2019年10月からの消費税増税に伴い駆け込む消費を促し、増税前の消費を刺激したい小売業。景気に左右されやすいのが小売業と言えます。
そんな中、全各地にある巨大アウトレットモールの営業戦略について考察してみます。
小売業のスタイル
景気に左右されやすいのが小売業。必要に迫られる日常の買い物から、生活を豊かにする為の買い物など、人々は毎日の生活の中で消費を繰り返し、小売店などを利用しています。
現代社会は消費に関しては、あらゆる手段で行うことができます。インターネットとスマートフォンの普及により、いつでもどこでも物を買うことができるようになりました。
そんな便利な時代であっても小売店がなくなることはありません。
小売業には様々な形体があります。街のコンビニやドラッグストアなどの生活に密着するチェーン店、総合スーパーや百貨店、巨大ショッピングモールなど様々なタイプが存在します。
そんな様々な種類の小売業においては、売上においては、勝ち組と負け組の差がはっきりとわかれています。
全く同じ商品を売るのでも、売り方が違うだけで全く効果が変わってくるのです。これには顧客や消費者の深層心理や消費意欲、購買意欲にも関わってくるのです。
商品1つにしても、売り方、売る場所、売るタイミング、見せ方、お得感など様々な要素を刺激し、消費心理を煽ることができるのです。
インターネット通販などの便利さと比較し小売業の特徴といえば、目の前にある商品を即購入することができることです。
現物をこの目で確かめ、触れて実物を確認できるということが、小売業の何よりの特色です。これは2次元の画像だけを見て買うネット通販とは、全く違います。
特に洋服などでは、小売店で試着し、自分に合うかどうか試すことができるのが大きいです。
このような小売業での特色としては、「衝動買い」というものもあります。目の前に直感的に良いなと思ったものがあれば、買いたくなるのが人間です。
この「直感」を生み出すのも、商品の見せ方1つなのです。展示の仕方、お店やスタッフの雰囲気、接客なども含めた全ての要素が商品を魅力的に映し出す演出でもあるのです。
変わる消費者心理
そんな小売業において百貨店や総合スーパーなどは、低迷しているとも云われいます。
特に百貨店などは、老舗的百貨店が閉店したり、営業スタイルを縮小するなど、低迷は顕著となっています。その低迷の理由としては、「時代との感覚の差」です。
若い世代の間では既に「百貨店」という言葉が死語になっているほど、現代の小売業としてのスタイルとしては、アンマッチとなっています。
そもそも「百貨店」とは、なんでも揃う総合小売業という意味がありました。更に高級志向のブランド化を売りにしていた点があります。
しかし、この高級ブランド志向が今の時代と合わないのです。若者の間では、ブランド品より安くて良い物を求める傾向が強くあります。
時代によっての価値観の変化などにより低迷となる小売スタイルも存在するわけです。
そんな百貨店に変わって開業数を伸ばしているのが、アウトレットモールをはじめとした大型のショッピングモールです。
アウトレットモールが登場してから数年が経ちますが、これまでの小売業とは、いったい何が違うというのでしょうか?
巨大アウトレットモールの存在とは?
開業数を増やし売上を伸ばしている巨大アウトレットモール。その魅力的とは、いったいなんでしょうか?
日本にはじめてアウトレットモールが開業したのは、1993年のことになります。
気がつけば既に四半世紀を経過するようになり、アウトレットモールもすっかり現代社会に定着しました。
誕生依頼日本各地には、その後も続々と日本全国各地に巨大アウトレットモールが誕生しました。
現在、日本にあるアウトレットモールは約40を超えるまでになりました。
アウトレットモールがこれほどまでに受け入れられた理由は、様々あります。前述したように、時代の変化、価値観や生活スタイルの変化などがあります。
それに関連して百貨店などの小売業が衰退していったのと関連しています。
言ってみればつまり消費者の消費価値の変化が最大の理由です。
その為、それらの顧客がアウトレットに流れたからです。
消費者は、ブランド物やブランド力に全く興味がなくなったわけではありません。
やはり、人間というのは、「ブランド」という「価値観」には、魅力を感じるわけです。「ブランド」とは、そもそも人間が作り出した付加価値なのです。
付加価値は生活を豊かにしてくれるものです。この付加価値がなければ楽しみも減り文化も発展しません。
そんな「ブランド」を欲しがるのですが、少しでもお得に価値のあるものを手に入れたいということからアウトレットへ顧客が流れているわけです。
アウトレットモール2強と言われるのが、プレミアム・アウトレット(三菱地所)と三井アウトレットパーク(三井不動産)です。
またイオンなどの大型ショッピングモールなども含めれば相当な数のショッピングモールが存在します。
増加するアウトレットモールは、今後どうなっていくのかも興味深いところです。