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ビジネスには先発組と後発組がいるわけです。

業界の中で後発の楽天モバイルですが、業界の中でも勢いがあります。

というわけで今回は「後発ブランド“楽天モバイル”の戦略と楽天ブランドの常識」について詳しく説明致します。

後発ブランド“楽天モバイル”の戦略と楽天ブランドの常識①【楽天モバイルの狙いとは】


「後発ブランド“楽天モバイル”の戦略と楽天ブランドの常識」というテーマで1つ目に取り上げるのは「楽天モバイルの狙いとは」です。

物事には必ず、一番最初にはじめる誰かが存在し、それを追う者がいます。

最初にはじめた人というのは、開拓者であり、まだ誰もこじ開けたことのない未知の領域へと足を一歩踏み入れるわけですから、その功績というのは、非常に大きいのです。

先人としては、新たな思想を持つ閃きとアイデア、実行力とそれを実現する勇気、そして行動力など様々なところで評価されるものです。

どんな業界においても、パイオニアというのは、後世にわたっても評価されます。

しかし、パイオニアが最終的には勝者となるかと言えばそうではありません。

必ずしも先駆者がその業界でのトップに君臨するわけではななく、後から入ってきた後発組が業界を代表するようになるケースもあるのです。

つまり、ビジネスにおいては、後発組が先発組を追い越すということは、十分ありえるのです。

様々なモノやサービスにあふれる時代において、差別化は非常に難しいとされている昨今ですが、それでも他との違いを作り優位性を保ってる企業も確かに存在します。

特に競争が激しい業界として携帯電話業界があります。

携帯業界は、3大キャリアと言われるドコモ、au、ソフトバンクの三社が事実上の独占状態であり、この三社において携帯利用料金は収益の大半を得ています。

そこで問題となっているのが携帯電話の利用料金です。

この利用料金が高すぎではないかということが、指摘されてきました。

これを受け日本政府からの要請により携帯電話企業に対して 料金の引き下げを要求されたのです。

これまでの携帯利用料金は携帯大手3大キャリアにより形成されてきたようなものでした。

スマートフォン全盛の時代において、一人一台は所有するということが当たり前の普及率を鑑みれば、確かに携帯料金の引き下げというのは検討に値するのではないでしょうか。

しかし実際のところ、携帯料金を値下げすることは、携帯企業にとっては、ダイレクトに業績悪化に繋がるわけです。

そのような状況の中、後発組として携帯市場に参入してきたのが「楽天モバイル」です。

当然、楽天モバイルにとっての業界全体としての携帯料金相場の引き下げというのは、影響がないわけではありませんが、楽天モバイルは、大手企業の楽天グループの一企業であります。

グループ戦略ということを考慮すれば、グループ全体としては、結果的に携帯業務に固執する必要もないという事実もあるのです。

だからこそ、楽天グループはグループ全体としてM&Aを積極的に行い、デジタル戦略を明確に進展させていくのでした。

楽天のインターネット関連企業は、実に70以上となり、事業をグループ化していることにより、グループ経営のメリットを最大限に活用しているグループブランド戦略を徹底しているビジネスモデルと言えます。

