日本の中心である首都東京、日本の全てがここからはじまると言っても過言ではありません。
そんな東京に山手線の49年ぶりの新駅が運営されています
というわけで今回は「高輪ゲートウェイはマーケティング的に見るといかがなものか?」について詳しく説明致します。
高輪ゲートウェイはマーケティング的に見るといかがなものか?①【新たな駅としての話題性は?】
「高輪ゲートウェイはマーケティング的に見るといかがなものか?」1つ目のテーマは「新たな駅としての話題性は?」です。
2020年という年は非常に印象深い年となりました。
振り返って見れば「タラレバ」を多く述べたくなるようなそんな年とも言えるのではないでしょうか。
その1つがオリンピックの開催でした。本来ならば、2020年はオリンピックが行われる「はず」でした。
しかし、新型コロナウイルスという予期せぬ事態に見舞われたことで、開催は延期となりました。
そのオリンピックに合わせたインフラ整備の1つとして、2020年3月14日に山手線の新駅として「高輪ゲートウェイ」駅が開業したわけです。
こちらは、当初の計画通りの開業となったのですが、その頃はコロナ禍の真っ只中、翌月には緊急事態宣言も発令されるなど、非常に混沌とした時期と言えたわけです。
新駅のスタートとしては、決して華々しいものではありませんでした。
そんな新駅が開業しての話題性はどうなのでしょうか?
実際の評価としての話題性としては、非常に低いと言わざるをえませんし、もっと言うならマーケティング的に成功しているとは、非常に言い難いです。
印象としては、非常に勿体ない感じがあり、山手線の久々の新駅というポテンシャルを十分に発揮できていない印象が強く残りました。
山手線の駅としては、実におよそ半世紀ぶりの新駅登場という歴史的出来事に対して、なぜそれほどまでに話題になっていないのか、その原因を追及することがマーケティング的にとらえれば、非常に面白みがあるのではないでしょうか。
高輪ゲートウェイ駅については、様々な要因があり、タイミング的な要素としても考慮すべき点はもちろんあります。
マーケティングというのは、いくら緻密なリサーチを行い万全を期して行っても上手くいかないことはあるものです。
それには外部要因が関係するからです。
マーケティングとは、何に対しても外部要因が大きく関わってきます。マーケティングとは、市場の上に成り立っているからです。
今回の外部要因としては、新型コロナウイルス感染拡大が影響したことは、言うまでもありません。
多くの業種、業界が被害を受けたのです。
実際に高輪ゲートウェイ駅も影響を受けており、開業のタイミングで新型コロナウイルスの感染が高まる状況の中、開業記念式典をはじめとして、様々な関連イベントが中止や延期となったのです。
開業のタイミングをずらせばよいのにという意見もある一方、運行面の事情から、時期をずらすことなく予定通りの開業に至ったというわけです。
時期が時期だけにという事情もかなり影響していますが、その後は、ほとんど話題にすらなることなく、現在に至っています。
世の中の関心は新型コロナウイルスに対してのみに集中し、感染対策からテレワークを導入する企業が増え、通勤客さえも極端に減少するという異常事態ともなったのです。
高輪ゲートウェイはマーケティング的に見るといかがなものか?②【高輪ゲートウェイという駅名はいかが?】
「高輪ゲートウェイはマーケティング的に見るといかがなものか?」2つ目のテーマは「高輪ゲートウェイという駅名はいかが?」です。
高輪ゲートウェイ駅について話題となったのは「駅名」です。
駅名決定のプロセスは公募という手段をとりました。
この応募に対して6万件超の応募が実際あったのですが、実際に決定したのは、ランキング130位の名前を選んだということも非常に話題となったのです。
ここで重要となってくるのが「ネーミング」。
マーケティング要素としても非常に重要となるネーミングです。
マーケティングツールとしての機能もはたすネーミングには、非常にセンスが問われます。
企業名であれ、商品・サービス名であれとにかく顧客に対しての第一印象を与えるものとなるキーワードだけに、キャッチーで受け入れられるネーミングが必要となります。
しかし、「高輪ゲートウェイ駅」というネーミング事態の評価は非常に低いものとされています。
カタカナが入った山手線初の駅名ということもあり、その観点では、確かにインパクトはありますが、見方を変えればこの駅名だけが浮いているような印象も受けます。
そしてそもそも街の雰囲気と時代にマッチした駅名と言えるのか?非常に疑問が残ります。
高輪ゲートウェイという名称は公募の中から選ばれたということですが、なぜそれに決まったのか。
それは、そもそもの駅のコンセプトにこだわったからなのです。
どうやら、駅名に「ゲートウェイ」という言葉を入れたかったからのようです。
今までにないような駅名ということで、カタカナ入りの駅名への違和感というのを感じることが多いのはなぜか?
実際に駅名としては、カタカナ入りの駅名などは、既に存在していますが、山手線の中の1つというと違和感を感じてしまうと言うことがあります。
というのも、マーケティングという側面であれば、顧客に訴えかけるには、そのブランドのコンセプトを伝えるために、カテゴライズする必要があります。
歴史ある山手線は大都市の東京を支える足でありシンボルでもあるわけですから、既に山手線というブランドは出来上がっているわけです。
これまで山手線の駅と言えば、23駅がスタンダードであり、全てが漢字表記であり、地名に基づいたネーミングとされてきました。
そして、渋谷なら渋谷、原宿なら原宿と、その駅と街の足並みが揃ったイメージが十分に作られているわけです。
認知度としても当然高く街と駅のブランド化も完成されています。
そこに唐突に出てきた「ゲートウェイ」ですから、何か山手線のブランドとは異なり、どこかぎくしゃくしているような印象が拭えないのではないでしょうか。
確かに高輪ゲートウェイ駅近辺には、「品川インターシティ」、「大崎ニューシティ」などカタカナの施設が多いのですが、駅名としてのコンセプトとは異なります、
つまり、マーケティングにおいてネーミングセンスというのは、非常に重要なこととして意識する必要があるのです。
高輪ゲートウェイはマーケティング的に見るといかがなものか?③【様々な批判と評価】
「高輪ゲートウェイはマーケティング的に見るといかがなものか?」3つ目のテーマは「様々な批判と評価」です。
東京都内を循環する山手線は、東京の足としての役割をはたし、人とトレンドを動かす原動力となっています。
東京23区のエリアというのは、それほど広いエリアではありませんが、それぞれのエリアながらの個性を持った街並が揃えられています。
街のラインナップとしては、非常にバラエティに富んでいるのです。
そんな街の個性や特徴を形成している要素の1つが駅の存在です。
駅は人とビジネスをクロスさせるゲートであり、街の顔ともなります。
街の雰囲気を表すのが駅というわけですが、新駅である「高輪ゲートウェイ」の物議を醸しているのが駅舎です。
高輪ゲートウェイ駅周辺のエリアは、近代的な高層ビル群に囲まれていますが、そんなクールな都会の印象とは異なり、駅舎は和の雰囲気が漂う木製の駅舎なんです。
ここに街とのギャップがあり話題となりました。
街と同じく、高輪ゲートウェイという駅名もまた駅舎のイメージとはアンマッチの印象を抱かせるのです。
批判の意見も多い駅舎また戦略的にみれば、果たして正解だったかどうかは疑問が残るところです。
「あえて」裏をとり外しにいったという戦略もありますが、駅というのは、一時の瞬間的なトレンドと違いスタンダードな存在とならなければならないので、将来的な明確なビジョンを持ったマーケティング戦略が本来必要なのではないでしょうか。