世の中、いつ、どこで、何が流行るか予想もつかないことがあります。しかし、どんなブームにも仕掛け人が存在します。
最近タピオカティーブームが席巻しています。そんなタピオカブームに見るマーケティングと営業戦略の「謎」について迫りたいと思います。
若い女性の間で人気の「タピオカ」!今まさにブームの時
いつの時代にも流行り廃りはあります。それは、その時代の価値観やライフスタイルにも影響しています。
そして流行は、作り出されるものですが、流行りは時にリバイバルされることもあります。そんなリバイバルを感じさせる最近のブームと言えば「タピオカ」です。
ここ数年、日本ではタピオカドリンク、タピオカティーなどが若い女性を中心として大流行となっています。
既に全国的に流行しており、全国各地に女性に人気のタピオカ店が存在します。特にタピオカ店激戦区なのが東京都内です。
若者の人口が多い首都圏では、タピオカ店の勢いは、今も衰えるところを知りません。東京都内では、おしゃれなカフェやレストラン、飲食店などがところ狭しと軒を連ねていますが、ここ数年のタピオカ店の勢いは目を見張るものがあります。
東京都内でも特に若者が多く集う渋谷、原宿、池袋には数多くのタピオカ店が出店し、タピオカ激戦区となっています。
その激戦区に、今なお新店が出店されるほどの人気ぶりで、現時点でピークはまだ迎えていないでしょう。
これだけの勢いを見せるタピオカ店ですが、その流行の要因と営業戦略は、どのようなものなのでしょうか?
マーケティングの面から集客面から見ても、その営業スタイルは、非常に興味深いものです。
現在のタピオカブームは、第二次ブーム。
時代は、繰り返されるというように、マーケティングの面から見ても、流行やブームは、ある一定の周期で繰り返されるのです。
現在のタピオカブームにおいてもリバイバルヒットなり、今回のタピオカブームは、第二次ブームとなります。
第一次ブームとなったのは、1990年代。今からおよそ20年ぶりのブームとなります。20年ぶりのタピオカブームは、なぜ起こったのでしょうか?
1990年代のブームは、日本ではじめてタピオカなるものが認識された時代でした。この頃には、今ほどの盛り上がりではなく、一時的ブームというところでした。
この時代にタピオカの認知度が高まったことで、様々なタピオカ関連商品が開発、販売されたりしました。ファミレスなどでのデザートメニューとしてもタピオカを揃えるなど、タピオカの存在感は、ある一定のところまではキープされました。
その後、現在のブームまでタピオカの存在は消えることはありませんでしたが、さほど注目されることなく、いわば低空飛行の状態が続きました。
現在のタピオカブームの火付け役となったのは、代官山にオープンした台湾発祥の「春水堂」だと言われています。
春水堂がオープンしたのは、2013年のこと、お店の場所は、おしゃれな街として知られる「代官山」です。
まず、出店した場所から、成功の要素があります。都内でも屈指のおしゃれな場所に出店したことによりブランド力を高めました。
そしてブームの決定打となったのが、春水堂の看板商品である「タピオカミルクティー」なのです。なんと、来店する約7割がこの「タピオカミルクティー」を注文するほどの大人気商品なのです。
その人気ぶりは、とにかく凄く待ち時間に3時間ほど、お店までには長蛇の大行列を作るなどブームの牽引役となったのです。
台湾発祥である「春水堂」は、地元ではもちろん人気のカフェですが、観光で台湾を訪れる日本人観光客からも人気が高く、台湾を訪れる際には、必ず「春水堂」のタピオカミルクティーを飲むという「春水堂」ファンが存在しました。
タピオカ通の人には、知る人ぞ知る美味しいドリンクだったのです。そんな有名店が日本に上陸したことだけでも話題になったのです。
タピオカブームの要因とは
今回のタピオカブームの要因は、前回のタピオカブームとは事情が異なります。
今回のブームの要因は、商品そのもののクオリティが高く消費者に受け入れられたこと、そして台湾での十分な実績があったことが要因となります。
しかし、台湾でいくら有名なお店だとしても、日本に進出し成功する保証は全くありません。
特に飲食業界は予想以上に厳しい世界です。飲食物については、国が違えば味覚も違います。台湾に観光で訪れる日本人に人気だとしても、それは雰囲気の違いによりものかもしれません。
つまり旅先の雰囲気や気分が高揚していることから、より美味しく感じられるという心理的な要因もあります。
それらの要素をふまえても結果的に日本では、大成功となりました。
結果的には商品そのものの実力で、正しく評価されたということでしょう。
そして、今回のタピオカブームは、およそ20年ぶりのブーム到来ということもポイントです。
20年という歳月は、世代が変わります。つまり今回、ブームの火付け役は若い女性なのです。第一次タピオカブームの頃は、今の若い女性は知りません。
つまり今のメインターゲット層にとっては、タピオカは新鮮なものに感じるからです。