マーケティングを語る上で欠かせないのは、「トレンド」、そして「ニーズ」です。
今何が世の中で、そして顧客に何が求められているかを知ることが基本であり、ニーズのあるところにビジネスは生まれます。
今ニーズが高いのが「シニア」です。
というわけで今回は「需要と供給。拡大するシニアマーケティング」について詳しく説明致します。
需要と供給。拡大するシニアマーケティング①【拡大するシニア市場】
「需要と供給。拡大するシニアマーケティング」1つ目に取り上げるのは「拡大するシニア市場」です。
少子高齢化という時代。世界的にみても、長寿大国である日本は、その他の先進国からも日本がどう対処するかは、注目されています。
長寿大国日本で広がるマーケティングと言えばシニア市場。
マーケティングというものは、需要の多いところに必然的に照準を合わせるわけです。
日本のシニア市場というのは、まだまだ拡大を続けています。
予想によるシニア市場の規模は、2025年までに100兆円超という非常に魅力的なシェアなのです。
シニアマーケティングは、マーケッターとしても無視できない需要となっているのです。
少子高齢化と数年前より言われている日本の現状について、皆さんは、具体的な数値をご存知でしょうか?
まず日本の総人口ですが、およそ1億2,671万人。その内、65歳以上がおよそ3,515万人とされています。
割合的に高齢層と言われる方は全体の約28%とということになります。
この割合は、年を追うごとに増加する傾向が続くのです。
傾向として、このまま増加すれば、2065年には約2.6人に1人が65歳以上となるわけです。
なんと、およそ3人の内、1人が高齢層となるということは、異常なまでの増加ということが実感できます。
これは、単に高齢層が増え続けるというわけではなく、若年層が増加していないということの裏付けとなります。
高齢層の数が突然増加するというわけではありませんから、出生率の低下が現状のペースでは、このような試算になるということになります。
少子化と言われるこの時代、ライフスタイルや価値観の変化、女性の社会進出など様々な要素によって、現在があるのです。
このような高齢化という現実があるからこそ、シニア市場の拡大は自然の状態とも言えます。
現在の人口推移からすると、目先の5年後までに約300万人規模の市場拡大が起こる見込みとなっています。
当然、このような大きな市場に対し日本国内のマーケティング市場もシフトしているわけです。需要の高いところに攻勢するのは当然のことであり、そのような動きがさらなる市場の拡大へと繫がっているのです。
シニア市場は、企業にとっての成長戦略の一貫として見逃すわけにはいかないのです。
具体的にシニア市場には、どのような業種・業界が含まれるのか以下にまとめてみました。
- 医療関係
- 健康器具メーカー
- 介護用品メーカー
- 美容品メーカー
- アパレルブランド
- 旅行代理店
実に様々な業種・業界の多くの企業がシニア向けの商品やサービスを展開していることがわかります。
具体的な例で言えば、旅行代理店などが出掛けるバス旅行などのパッケージツアーなどがあります。
平日の観光地やサービスエリアなどを見ると、バスツアーに参加した多くのシニア世代の団体を見かけることがありませんか?
