マーケティングの初期段階において重要となるのは、調査です。
様々な調査手法がある中、注目度が高まっているのが「オブザベーション」です。
というわけで今回は「マーケティングに取り入れるべきオブザベーションとは」について詳しく説明致します。
マーケティングに取り入れるべきオブザベーションとは①【オブザベーションとは?】
「マーケティングに取り入れるべきオブザベーションとは」というテーマで1つ目に取り上げるのは「オブザベーションとは?」です。
現代ビジネスにおいて既に必要不可欠となっているのが「マーケティング」です。
近年、企業においてもマーケティングを意識する企業が増加しており、企業規模を問わず既に当たり前となっていますが、その定義を深く理解されているとは、言い切れません。
マーケティングを一言で言えば、売れる仕組みを作ることとなりますが、その一言では簡単には表現できないほど、マーケティングの真意というのは非常に奥深いものがあります。
マーケティングの関わる範囲としては、非常に広く、意味的にも非常に広義な意味でとらえられています。
そしてマーケティングとは、「顧客」のために行うものですが、多様化する一方のニーズに応えるため、顧客のことをよく理解することが必要となります。
顧客が今、何を考え、何を必要としているか、顧客の本質を理解し顧客ニーズに応えていく必要があります。
そこで必要となるのが調査、分析となるのです。
マーケティングのファーストステップとして、まずは調査が重要となります。
調査方法にも様々な手法がありますが、今回注目するのが「オブザベーション」という調査方法です。
「オブザベーション」の意味は「観察」です。
マーケティングでは、対象者の行動を観察することによって調査目的に合った情報を取得するという調査方法です。
ユーザーニーズや商品の課題を明確化することを目的としています。
対象者=ターゲットの行動を観察することによって顧客心理を理解し、ニーズや購買心理を探ることとなります。
登山での事前のコース確認という意味でも「オブザベーション」は使われますが、マーケティングでは「行動観察調査」と言います。
マーケティングにおいてのプロセスでは新商品の開発時に、アンケート調査などにより消費者からの率直な意見を求めたり、消費者の自宅を訪問し生活行動を観察するといった具体的な活動が行われたりします。
こうすることで、ニーズや課題を明確にするのです。
また調査対象となるこは、消費者ニーズのみならず、消費者の購買パターンや心理面についても関わっていきます。
オブザベーションはマーケティング調査手法の1つではありますが、マーケティングリサーチとしての種類は主に2つとなります。
オブザベーションというのが、どちらに該当するかと言えば定性調査となります。
定性調査は、電話、対面、Webなど顧客から直接意見を聞く「インタビュー調査」や調査者自らがユーザーとなり商品やサービスを利用することによりPRポイントや課題を分析するという「ミステリーショッパー」という手法があります。
では、実際にオブザベーションがどのような時には用いられ、どんな時に役立つのかについてふれてみましょう、
オブザベーションが用いられるのは、新商品の開発時と既存商品の改良時などに行われます。
新商品の開発時には、行動観察により、消費者の日常においての課題や問題を探りの中に潜む問題を探り解決策となる新たな商品の開発を行います。
既存商品の改良では問題の解決策として開発した商品が消費者ニーズに本当にマッチしているか?問題解決となりうる商品となるかを判定し、解決策となっていないのなら、その理由を把握するためにユーザーの行動観察を行い検証していきます。
マーケティングに取り入れるべきオブザベーションとは②【オブザベーションのメリット・デメリット】
「マーケティングに取り入れるべきオブザベーションとは」というテーマで2つ目に取り上げるのは「オブザベーションのメリット・デメリット」です。
オブザベーションを活用を検討している企業は増加していますが、活用するには、事前に理解しておいてほしいのがメリット、デメリットです。
【メリット】
① 新たな発見にふれる
オブザベーションを活用することのメリットとして、まず上げられるのが想定外の新たな発見にふれることができるということです。
ターゲットの行動を観察することによって得られるのは、新たな発見となるわけです。
