皆さんにとっての100均というのは、どのような存在でしょうか?
日用品やアイデア商品などが、たった100円で手に入る、そんな100均の経営戦略についてふれてみましょう。
というわけで今回は「100均の生き残る道と新たな経営戦略」について詳しく説明致します。
100均の生き残る道と新たな経営戦略①【値上げラッシュに対する小売の変化】
「100均の生き残る道と新たな経営戦略」というテーマで1つ目に取り上げるのは「値上げラッシュに対する小売の変化」です。
物価高と言われている2022年。
様々な業界によって値上がりとなっている状況ですが、小売業の販売戦略として100均があります。
現在での100均の品揃えは非常に多くの商品が存在しています。
日用品から消耗品、100均ならではのアイデア商品、オリジナル商品と、品数の多さは非常に豊富です。
私達の日常を支えてくれる100均、困った時の100均というように、とりあえず100均を確認してから、なければ他のお店に行ってみるという買い物の仕方もあるのではないでしょうか。
例えば、ノート1冊買うにしても、100均ならば、100円で購入できますが、専門店の文房具店となると、ノート一冊にも、専門店ならではの値札がつけらています。
100均というのは、それだけ安心感があるわけですから、消費者としたら、安心して利用できるというわけです。
生活者にとっては、非常に頼りになる100均ですが、日本においてメジャーな100均ブランドと言えば、ダイソーを筆頭にセリア、キャンドゥ、ミーツといったところがメジャーなところと言えるでしょう。
もちろん皆さんも、一度はどこかの100均に行ったことがあると思います。日本人なら100均を知らない、ましてや行ったことがないという方は極めて少ないのではないでしょうか。
そんな100均を訪れるとわかるのですが、全部が全部、100円というわけでは、ありません。
実際に100均を訪れると、200円以上の商品が割りと多いことが目に止まるのではないでしょうか。
店頭に並んでいる商品のほとんどが100円であるものの、ちょっといい商品だなと思うと、そういう商品に限っては300円商品だったりします。
具体的に大手メジャーな100均ショップの中で、キャンドゥは、100円以上の高価格帯商品の割合を増加していますが、これは利益確保最優先としたからです。
100均という小売ショップ戦略というのが基本路線ですが、そんな100均ショップの中にも最高価格1500円という商品もあるのです。
確かに100均だからと言って全ての商品が100円でなければならないという縛りは、どこにもなく違法でもなんでもないのです。
むしろ商品の製造単価がそれなりにかかっているならば、商品に対する適正価格というものがあるわけです。
100均の用途というのは、既にコスパの良さだけではなく、100均だからこそ、お店に足を運ぶということです。
顧客がお店に足を運んだ時、手頃な価格で良いと思われる商品が目の前に存在すれば、顧客は、その商品を普通に購入していくというわけです。
実際に100円以上の高額商品を投入しているのは、キャンドゥのみではなく、どこも同じような事情を抱えています。
あえて、100円にこだわり続けているのは、唯一セリアのみとなります。
確かに今このタイミングで、あえて100円にこだわることによって他社との差別化をはかることができるかもしれません。
しかしながら、その100円へのこだわりというものが、どこまで続くのかというと、それはまた別問題となるのではないでしょうか。
100均の生き残る道と新たな経営戦略②【脱100円からの転換】
「100均の生き残る道と新たな経営戦略」というテーマで2つ目に取り上げるのは「脱100円からの転換」です。
100円ショップにて、もう1つの懸念点となるのは、キャッシュレス化です。
なぜなら、キャッシュレス決済を導入することによって、利益が削られるからです。
基本的に100均のビジネスモデルは、薄利多売です。
小売業全般に言えることなのですが、低価格ビジネスにとっては、実はキャッシュレスのメリットというのは、小さいのです。
なぜなら、キャッシュレス決済を行うには、専用端末が必要となるからです。
確かに消費者からすれば、キャッシュレス決済は非常に便利なもので利便性は高いです。
現金を持っていなくとも買い物は、できますし、現金を持ち歩く必要性だってないのです。
スマホ1つで決済ができれば、財布を別に持ち歩く必要もないからです。
また、売り手にとっても利便性はないわけではありません。
現金決済と違い、現物のお金のやりとりがないわけですから、細かいおつりを手渡しする必要もなく、会計も非常にスムーズに進むというわけです。
キャッシュレス決済を導入する店舗や小売店が増加すれば、その他の業者も導入さぜるをえないわけです。
キャッシュレス決済は、導入費用のみがかかるわけではなく、利用するには、決済事業者に対し決済手数料を支払う必要があるのです。
もちろんこの費用は売り手側が負担することになるわけです。
高額商品を扱うならまだしも、100円という低単価において手数料を払わなければ、ならないのは、割が合わないのです。
しかし、そうは言っても時代は、より利便性を求め、消費者もまたそれを望みます。
確かにモノを購入する際に様々な決済パターンがあれば、消費者としては、買い物もしやすいですし、キャッシュレス決済を導入しているということでお店を選ぶということもあります。
世の中の流れとしては、確実にキャッシュレス化、セルフレジ化に進んでいるのですから、小売業者としてもデジタル決済を導入せざるをえないのです。
これも売上をあげるためにと、顧客ニーズを満たすこと、そして顧客に選ばれるお店になるためなのです。
100均の生き残る道と新たな経営戦略③【100円ショップの存在意義】
「100均の生き残る道と新たな経営戦略」というテーマで3つ目に取り上げるのは「100円ショップの存在意義」です。
100円ショップの特徴としてあるのが「集客力」です。
100円という低価格の商品がずらりと並び生活用品から事務用品、食品など様々な商品ラインナップを揃える100均には、老若男女、年代を問わず様々な人が、お店を訪れます。
現代において100円均一というビジネスモデルは、完全に定着してはいますが、かつてのように安かろう悪かろうの時代は、とうに終わりを告げているのです。
今、日本国内に起こっている物価高の影響は、様々な業界に影響を及ぼしています。
物価高は100円ショップにとっても、もちろん大きな打撃となります。なぜなら、100均という価格戦略が前提としてあるからです。
100均商品の多くが自社でのオリジナル商品を企画、開発、製造しています。
そもそも売値を100円と限定しているのですから、調整するのは、製造コストしかないわけです。
100均商品の多くが海外での製造となっています。
製品の青蔵にかかる原材料高や輸送コストというのもダイレクトにかかるわけです。
となると、そもそも製造コストは、採算ぎりぎりのところで、もちろんこれまでやっているのですから、コスト削減には既に限界があるわけです。
となると、削れるのは人件費だったり、セルフレジなど機械を導入し自動化することも考えなければならないのです。
均一価格ビジネスというのが、今後ビジネスモデルとして成り立つのかは、新たな価値を提供し、顧客の満足感を高めていくしかないのではないでしょうか。
取扱商品の多くを輸入に頼ってきたことで、豊富な品揃えをキープしてきたのですが、製造コストの限界があるというのならば、業界全体としても価格見直しを考慮していかなければならない時代に入ってきているのかもしれません。