ニーズというのは、いつの時代も尽きることはありません。
人間が存在する以上、ニーズは失われませんし、より多くの広がりを見せています。
というわけで今回は「多様化するニーズに応えることは、はたして正解か?」について詳しく説明致します。
多様化するニーズに応えることは、はたして正解か?①【多様化するニーズに対応する必要性】
「多様化するニーズに応えることは、はたして正解か?」というテーマで1つ目に取り上げるのは「多様化するニーズに対応する必要性」です。
情報化社会の現代においては、取得できる情報のおかげで、物事の選択肢というのは、多種多様に広がっています。
個人が何を重視し選択するかというのは、個人の判断にゆだねられていますが、そこには、各個人の個性、価値観、趣味趣向というのが確実にそこに存在しているに違いありません。
現代のライフスタイルというのは、多種多様となっており、「個」を重視する時代となっています。
情報源となるものも多種多様であり、非常に大きな選択肢を持てるようになったことは、環境面からしても非常に大きな選択肢と言えます。
インターネットのあるかないかで世の中は、非常に大きく変わり、インターネットの登場は価値を広げるために革命的な現代的技術と言えるのではないでしょうか。
もはや現代人にとってインターネットは生活に必要不可欠なものであり、インターネットから得た様々な情報により行動が左右されると言っても過言ではないのではないでしょうか。
インターネットが登場する以前では、同じテレビを見て共感するということが、一律的なパターンとして当たり前に存在していました。
なぜなら、当時を生きていた人は、情報リソースとなるものが極端に限られていたからです。
ましてや今の時代のように、一個人が誰しも簡単に情報を上げられるという、そんな簡単な時代ではなかったからです。
つまり状況的にみても、「個」を重視し、大切にするような状況ではなかったのです。
インターネット前、いわば「昭和」の時代は、グループ志向が非常に強く、個を強調するならば、変人扱いされることがありました。
それに対し現代は、どうでしょうか。
「個」が重視され、ニーズが多様化されたならば、ビジネスは非常に混沌とした中に置かれているという状況になっていると言えるのではないでしょうか。
多様なニーズは、ライフスタイルに合わせることによって商品やサービスを対応させていくことによって個人中小企業にとっては非常に大きな問題となりうるのです。
多様化するニーズに対応すること、そのものは企業にとっては決して悪いことではなく、マーケットそのものを縮小する行為となってしまうのです。
「個」が重視されていない、まだニーズが多様化されていない時代であれば、皆か同じものを何の疑いもなく買っていたからです。
みんながみんな同じものを買っていたという時代背景という大きな後ろ盾があったことは間違いないのですが、皆と同じことが嬉しいことでもあり、共感を楽しんでいたともとれるのですり
このことは、ある意味、非常にいい時代であったと言えます。
高度成長期においては、まだ発展途上段階とも言え、生活の利便性を重視する時代であったとも言えます。
実際にはモノはありましたが、今ほど個を重視するほど、選べるほどモノはありませんでした。
つまり、ニーズというのは、当然今ほど重視されていなかったのです。
多様性を求めるニーズよりも必要なのは、機能性でした。
もちろん、単に機能が良ければそれでよいというわけではなく、日常のニーズにマッチしており生活の利便性を向上させるものが必要となりました。
多様化するニーズに応えることは、はたして正解か?②【時代によってのニーズの変化】
「多様化するニーズに応えることは、はたして正解か?」というテーマで2つ目に取り上げるのは「時代によってのニーズの変化」です。
昭和時代の三種の神器と言えば、テレビ、洗濯機、冷蔵庫となります。
これらは、現代人にとってはもはやあって当たり前のものであり、それ以降の私達の生活を支えるものとなります。
当時としては、皆が皆、欲しいものでした。機能やデザインというのは、後回しという一面もありました。
ほとんどの人が、テレビ、洗濯機、冷蔵庫を持っていないわけですから、どれを買っても同じだろうと考え、こぞって購入していました。
