最初に断っておりますが、営業はトーク力がある人の方が有利です。
しかしトーク力が無い人が営業で成功しないかというとそうとは限りません。
自分はしゃべることが苦手だから営業はできないと思っている人でもやり方次第で成功することは十分可能です。
私自身も最初はトーク力がなく苦労しましたが、やがて部署で一番の売上をあげる営業となりました。
私の実践した方法からトーク力がない人の営業手法をお伝えします。
他人は参考にしてもコピーはしない
営業で成果が上がらないで苦しんでいると上司や先輩が営業手法やコツについてアドバイスをくれることも多いでしょう。
できる営業マンのブログを読んだり、営業手法の本に書いてあったことを実践しようとすることもあると思います。この文章を読んでもらいながら恐縮ですが、まず一番最初に心掛けて欲しいのは他人のコピーは不可能だということです。
営業のやり方は人それぞれであり、性格や経験値によって合う合わないが必ずあります。成績優秀な人の営業手法があなたにそのまま当てはまるとは考えない方が良いです。
特にトーク力が高い人のやり方は真似をしようとしても、そもそもの基礎が違うので余計に自信を失うだけです。
もちろん試してみたら自分にピッタリということもあり得ますので、アドバイスは聞き入れなければなりません。
営業で成功するコツは、まずはアドバイスされたことを実践してみること。
そして、自分に合ったものは残し、「違うな」と思ったところは別の方法を試していくことです。
その繰り返しにより次第に自分独自のスタイルが出来上がっていきます。
アドバイスは積極的に聞くようにしつつも、コピーは目指さずに参考にして自分のスタイルの礎にすることが大切です。
雑談にこだわらない
営業に大切なのは雑談力だと言われます。
私はこの雑談を特に苦手としていたのですが、トーク力に自信がない人にとって雑談は最大の壁にもなり得ます。雑談の目的は、軽いコミュニケーションを取ることで場の雰囲気を柔らかくして商談をスムーズにいかせることです。
雑談は出来ないよりは出来た方が良いですが、本当に苦手としているならしばらくは抜きにしても良いです。自分に余裕が出てきたり、そのお客さんに会う機会が増えてくれば雑談は自然発生しますのでこだわり過ぎる必要はありません。
それよりも自分の本職である提案や商品説明を磨きあげることを優先することをおすすめします。雑談は苦手だけど仕事の話なら出来るという人は少なくないと思いますが、最初はそれで十分です。
仕事の話だけでもお客さんとコミュニケーションを取れるようになっていれば、少しずつしゃべることへの抵抗が薄れていきます。
いきなり本題に入ることも難しいので切り出し方は次のような話しをしてみると良いでしょう。仕事関係の話ですので雑談に自信がなくても出来る内容になっています。
- 時間を作ってもらったことへのお礼の言葉
- 本日の訪問の目的
- 自己紹介(初めてなら)
トークに自信が無いならひたすら聞く
トークに自信が無い人でも会話を成立させる方法はあります。
それはとにかく相手に話をさせて自分は聞く側に徹底することです。
トーク力と同じかそれ以上にヒアリング能力は営業成功のコツですので、それだけで成果を残すことも可能です。
相手の話をうまく聞くためのコツは相槌です。
相手の話しに対してリアクションを取ることで相手の話しにも勢いがついてきます。その中で重要な話しが出てくる可能性もあるので聞き逃さないようにしておけば、自分で話さなくても営業のチャンスは生まれます。
相手の話しに合わせて質問を挟んでいくことができればベストですが、それには勘も必要です。
最初のうちはお客さんのHPなどから情報を集めて質問事項を予め決めておくとその場で迷わなくても済みます。相手の話を聞く時は次の方法を実践すると引き出しやすくなります。
- 「そうですよね」「大変ですね」など同調する言葉を言う
- 笑ったり驚いてみたりと少し大袈裟なくらいのリアクションをする
- あえてメモを閉じて話し易い心理状態ににする
自分が話せないなら提案書に語らせる
提案はトーク力だけでするものでもありません。
自分で話すことが難しい場合は提案書を完ぺきに作り上げて資料を生かした営業を行うのも手です。自分が伝えたいことは全て文字にして提案書に落とし込み、データなどの資料も入れて説得力を持たせていくのです。
訪問した際は自分は資料を補足する役割にまわって営業します。
提案書を生かす手法のメリットはトーク力のフォローができることだけではありません。
企業相手の提案の場合は、話しをした相手はあくまでも担当者で決裁権はもっと上の人が持つことが多いです。そのため担当本人が納得しても、上司に提案する過程で内容が伝わりきらないことはよくあります。
自分の気持ちを伝えてお客さんのニーズも取り入れた提案書が作ることができる人は、その場のトークで苦戦しても営業はできます。
提案書以外でもメールのフォローが上手い人も、トークの不足分を補うことは可能です。まったく自分で話さないことはあまりおすすめできませんが、提案書やメールのような文章でのフォローを生かすことも考えてみてください。
得意なタイプから攻略する
お客さんの中には自分と相性の良い人とあまり良くない人がいます。
これは人と人との付き合いですので当然のことです。
トップの営業の人でも苦手としているお客さんがいるものです。
いずれは苦手な人に対しても臆することなく営業ができるようにならなければなりませんが、最初のうちは得意な人から攻略していくことをおすすめします。トーク力に自信がない人にとって、話しかけても反応が薄い人や自分から話してくれない人は提案しにくい相手です。
それであれば話し好きなお客さんから優先的に接触していって営業としての自信を深めていきましょう。
得意なタイプのお客さんと接している内に徐々に雑談力であったり、仕事の知識がつきます。するとそれを生かして苦手なタイプのお客さんとも話すことができるようになります。
いきなり苦手なタイプに挑んで失敗し、営業することが嫌になるよりもできることをやっていくのが長い目で見れば成功のコツです。
苦手なお客さんでもいつまでも避けてはいられませんし、営業戦略上くまなくアプローチをしなければならないことはありますが、自分で優先順位をつけることも覚えた方が良いです。