2020年、世界も注目するアメリカ大統領選挙。
共和党候補者ドナルド・トランプ氏、民主党候補者ジョー・バイデン氏の一騎打ちとなったわけですが、大統領選においてもマーケティング的考え方が含まれています。
というわけで今回は「米大統領選にみる広告マーケティング」について詳しく説明致します。
米大統領選にみる広告マーケティング①【政治広告とは】
「米大統領選にみる広告マーケティング」というテーマで1つ目にふれるのは「政治広告とは」です。
国や経済を動かすには、権力という大きな力があります。
権力には決定権があり、組織や規制の方向性を決める重要な判断となります。
この決定権は、世の中の様々なことを動かし未来を担っていきます。
1つの判断が将来を成功へも失敗も転ぶというわけです。
組織にとってリーダーの判断というのは、非常に大切になります。
それは、企業にとっても国にとっても言えることです。
組織や団体、国家にとって最重要なポストとしてのリーダーを決める方法はありますが政治の世界において用いられるのが選挙です。
そして2020年11月、世界のリーダーとも言われるアメリカの大統領選が行われました。
アメリカ大統領選と言えば、世界での最大規模の大型選挙となり、アメリカ国内だけではなく世界中からも注目を集めています。
例え選挙権のない諸外国の人々にあっても世界経済をリードするアメリカの動向には、常に左右されるからです。
アメリカ大統領選は戦略的要素が非常に強いのです。
アメリカ大統領選挙というのは、巨額の資金が必要となりますが、そのポジションを獲得するには、資金は主に政治広告に費やされることになります。
つまり、国民に対してのアピールであり、これは企業が顧客に対して商品やサービスを積極的にアピールするのと同じものであり、候補者は自身を商品としてアピールするのです。
「政治広告」という言葉そのものについて、日本人であれば、今ひとつ印象は薄いのではないでしょうか。
日本の政治においては、あまり馴染みがないのですから、それも当然と言えます。
アメリカにおいては、政治広告はスタンダードであり、積極的に展開しています。
一見無駄なようにも思われる政治広告ですが、国民に対し政治に関心を持ってもらうきっかけともなれば、それは決して無関心なことではないでしょう。
どちらかと言えば、日本人があまりにも合理的でビジネス主義に走りがちで、政治に無関心、希薄であることを考えれば、社会問題を多く抱える日本こそ、政治家からのアピールを行うべきかもしれません。
米大統領選にみる広告マーケティング②【マーケティング的政治活動】
「米大統領選にみる広告マーケティング」というテーマで2つ目にふれるのは「マーケティング的政治活動」です。
アメリカではスタンダードな政治広告とは、いったいどのようなものでしょうか?
現在、主流となっているのが「デジタル広告」です。
デジタルマーケティングが主流の時代において、やはり政治広告もデジタル化へシフトしているのです。
アメリカ政治というのは、非常にマーケティング的感覚に近いところがあり、日本の政治とは全く本質が異なります。
そもそもマーケティングという考え方がアメリカから発生したものですから、やはりその関連性が強いのは理解できます。
商品をどうすれば、よりた売れるのかというマーケティング思考がアメリカ政治にはあるのです。
マーケティング施策を仕掛ける側の企業としては、まず顧客や市場のニーズを調査し、ニーズにあった商品やサービスを開発します。
そして実際に商品を作り顧客に向けて宣伝をします。
実際に企業と顧客との間には、距離感もあり、実は顧客ニーズと微妙にズレている商品というのま存在するわけです。
そうなると企業が思ったように顧客には、なかなか受け入れられない場合があります。
これは国や政治家の考える政策と国民の要望とに隔たりがあることと同じです。
そのような観点から、政治にもマーケティング的要素を取り入れるようになったのです。
では、具体的に選挙活動においてのマーケティング活動とは、いったいどのようなものなのでしょうか?
やはり、選挙活動において行うのもリサーチです。
候補者の周辺の環境や、候補者の強み、弱み、などを調査し他社との競争力などを分析します。
つまり世間に対しての候補者自身の評価と社会での立ち位置を確認します。
次にターゲットを明確にします。
ターゲットが絞れていないと、いくらアピールしたところで、効果は薄いわけです。どんな層に対してアピールすれば効果的なのかを分析します。
さらに政治マーケティングにおいては、「プロダクト」と言う商品を生み出します。
このプロダクトは、候補者の政策、業績など、候補者のイメージなどをパッケージ化した商品です。
つまり候補者の宣材ツールを作りプロモーション活動を行うのです。
現在のアメリカ政治における選挙活動では、このようなことがスタンダードとなりましたが、実際にはどのくらいからマーケティング的要素が強く意識されるようになったのでしょうか。
そもそも日本とアメリカの選挙活動自体が全く異なります。
アメリカでは、大統領選挙のアピールとして、選挙広告がかなり重視されているのです。
候補者のアピールには、従来の看板、個別訪問、電話などの選挙活動の他、新聞、ラジオ、テレビなどの各種メディアに加えインターネットにまでアピールの場が拡大してきたのです。
正にマーケティングの変化と同様にアナログ的アピールから徐々にシフトしマス・マーケティングからデシタルマーケティングへと変わってきたのです。
米大統領選にみる広告マーケティング③【デジタル広告と大統領選挙】
「米大統領選にみる広告マーケティング」というテーマで3つ目にふれるのは「デジタル広告と大統領選挙」です。
アメリカにおける政治広告というのはスタンダードでしたが、これまでのアピールの中心だったのがテレビでした。
テレビに持ち込んだのが、かのジョン・F・ケネディということです。
近年では、時代のニーズによってインターネットへとシフトしていったのは、当然のことでしょう。
ネットへのシフトのきっかけは、バラク・オバマが持ち込みました。この当時は2008年の頃となります。
そして、ドナルド・トランプの2016年の大統領選挙においての選挙活動は、さらにデジタル化が加速しSNSを活用したキャンペーンが積極的に行われたのです。
その成果もあり、大方の予想を覆しドナルド・トランプが大統領となったのです。
結果からみても、2016年のアメリカ大統領選挙の勝敗を分けたのが、SNSだとも言われています。
実はトランプ陣営の選挙活動においての資金の活用割当の多くが、ネット上のデータ解析やデシタルマーケティングに多く費やしたのです。
SNSの拡散性を上手く活用した戦略的勝利とも言われています。
そして2020年の大統領選においてデジタル広告の影響力というのは、これまで以上に大きいものとなります。
具体的には2016年の大統領選挙の時と比べて、およそ3倍もの資金がデシタルマーケティングに費やされるということなんです。
デシタルマーケティングへの動きをさらに加速したのが、新型コロナウイルスの影響が強くあったのは、間違いありません。
世界的大規模なパンデミックとなった状況で、あらゆることのオンライン化が進み、オフラインでの選挙活動が制限されることは、仕方のないことでした。
そのような状況もあり、インターネットの影響力は必要以上に大きくなったというわけです。
今後も、この流れはさらに加速していくことでしょう。
アメリカの政治活動において、デシタルマーケティングは、もはや必須といえ、デジタル広告は肥大化し、その存在感を高めていくことになるでしょう。