そのような古き良き昭和の時代を経て、ライフスタイルも少しずつ変化していきます。
そして現在のような混沌とした時代を迎え、ニーズは多様化していくのでした。
誰しもが何の疑いもなく、こぞって同じモノを買っていた時代から、現在は「個」を重視する時代へと変化していくわけですが、それによりニーズというのは多様化していくわけです。
消費者(顧客)に対して、様々なプロダクトを提供する企業からすれば、次々と新たなモノが生み出される現状を理解しつつ、それでもさらに新たなモノを生み出すことを継続的に行うこととなります。
となると、モノは当然、増え続ける一方であり、商品開発は、よりニッチな方向へと向かっていくのです。
ニッチな方向へ目を向ければ向けるほど、世の中は混沌と化し、数多くの商品が生み出されています。
ただでさえモノに溢れた時代において多様化するニーズに応えようとダイレクトな形で対応しようとするならば、最終的な多様化への対応への先は、オーダーメイドへと行き着くことになるのではないでしょうか。
確かにオーダーメイドであれば、顧客1人ひとりのニーズに合わせた商品提供は可能となるわけです。
つまり最後には「個」を尊重した一人ひとりのライフスタイルに合わせた商品を作っていくことになるのです。
ですが売り手としての現実を考えた時、どのようになるのでしょうか?
ビジネスというのは当然、たった一人の顧客を対象にすればよいというわけではありません。
より多くの顧客を相手にしてこそ、ビジネスというのは成立するわけです。
多様化するニーズに対応することと、「個」客を相手にすること、そして多くの顧客に対応しようとすることは、そもそもやっていること自体に矛盾があるように思われます。
はたして、本当に多様化するニーズに対応していくことが現代ビジネスにとって最適なことなのでしょうか?
結果論から言えば、一人の顧客でビジネスは成立しません。
ということは、結論として多様化に対応していくことは将来的なビジネスを見据えた上で、はたして必要となるのでしょうか?
多様化を進めれば進めるほど、対象客自体を減らしているということとなるのではないでしょうか。
これでは、やはりビジネスを発展させることと、時代のニーズに合わせることとは、ギャップが生じてしまうことになります。
多様化するニーズに応えることは、はたして正解か?③【多様化に対応することは正解なのか?】
「多様化するニーズに応えることは、はたして正解か?」というテーマで3つ目に取り上げるのは「多様化に対応することは正解なのか?」です。
多様化に対応すると言うことは、
になるのです。
それだけでなく、多様化に対応するということは、品目数の増加を意味し、それに応じてコストも増加するというわけです。
言葉で表すなら、非常に簡単で済まされてしまうニーズの多様化ですが、ビジネスとして、それに対応していくのは、どれだけ大変なことなのかは、おわかりになるのではないでしょうか。
多様化するニーズに対応することをまとめてみると次のようになります。
↓
コストが増大する
↓
対応するには手間も時間もかかる
↓
価格が高騰する
↓
さらに客数が減少する
上記のように、結果的には、多様化するニーズへの対応は、ビジネス的観点から捉えるならば、悪循環となるサイクルとなるのです。
現代ビジネスが非常に混沌としている状況を導き出している理由というのは、実際には、そこにあります。
顧客の多様化が進めば進むほど、ターゲットとしてのセグメンテーションというのは、非常に高度な欲求へと繋がっていきます。
確かに顧客のニーズが高まれば高まるほど、売り手としての企業がどのように対応できるかが非常に重要とはなります。
だからこそ、現代ビジネスにおいては、マーケティングが重要となるのです。
マーケターが常に普遍的な顧客の欲求を見極め対応していくためには、顧客が今何を求め、どのようにニーズが本当に必要であるかを見極めていく必要があります。
そうでなければ顧客のあらゆるニーズに応え続けていくということは、現実的には非常にシビアであると言わざるを得ません。
顧客が求める欲求そのものにきちんと、目を向け続けるべき理由がそこにあるのです。