近年、メディアにおいて取り上げられることも多い「成城石井」。
皆さんは成城石井を訪れたことはありますか?
非常に魅力的な商品が多い「成城石井」の経営戦略について迫ります。
というわけで今回は「市場における差別化を具現化している成城石井の経営戦略とは」について詳しく説明致します。
市場における差別化を具現化している成城石井の経営戦略とは①【時代の先をゆく成城石井】
「市場における差別化を具現化している成城石井の経営戦略とは」というテーマで1つ目に取り上げるのは「時代の先をゆく成城石井」です。
先日、テレビを何気なく見ていると「成城石井」の特集番組を目にしました。ここ最近、様々なメディアでもよく「成城石井」のことを見かけます。
時代のニーズにマッチしているからか、顧客に受けているか、成城石井自身がマーケティング戦略的に売り出しているのかは定かではありませんが、確実に今「成城石井」ブームが訪れているといっても過言ではありません。
小売業を中心にモノが売れない時代と言われている昨今ですが、その原因としてモノがありすぎるということもあるのです。
特に他社との「差別化」という面では、非常に難しく各業界、業種においても非常に苦戦を強いられています。
苦戦が続くという意味では、スーパー業界にも同様なことが言えます。
そんな業界の中で成城石井は、12年連続増収増益という実績を積み上げていることは、驚くべきことなのです。
これは正に、競合他社がひしめき合い差別化が難しいという業界においても、高収益体質である成城石井は特異な存在と言ってもよいでしょう。
特にスーパー業界というのは、日常的な買い物ニーズがあることから、安さばかりに着目した低価格戦略、安売り商法に投じるスーパーが非常に多くを占める中、成城石井の「スーパー」としてとる戦略は、その真逆にあると言ってもよいでしょう。
価格は決して安くはなく、「高級スーパー」と言われている同社が、なぜ今ここまで消費者の心を掴んでいるのでしょうか。
今でこそ、メジャーな存在であり、ブランドスーパーとしてのイメージを誇示している成城石井ですが、そもそもはたった2店舗のみのスーパーでした。
転機となったのは「駅ナカ出店」をはじめたことでした。それが1997年のことになります。
当初たった2店舗のみのスーパーが現在では、150店舗にまで拡大したのですから、その後の成城石井がいかに成長し拡大してきたかがわかります。
競争が非常に激しいスーパー行快の中で、その名を轟かせ、独自のポジションでその地位を築いてきた成城石井は、業界内でも非常に異質な存在と言えるでしょう。
成城石井は、結果的にみると店舗コンセプトそのものが、上手く時代の流れにハマり乗っていくことができたと言ってもよいでしょう。
成城石井にとっては、時代の大きな流れが追い風となったことは、好都合でした。
ワインやウイスキー、そしてチーズ、オリーブオイルなどの輸入品を中心に扱ってきた成城石井。
バブルを過ぎた1990年代に入ると日本人の感覚も徐々に変わっていき、食に対しての趣味趣向も非常にバラエティになってきていました。
特に時代的にイタ飯ブームと言われた、イタリア料理の時代との流行りに上手く合致したことも大きな要因の1つとなりました。
市場における差別化を具現化している成城石井の経営戦略とは②【高級ではなく高品質なスーパー】
「市場における差別化を具現化している成城石井の経営戦略とは」というテーマで2つ目に取り上げるのは「高級ではなく高品質なスーパー」です。
現在では、既にオリーブオイルというのは、料理の材料として一般家庭でも当たり前で、どこでも買えますが、当時としては、まだそれほど浸透していませんでした。
もちろん成城石井以外でも既に購入することはできましたが、成城石井の輸入品の商品とは、他店では違ったのです。
実際に成城石井の商品というのは、確かに他店には置いていない見たこともないような珍しい商品ばかりが飛び込んできます。
価格的にも一般のスーパーで売られているものと比べても、高いものが多いのですが、他のスーパーとは明らかに異なるため、お店を訪れ、商品を見ているだけで非常に楽しいのです。
商品の品質が高いからこそ、価格もそれなりに高くなってしまうということになるのです。
例えば成城石井の代表的な商品である「プレミアムチーズケーキ」。
ここでしか買えない成城石井ならではの、こだわりのスイーツです。
味や品質というのも非常に高い商品であることは間違いありませんが、やはり価格もそれなりです。
販売価格は、一本790円ほどです。
一般のスーパーで売られているメーカー品からすると、下手したら倍近くの値段となります。
しかし、質が高いから値段も高いというわけではなく、そもそも原材料自体が品質が高く、ついでに重量感も十分にあることから、ポリューム感も非常に高いのです。
こう考えると決して「割高」の商品ではなく、商品そのもののグレードを考慮すれば、むしろ割安と考えたほうが合っています。
つまり、成城石井は、こだわりがあり、高品質な商品を提供しているだけではなく、顧客のことを考えているということも1つあります。
実際は、高級スーパーと言われつつ、顧客が買いやすい価格をしっかりと考えているのです。
確かに「高級」とは、言え、一般庶民が全く手を出せない価格帯ではありません。
一般的なスーパーで購入することを考えると、倍近くする商品もありますが、成城石井価格として考えれば、手の届かない価格設定ではありません。
市場における差別化を具現化している成城石井の経営戦略とは③【こだわりのオリジナル商品】
「市場における差別化を具現化している成城石井の経営戦略とは」というテーマで3つ目に取り上げるのは「こだわりのオリジナル商品」です。
成城石井の取り扱う商品の多くは、他店では見かけることがない輸入品、そしてもう1つが「オリジナル商品」です。
原材では、様々な小売店が自社が独自に開発したオリジナル商品=PBブランドというのが非常に多いです。
スーパーをはじめ、コンビニ、ドラッグストア、ホームセンター、100均など、PB商品というのは、非常に多いのです。
PB商品の特徴というのがコスパです。
自社での商品開発、販売を行うことから、様々な面のコストを省くようにし、商品価格に反映しているのが一般的です。
PB商品の多くは、一般のメーカー品に比べ、割安なものが多くコスパがよいものが多いのが普通です。
成城石井のオリジナル商品はコスパという意味では、それに当てはまらないかもしれませんが、クオリティとオリジナリティに関しては、やはり他とは、全く異なります。
やはり、成城石井も自社のオリジナル商品には、こだわりを持ち、市場ないような商品なら自ら作ってしまおうというコンセプトのもと、商品開発を進めているのです。
オリジナル商品の代表的なものと言えば、先述したように、オリジナルの「プレミアムチーズケーキ」だったりします。
その他には「自家製ソーセージ」も有名です。
原材料には、国産のフレッシュな豚肉を使用し、ドイツ岩塩で味付けとしています。
ポークウインナーについては、天然の羊腸に詰めて作るという製造工程から他とは違っているのです。
ソーセージやウインナーと言えば、そもそも本家は「ドイツ」なのですが、技術と品質自体は、本場ドイツでも認められるようなレベルにまで至っているのです。
成城石井のオリジナル商品数は、いったいどれだけあるか?と言えば、商品数としては、役目2000点以上あるのです。
成城石井は、とにかく商品にこだわるお店ということがわかりますが、それは決して売り手の自己満足ではありません。
成城石井のコンセプトとしては、顧客が欲しがるものを追求しているのです。
つまり、いつでも顧客目線であり、明確なマーケティング戦略があるわけです。