「結婚」。それは人生においてのターニングポイントであり、一大イベント。人と人とが「出会う」ことによって成り立つ契約ですが、思い通りにならないのが現実。
そんな中、今「婚活ビジネス」が活況なのです。今回は婚活ビジネスの市場規模などマーケティング面から、その全貌に迫ってみたいと思います。
婚活ビジネスが活況化
高齢化、少子化、未婚化、晩婚化など様々な問題を抱える日本社会。ここ最近メディアでも報じられる機会が多くなった日本の人口問題。
各年齢層のバランスの悪さが顕著となっており、未来の日本社会への不安を嘆いています。そんな中、「結婚」についての意識も、時代と共に変化しています。
社会の変化や結婚の必要性、生活への不安、自分のライフスタイルの優先など様々な理由により結婚する人が減少傾向にある現在と言われていますが、実は婚活ビジネスは活況なのです。
実際には、結婚をしたくないという人ばかりではなく、結婚をしたくてもできなかったり、相手を探すことができない、諦めている人が実は多いという現実もあるのです。
「リア充」という言葉が生まれたように、本当は誰でも特定のパートナーという存在がほしいのです。人間は誰しもが年をとります。
若い頃は、自分の思うがままに生きて自由に生きているのも構わないですが、年齢を重ねると1人でいることの不安も強まるのは、誰しも同じで普通のことです。
そんなことから、最近では大人としての社会経験を十分に積み、社会的キャリアや地位もある40代の方の結婚も増加しています。
長寿化によるライフプランの変化と結婚の価値観
現在の40代は、昭和時代に比べれば精神的にも体力的にも感覚的にも、見た目にも若いのです。世界の中でも日本は長寿大国としても一際存在感を放っています。
60代以上の高齢層となっても元気で働ける方が多くなるなどライフプランの変化が起こっていることも影響しています。
そうは言っても、40代を過ぎれば確実に体力的には衰えていきます。アンチエイジングが取り沙汰される現代においても人間の生命力は、それほど向上しているわけではありません。
確かに食事や生活習慣を気をつけることで、若々しい体を維持させることは可能とはなりましたが、それはあくまで維持であり、進化ではないからです。
男性にしろ女性にしろ衰える部分は同じようにあります。特に女性の場合、出産ということになると、年齢には逆らえないこともあります。
晩婚化が進み40代以上の高齢出産も最近では、珍しいことではありませんが、子育てには体力が必要なので、やはり若い内の出産、育児がおすすめです。
とは言うものの個人の考えや価値観により人生は変わるもの他人がとやかく言うことではありません。
そんな現状においても、婚活ビジネスが活況な理由とは、いったいなんでしょうか?次は具体的な理由に迫ってみましょう。
婚活ビジネスが活況な理由とは
少子化、そして未婚率の高い現在において婚活ビジネスが活況な具体的な理由とは、いったいなんでしょうか?
婚活ビジネスが活況なのは、もちろんそれなりにニーズがあるからです。
まず、考えられるのは、婚活スタイルの多様化です。昨今の婚活は男女問わず年齢層を問わない傾向があります。婚活がやりやすくなった背景にスマートフォンの普及があります。
スマートフォンにより、より個人の要望に近い婚活情報の取得が可能となったからです。
結婚相談所の情報の他、地方が催す婚活イベントや街コンなどの情報が取得しやすくなったからです。これによって男女の出会える場所が増えました。
2つ目に民間の結婚相談所だけではなく、国や自治体の婚活支援があることです。
これは、現代日本の問題である少子高齢化に歯止めをかける為の対策として行われています。
具体的には、2007年に「少子化担当大臣」の設置。2014年には婚活支援事業も開始されました。
婚姻率が下がる減少を危機的に捉えた国家主導の活動です。単に婚活支援という意味だけではなく、地域活性化という意味でも期待されています。
人の集まる都心部に比べ、地方ではどうしても出会いの場が少ないことから積極的に婚活やお見合いパーティーなどを企画開催しています。
民間の結婚相談所などは、どうしても費用がかかってしまいますが、国や自治体の支援を利用すれば費用の面では安心です。
また婚活イベントを開催する自治体には、運営費としの補助金も支援されるのです。
3つ目として、結婚するための「婚活」が認知されたことです。就職活動と同じように結婚の為の活動が当たり前と意識されるようになったことも影響しています。
「婚活」というキーワードが世の中に浸透してきたことこそ、「婚活」がメジャーとなった何よりの証拠ではないでしょうか。
「婚活」もしっかりとした人生の中での必要な活動だと認識される方が増加したことは、とても良いことではないでしょうか。まずは、意識改革が重要となります。