要なのです。イソップ童話の北風と太陽のような話ですが、みなさまの参考になればと思います。
良い人材を見分けるホワイト面接の具体例
リラックスした質問で打ち解ける
リラックスした明るい雰囲気の中で質問をして、打ち解けます。奇をてらった質問や問い詰めることはせず、人間的な質問を心がけます。どうせ奇妙な質問で能力を知ろうとしても警戒されてマニュアルで応答されるだけです。
それならば、無駄なことはやめて、明るい雰囲気で警戒心をとくことを一番にしましょう。
会社が応募者のキャリアプランにどのように貢献できるかをプレゼンする
応募者にプレゼンを要求するのではなく、会社が応募者をいかにキャリアアップできるかを事例プレゼンし批評してもらいます。
年収も会社から提示しましょう。
そしてそれに対して辛辣な批判やつっこみを入れてもらうコミュ二ケーションをします。会話の内容よりもそこのやりとりで応募者の性格を感じとりましょう。圧迫するよりははるかに相手の人間性を知ることができます。
複雑で長時間のテストや小論文より対話の時間を増やす
複雑なテストを繰り返さず、長い小論文は簡素化し、対話の時間をつくります。
賢い応募者には見透かされます。人間力と対話力を鍛えて臨みましょう。
圧迫面接ではなくソフト面接のみにする
売り手市場だから、圧迫面接なんてやるわけがないだろう、いえ、違います。
頭の固い昭和世代にはいまだに圧迫面接を正当化してやっている人事担当者がいます。上から目線はやめて、ソフトに打ち解けた雰囲気で相手の本音を引き出しましょう。
プライベートな質問、差別的な質問は厳禁です。
座る際もエル字型か横に座って緊張感をほぐして会話してみましょう。圧迫面接は相手にしこりが残ります。
上記のホワイト面接の具体例ですが、実は下記のブラック面接の逆の方法をやっているだけなのです。
従来のブラック面接手法には大きな欠陥がある。
「いまどきよほどのブラック面接はないだろう」
確かに面接手法は近代化されました。しかしそれでも中小企業において、面接手法の中核をなしているのはバブル期~就職氷河期の古いブラック手法です。
現代風にカスタマイズされていてもまだ一部社員の50代~40代には残滓が残っています。その時代に入社したサラリーマンがブラック面接手法をスタンダードにしての自分の脳内イメージを引きずっているからです。
しかし、今は終身雇用でもないし、昭和のパワハラ時代でもありませんし、不合理的な精神論は人気がありません。
従来のブラック面接手法の欠陥を心理学的に解説
意外な質問を与えて反応を観察しろ
マニュアル応答を打破するために一見効率的な方法に見えますが、これは相手が動揺させてそれを観察するという手法であり、応募者を人間とみなしていない、上から目線のやり方です。
優秀な人材程、このやり方に内面では反感を持ち、リテラシーのない応募者はネットに投稿します。また意外な質問も内容が悪いと、知能センスを否定される元になります。
(応募者に)どのように貢献できるのかをプレゼンしてもらう
採用活動はお互いが相手を判断する場所です。
このようにプレゼンしてもらうというのは、悪くはないのですが、傲慢さが見え隠れします。
たいていはその後に揚げ足取りのような批判をするのですが、その批判はたいてい論理的に正しくありません。面接の場所の上下関係でしか言えない批判であり、対等な関係では言えない内容がほとんどです。このような行為も応募者の心の中にちょっとした不愉快さとストレス、面接官への軽蔑を残します。
小論文や実務テスト
これらのテストは最低限必要ですが、複数回、長時間やりすぎると
- 「これだけテストしないと見抜く能力がないのだ」
- 「要領悪い人事だな」
と思われることがあります。
一流のホワイト企業ではテストは最小限かつ有効なものを使い、面接と人間力で見抜くのです。もし応募者がそのようなスマートな会社を受けた経験があるなら、その会社には入らないことでしょう。
圧迫面接や飲み会のお誘い
古い体質の会社や現代の20代の心理を理解できない担当者はいまだに「圧迫面接」や「女子応募者への飲み会誘い」をやっています。
まずこれはインターネット上の会社評判を下げるとともにまともな人材から応募を辞退していきます。
一時期「圧迫面接」はストレス耐性を調べるという理論で怪しげな人事コンサルタントが推奨していましたが、マイナス面のほうが大きいという結果が今は出ています。
またこれは「企業の上から目線」「内部の精神的ブラック体質の暴露」でもあるために、現代社会では効果が薄いといえます。さらにこれらは担当者のゆがんだ承認欲求の表れです。
原因は企業の上から目線=承認欲求
なぜこのような非合理的なブラック面接が多くあるのでしょうか?
統計ではこのような面接は韓国と日本に多いといえます。
- 「内定がほしければいうことを聞け」
- 「仕事をやるのだから感謝しろ」
- 「労働者として使ってやる」
という、人事採用活動を勘違いした「上から目線」の態度なのです。
そこでは旧時代のアジア的な「上から目線」な傲慢さ、承認欲求は見えないところでマイナスを生むだけです。情報が拡散するこの時代、まともな労働者からは相手にされないでしょう。
それでも「今までのやり方は間違っていない」というブラック担当者
「圧迫面接のどこが悪い、忍耐力のない人間はうちにはいらない!求人もできている」このような意見も聞きます。
しかし、このような企業は常に入社した社員に文句をいい、離職率、社員回転率も高いようです。
労基署の調査や労働局のあっせん、多額の和解金支払いを繰り返しでもしない限り、自覚するのには時間がかかるでしょう。またこのような入社社員の不満は時間差を置いて、訴訟問題などで顕在化します。
これには明確なロジックがあります。
一流のホワイト企業の面接を知っている応募者ならなおさらです。悪質なブラック面接を受けても、無理に入社するのは「なにか事情がある応募者」「他にいけない応募者」「どうせ嫌ならやめればよい、訴えればよい」という潜在的な応募者です。
しかし、マニュアル対応をするのでこれらは見分けがつかないのです。
ブラック面接を続けるリスク
古い体質のブラック面接をやめて、最初に挙げたようなホワイト面接を取り入れるのは採用面接のためだけではありません。社内のリスクを可視化することにもなります。
例えば、ホワイト面接をするには人事担当者自身もホワイトな意識が必要ですし、できないような人事担当者は配置換えをします。
ホワイト面接ができないということは、その人は潜在的なパワハラ・セクハラ予備軍です。上司の陰でなにをするかわからないリスクが必ずあるからです。