楽天が主戦場としているのは、ECと金融事業です。

にも関わらず、最近のM&Aでは小売業です。

これは、楽天という企業イメージからすると、違和感を覚えるものとなります。

楽天の目的としては、携帯ブランドを含めた様々な事業への展開をしかけた理由は、いったいどこにあるのでしょうか。

後発ブランド“楽天モバイル”の戦略と楽天ブランドの常識②【小売業のオペレーション】


「後発ブランド“楽天モバイル”の戦略と楽天ブランドの常識」というテーマで2つ目に取り上げるのは「小売業のオペレーション」です。

小売業のビジネスとは、仕入れた商品をできる限り早く適切な価格で売ることがセオリーで、いかにして回転率を上げていくかが基本となります。

そのためには、業務を効率化しオペレーションをできる限りシンプルにすることが重要となります。

そうすることでオペレーションコストの差を拡大させることによって利益を最大化させることが可能となります。

小売業のオペレーションの要素として欠かせないのが「物流」です。

物流が弱い企業というのは、競合他社との競争では勝ち抜くことは、まずできません。

どれだけクオリティが高く魅力的な商品を生み出したとしても、その商品そのものが最適なタイミングで顧客のもとに届かなければ、商品価値は下がってしまいます。

しかし、小売業としては重要となる物流コストがオペレーションコストとして過大になるケースは、収益の直接的な圧迫要因となることから注意が必要です。

楽天にないもの、それは物流です。

大型のインターネットショッピングモールである楽天市場ですが、楽天市場そのものは、プラットフォームであり、物流は持っていません。

楽天も、自社で物流を行おうと何度かトライしていますが、成功には至っていません。

物流そのものを新たな事業とするのは、想像以上に手間暇がかかるからです。

人員確保、管理、施設の整備など準備には、それなりに時間を要し物流独特のノウハウというのも必要なのです。

携帯電話事業への進出というのは、グループ戦略において欠かせないものとなっているのです。

楽天のメイン業務と言えば、やはりEC関連サービスが中心となりますが、携帯電話事業も、グループ全体に対してのサービス利用ポータルとして十分に活用できることが容易に想像ができます。

つまり、「楽天モバイル」は、携帯電話事業としては、後発ではあるものの、これまでの三大キャリアとは全く異質な企業であり、「楽天ブランド」が提供する全てのサービスと関連するという付加価値が付いた携帯電話事業者であることです。

具体的には、次のような特徴があります。

  • ブランドタッチポイントの活用
  • 楽天カードでの決済
  • 楽天の商品注文
  • 楽天証券での取引
  • 楽天銀行での決済
  • ネットスーパーの利用

上記のように既にある様々なサービスとの連携をはかり、楽天ブランドとしてのサービス利用が売りとなるのです。

楽天としては携帯電話事業での収益性にあまりこだわる必要はないというのが、その他の携帯事業者との大きな違いとなるわけです。

後発ブランド“楽天モバイル”の戦略と楽天ブランドの常識③【携帯参入によるビジネス拡大】


「後発ブランド“楽天モバイル”の戦略と楽天ブランドの常識」というテーマで3つ目に取り上げるのは「携帯参入によるビジネス拡大」です。

戦略的に携帯電話の利用料金というのは、楽天にとっては戦略的に活用できる要素であります。

他社より携帯電話料金を引き下げることが戦略的なアピールとなり、携帯電話の利用者の増加に繋がっています。

楽天モバイルの目的というのは、携帯電話事業での存在感を高めることではなく、自社サービスの利用会員の増加となります。

楽天ブランドが提供する多角的なサービスの利用を増やすことにより、商品購入頻度を高めることなのです。

そうすることにより、例え携帯電話事業がそこそこでも赤字にさえなれなければよいというスタンスで携帯電話事業を行っているのではないでしょうか。

楽天モバイルが行っている携帯電話事業者としての戦略は、明らかにこれまでの競合企業大手3社とは、異なるものです。

グループによる顧客の囲い込み戦略という意味では、明確に差別化が出来ています。

携帯事業に楽天が参入する以前にもグループとして既に様々なサービスが展開されていましたが、それぞれのサービスが総合的に連携できていたかというと、決してそうではありませんでした。

それを解決するための手段として携帯電話事業への参入へ踏み切ったとされるのではないでしょうか。

グループ全体としてのブランド価値の向上は、楽天ならではの戦略とも言えます。

まとめ

いかがだったでしょうか。今回は「後発ブランド“楽天モバイル”の戦略と楽天ブランドの常識」というテーマで詳しく解説致しました。

ブランド戦略を進める上で注意すべきことは、近い将来ではなく、中長期的な視野を持っ対応することです。

直接的な競合のみではなく、間接的な競合の有無を確認することが大切です。

それを見極めるのは、市場の現状と消費者との距離感です。

いかにして顧客(消費者)の本質的な不満を汲み取ることができるかが重要となります。

それこそが多様化する消費者ニーズにダイレクトに応えることとなります。

一方的に自社の商品を売り込むような時代は既に終わっています。

リアルな今の現状をとらえ、視点を変えたブランド戦略に取り組む必要性があるのです。


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