顧客の「素」の行動をじっくり観察することによって見えてくることはあるものなのです。
潜在的なニーズが浮き彫りになることによって、これまで見えてこなかった新たな発見が見つかる可能性が高いのです。
商品開発であれば、机の上で考えていただけではアイデアというのは、なかなか生まれにくいのですが、顧客行動を観察することによって、頭で考えているよりも出てこないアイデアが生まれてきやすくなってくるのです。
また、課題というのは導き出すことが重要であり、課題から顧客ニーズが浮かび上がることは多々あるのです。
② 顧客の「素」のアンサーが取得できる。
オブザベーションによってユーザ(顧客)の「素」の反応を得ることができます。
ユーザーの自宅、店舗、オフィスというに日常空間内という身近な生活圏内で調査することによって顧客の「素」の部分を知るきっかけとなるのです。
ユーザーにとって馴染みのない場所で意見を聞こうとするなら、ユーザーは緊張するものです。
そうなるとユーザーは、見栄をはってしまったり、本音をなかなか見せないようになってしまうのです。
本音と違う、建前のコメントを受けたところで、真のニーズとは、程遠いものになってしまうのです。
このようにユーザーの意見というのは、実は商品開発において非常に大きな影響を及ぼすこととなります。
ユーザーが違った回答をするならば、それに応じて商品もニーズとズレてしまうモノが出来上がってしまう可能性があります。
もちろん、アンケートやインタビューの場合は、顧客のシチュエーションを考慮し回答が異なるケースがかるということも想定しなければなりません。
オブザベーションならば実際の行動を目にすることができるため、消費者行動は一目瞭然となります。
顧客、消費者、ユーザーのいつも通りのフラットな状態で、いかに調査できるかが大切なのです。
【デメリット】
① コスト
オブザベーションのメリットとして顧客1人ひとりの行動観察により、ダイレクトに顧客ニーズを知りうることは、できます。
さらに顧客がフラットな状態でヒアリングすることにより、より本質的な顧客ニーズに近いところで理解することができるのです。
しかし、その反面、1人ひとりの顧客に接するということは、1人に対して費やす時間も増加することになります。
それだけ顧客に近いポジショニングで生活行動を観察するということは、コストと時間の負担が増加するということになるのです。
これこそが、コストそのものとなるわけです。
コスト面については、大きなデメリットと、とらえたほうがよいでしょう。
やはり、精度の高い分析をするには、それなりの良い材料が必要となるわけです。
良い材料が必要となるなら、それなりに手間も時間もかかってしまうのは、当たり前なのです。
良い材料というのは、多ければ良いというわけではなく、一定量のサンプル数があれば事足ります。
ですが、その一定数を取得するにも複数人の調査は必要となります。
となると、やはり自社で全てを賄うことは、現実的には難しくなったりします。
リサーチ会社などに外部委託するなら、調査日数が増えれば、それだけコストも増加するということは、認識しなければなりません。
ここで、考慮しなければならないのがコストバランスとなります。
オブザベーションを実施することによって見込まれる売上とコストを比較することが必要です。
経営状況とマッチしたリサーチ方法を見つけることが大切となります。
② 調査担当者の取り方に依存する
オブザベーションとは「観察」することが前提となります。
調査により集めた判断材料により問題や改善点を洗い出すことになります。
ユーザーに対するヒアリングからの情報取得を主なものとするため、行動データは詳細に把握することはできます。
しかし、その行動要因を解釈するとなると、実際には、調査者の解釈に依存することになるのです。
となると、調査のクオリティによって、収集結果をどのようにし利用し判断するかは、どうしてもバラつきが出てしまうというわけです。
調査担当者の主観というものが、どうしても含まれてしまうことがデメリットと言えます。
マーケティングに取り入れるべきオブザベーションとは③【オブザベーション実施のポイント】
「マーケティングに取り入れるべきオブザベーションとは」というテーマで3つ目に取り上げるのは「オブザベーション実施のポイント」です。
オブザベーションを実施する上でのポイントとして、ユーザーを観察する上で意識すべきポイントが3つあります。