様々なビジネスが存在し、それぞれに差別化が難しい時代、企業にとってモノは売れない時代とされています。
そんな中、今、「ビジネス」として注目されているのが「農業」です。
というわけで今回は「農業ビジネスとブランディング」について詳しく説明致します。
農業ビジネスとブランディング①【変わる農業と考え方】
「農業ビジネスとブランディング」というテーマで1つ目に取り上げるのは「変わる農業と考え方」です。
皆さんは、今、日本の「農業」について、どのように思われますか?
唐突に聞かれても、答えに戸惑ってしまう方も多数いらっしゃるかもしれませんが、今、この時代に「農業」をもっと身近なものとしてとらえてみましょう。
はっきり言って、現在の日本の農業には、問題は山積みです。
具体的に言えば、離農や高齢化による担い手不足という人材難の問題があります。
また我が国は、食料自給率の低下による諸外国に頼らざるをえないところも多いにあるというのが現状です。
農業をやる人がいなければ、せっかく広大な農地があっても有効活用できず、耕作放棄地の拡大が進みます。
そして「国産」の農作物は確かに安全面においては、信頼性は高くなるのですが、海外の安価な農産物の輸入による影響というのも無視することはできません。
このように問題点を上げたら、キリがないようなところもあり、とても農業には、手を出せないなという雰囲気も感じてしまいます。
農業に限らず日本全体の社会問題として、少子高齢化による労働人口の減少があります。
どの業界や分野においても人手不足というのは、非常に深刻な問題となっていますが、農業においても当然、同じようなことが言えます。
農業人口の減少さらには、農業従事者の高齢化というのは現実的な大きな問題です。
農業自体に取り組む人が少ないという将来の担い手が足りていないことは、致命的な問題と言えるのです。
後継者不足という深刻な問題ですが、実は49歳以下の新規就農者というのは、近年増加傾向にあるのです。
全体的な割合で言えば、農業従事者は確かに高齢化しています。しかし、若い世代で今、農業に注目し実際にビジネスとして成立させようとしている方も増加しているのです。
実際に、個人経営の農家そのものは、減少傾向にあることは、間違いありませんが、農業を法人化して行う経営母体が増加しているのです。
つまり、サラリーマンとして農業を行っているのです。
そのことが、若い世代において、就農が増加した要因の1つとされているのです。
また、近年は農業従事者増加を見込み、国が就農をサポートしてくれる動きも見られています。
農業をビジネスとして、環境改善など様々な取り組みが積極的に行われているのです。
若い世代の農業従事者が微増する中、これまでの農業に対するイメージというのは、プラス志向とは決して言えませんでした。
農業そのものが衰退産業というイメージが長年にわたりつきまとってきたことには、間違いはありません。
きつい、危険、稼げないという、「3K」のイメージも、いまだに強く残っているところもあります。
しかし、そんな農業にも、取り組み方の考えを変えたり、ビジネスとしてのアプローチを変えることによって少しずつですが、その印象がだいぶ変ってきています。
農業ビジネスとブランディング②【農業の大規模化】
「農業ビジネスとブランディング」というテーマで2つ目に取り上げるのは「農業の大規模化」です。
まず近年の農業で変わったのは、「経営」の変化です。
「農業」=「経営」というビジネス的イメージは、どうしてもつきにくいのですが、農業にも、もちろん経営は必要です。
では、何がどう今の農業で変わったのか?と言えば、近年の農業は「大規模化」となっているのです。
農業経営体としてのこれまでの多くは「個人経営」が、ほとんどでした。
個人経営とは、つまり、農家さんのことですが、近年では、法人経営体が増加傾向にあるのです。
つまり、株式会社やNPO法人など組織として農業に携わっていこうというわけです。
農業経営体の総数を具体的に提示するならば、2000年頃には、約234万でしたが、2017年には125万にまで急激に減少してあるのです。
つまり、およそ20年で約半減数となっているのです。わずか、20年でのこの減少率をどうとらえるかによって、全く違った見解となりますが、ライフスタイルや価値観の変化と共に農業従事者自体が明らかに減少していることは、間違いないのです。
しかしながら、経営体でみると法人経営体数は増加傾向にあります。
5,272→21,800とおよそ4倍にまで増加しているのです。このことからわかるように個人経営の農家は確実に減少していますが、組織として企業として農業に取り組む数は増加しているのです。
そもそも考えてみれば、農業というのは、個人単位で業務として行っていくこと自体、難しかったのかもしれませんし、限界はあります。
個人として農業に向き合うよりも、組織として農業に取り組んだ方が、広い農地での栽培もでき、その広い農地に対応するための人材確保もしやすいというわけです。
農業に取り組むスタンスそのものを大きく変え、大規模経営を行うことにより「規模の利益」を得ることが可能となるのです。
このことは、日本社会の縮図である人口減少にも大きく関わってきているのです。
少子高齢化、小規模農家の離農など、農業の担い手自体が不足傾向にある現実的な流れから、今後は増々、農業の大規模化というのが確実に進んでいくことは、間違いないでしょう。
大規模経営がどれほど進んでいるかといえば、現在では、売上全体での、およそ7割を占めるようになってきたのです。
いずれにしても農業従事者は、数年前から減少傾向ではありますが、およそ10年前、農は、まだ大・中・小規模とそれぞれが約3割だっのが、近年では大規模シフトが進んでいるのです。
数年後は、さらに大規模経営がより多く占めていくでしょう。そのことが少しずつではありますが、農業従事者を増加させている要因の1つでもあるのです。
農業ビジネスとブランディング③【スマート農業への取り組み】
「農業ビジネスとブランディング」というテーマで3つ目に取り上げるのは「スマート農業への取り組み」です。
そして次の変化としてあるのが「スマート農業」です。
農業というとどうしても「肉体労働」というブルーカラーのイメージが強く、近年ではホワイトカラーの職業何かと注目されている傾向が強いです。
もちろんこのことが、農業従事者を減少させたこと、時代背景的にもサラリーマン世帯を増加させたことなとが職業の選択として非常に大きな影響を与えていることは、間違いありません。
自然と向き合い厳しい環境の中で農作物を生産することは、やはり並大抵なことではありません。
実際に体を動かす作業も多くあり、「労働」としては、過酷な一面も現実としてあるのです。
しかし、そんな農業をより効率的に行うために「スマート農業」が進んでいるのです。
スマート農業により、明らかに肉体労働の割合を減らすことができると言われています。
農業においてもロボットにより自動化を実現することによって農作業の効率化をはかっています。
収穫用ロボット、農業用ドローン、植物工場など代表的な事例が実際のスマート農業となります。
既にこららのスマート農業は、農業法人などにより実用化されているのです。
生産データの管理や農業環境制御などをパソコンで管理し、全ての作業をパソコン操作だけで完結させるという農場も今後現れてきてもおかしくはないのです。
時代は既にそこまできているのです。
今、農業はこれまでと違い大きな変革期となっているのです。