実はシニア世代こそ、旅行に出かけることが多いのです。
2020年に入り、世界を揺るがす新型コロナウイルスの歳にもシニア世代の方がクルーズ客船への長期の旅に参加していたり、バスツアーなどに積極的に出掛けていることが判明したのです。
つまりシニア世代ほど、お金を持っていることがわかります。経済力があり、現役を退いて余生を優雅に過ごす余裕がある状況であれば、シニア世代はお金を使ってくれるというわけです。
企業にとっては、シニア世代をターゲットにしてこそ、大きなビジネスチャンスを得られているというわけです。
シニア市場は、大きな3つのカテゴリにわけられます。
- 医療・医薬
- 介護
- 生活産業
この中でも介護業界については、今後更にニーズが高まり、市場規模としては、およそ50.2兆円の規模と予想されています。
日本が長寿大国となったのは、元気で健康なシニア世代が、増加したからです。
全ての高齢者が皆、介護を必要としているわけではなありません。元気な高齢者の方は、人生を謳歌し楽しんでいます。
その為、生活産業も介護と同等な規模で市場規模としては、大きいのです。
需要と供給。拡大するシニアマーケティング②【シニアの変化に対応する】
「需要と供給。拡大するシニアマーケティング」2つ目に取り上げるのは「シニアの変化に対応する」です。
日本の社会構造により高齢者が増加していることが、シニア市場を拡大させていることになるのですが、この市場の拡大は単に人口比率が直結していることだけが理由ではありません。
市場の拡大を後押ししているのは、シニア世代のライフスタイルの変化も関連しているのです。
いわゆる「高齢者」というと、身体的な能力は年を重ねる毎に衰えていくのが普通であり、どのようにそれをカバーしていくかということが課題となります。
つまり、老後をどう過ごすのかということを健康面や財政面から考える生き方です。これは保守的な考えと言えます。
しかし、近年では、シニアになってから新たに次の人生を歩もうという積極的な考えをする高齢層が増加しているのです。
シニア世代になっても新しいチャレンジをしセカンドライフを満喫しようという方が増えているのです。
具体的な例で言えば、これまで会社勤めしていた方が定年後、蕎麦屋を開業するなど、自分の趣味や興味があることにチャレンジする方などがよい例です。
これもまた健康だからこそできることなのです。
日本が長寿大国となったのは、医療や科学の進化、生活環境の変化など様々な点が影響されていることが要因です。
そのようなことから、シニア世代になっても現役で、これまでの経験を活かし社会貢献したいという方が増加しているのです。
シニアになっても、新たな価値観を持ち仕事や趣味に積極的に活動するアクティブシニアが増加しているのです。
このようにシニア世代そのものの考え方や生き方の変化もシニアマーケティングを活況に導いている要因なのです。
つまり、シニアだからと言っていわゆる「老人」向けのサービスを意識した商品開発ばかりでは、受け入れられないわけです。
このようにシニア世代が活発になればなるほど、シニアマーケティングもそれに準じて活況となるわけです。
シニアマーケティングを意識する際に考えなければならないのが男性、女性によっても異なる視点など、様々なカテゴリによって異なるニーズがあるということです。
ライフスタイルにもよりますが、シニアの中でもインドア派とアウトドア派がいます。
自宅でゆっくり音楽や映画などを楽しみたい方や、スポーツなどでアクティブに動きたいという方もおり、人それぞれニーズは広く様々です。
企業は、このことに気がつかなければならないのです。
シニアマーケティングとして、企業が失敗することとしてシニア市場をまとめて「シニア」という一括りでとらえてしまうことです。
「シニア」だからシニア向けのという戦略は、間違いなのです。
売上的に成功させるには、広い範囲で捉え様々なシニアの志向に合わせることが重要なのです。
これを意識するかしないかで、大きなビジネスチャンスを逃してしまうことだってありえるのです。
シニアマーケティングにこそ、マーケティングリサーチは重要視されます。
需要と供給。拡大するシニアマーケティング③【ターゲットをどこにすべきか】
「需要と供給。拡大するシニアマーケティング」3つ目に取り上げるのは「ターゲットをどこにすべきか」です。
ニーズが高く拡大傾向にあるシニアマーケティングを実施するには、広い視点からシニアを意識すること、そしてその中からターゲットを明確にすることが必要となります。
シニアの中でもカテゴリ分けすると、いくつかのターゲット層が存在しています。
そしてターゲット単位で適切な商品やサービスを開発し、メッセージを発信していく必要があります。
シニア層のターゲットを分類するには、ライフスタイルによるカテゴリ分けをするようにします。
シニアのライフスタイルを具体的には、次のように分類してみました。
- プレミアムシニア
- スポーティブシニア
- エンジョイライフシニア
- 悠々在宅シニア
- アクティブシニア
- リーズナブルシニア
- ぎりぎり生活シニア
- 要介護シニア
このように、分類分けしてみれば、様々なライフスタイルのシニアが存在することが明確になります。
どのライフスタイルで、どんなターゲットに対したマーケティング施策を行うかということがシニアマーケティングを成功へ導くキーとなります。