人口減少による労働人口の減少は、企業にとっても日本経済にとっても深刻な問題となっています。
そんな中、人手不足を解消する打開策として今、企業では「RPA」が注目されています。
前回に引き続き今回は後編として、更に詳しく「RPA」導入による経営戦略を解説していきます。
「RPA」導入におけるメリット
現在、日本企業の「RPA」の導入は拡大傾向にあり、多くの企業がその効果に大きく期待しています。
現代社会は情報社会であり、世の中のあらゆることがコンピューターを経由して処理されることばかりとなりました。
業務そのものもパソコンで処理するオフィスワークも、もはや当たり前の時代となっています。しかし、そもそもコンピューターは、プログラミングすることにより、決まった処理をこなす能力があります。
コンピューターの機能を十分に活用し、人間が手作業でやっている業務をコンピューターに処理させるのです。この流れは、効率化を考える上では極普通のことです。
「RPA」を企業が導入しようと注目するのは、様々なメリットがあるからです。
実際に「RPA」を導入した企業のおよそ97%がこれまでの業務を約5割削減することに成功させているのです。業務の約1/2という割合は、かなり効果的な結果と言えるでしょう。
このような結果からみても企業にとっての「RPA」の効果は、人手不足の抜本的解決策になるだけでなく、コストカットや業務の効率化、高速化など、目に見えるような様々なメリットがあるのです。
つまり「RPA」の導入は、機械に任せられるものは、全て機械にやらせ、人間は人間でしかできない仕事をこなせば良いということになります。
人間は人間がすべき「判断」の仕事に専念できることができるのです。仕事には、人間にしかできない「判断」があります。
どのような戦略で営業するか、または経営するか?新商品の開発や企画、顧客とのコミュニケーション、マーケティング調査など人間のみが行う仕事に集中できることは、企業そのものの質を上げることにも繋がるのです。
ルーチンワークや単純作業を機械に行わせることでの効率化、更には正確性も上げられます。人間が作業をすることで、必ず起こるのがヒューマンエラーです。
これは避けることができない人間の特性とも言える「ミス」なのです。この「ミス」こそ人間らしさなのですが、その反面機械にミスはありません。正確性としては、人間より信用できます。
更に機械は、集中力も途切れることなく、不平不満も言わず、パフォーマンスは常時安定しています。更に不眠不休で働くことができます。
業務を処理するパフォーマンスとしては、完全に人間を上回ります。但し、機械は曖昧な判断はできません。事前にプログラミングされた条件でしか動きません。
機械では判定できない仕事は、人間が仕事ととして処理することになります。このように「RPA」を導入した場合、これまでの業務が約8割削減となり、残りの2割が人間が行うという効果の事例が出ているのです。
「RPA」の導入は、業務の効率化だけでなくグローバル化を促進させる為にも効果的なのです。
「RPA」導入の為のプロセス
「RPA」は、そもそもバックエンド業務で主に使われていました。その為、金融機関なとでの利用価値が評価されておりましたが、最近では様々な企業が積極的に導入をしており、フロント業務にも活用しようという動きが見られます。
そんな話題の「RPA」ですが、導入するには、それなりのプロセスがあります。
まず、はじめに行うことは「RPA」が自社の業務にマッチしているかどうかです。業務によっては、それほど効果が現れない業種もありますので、「RPA」導入前には業務どの適合性をしっかり判断する必要があります。
次に行うのが、業務の選定です。実際にどの業務を「RPA」で自動化させ効率化を図るかを検討します。
3つ目として、どの製品を採用するかです。実際に導入テストを行うには、どの「RPA」製品が使えるのか?業務とのマッチングなどを考慮します。
その他ライセンス料などコスト面についても自社の方針と合っているかなども検討材料となります。
「RPA」導入後の影響
実際に「RPA」を導入した後のことも考慮する必要があります。導入後の運用ルールは、どうするのか?
カスタマイズが必要な場合は、どこの誰が担当するのか?などを決定します。
「RPA」は、商品によっても違いはありますが、タスクの構築には、プログラミングなどの高度な専門の知識はいりません。
フローチャートを書くような形で、ビジュアル的にタスクの設定ができるのも多く、専門のエンジニアでなくても使うことができます。
その為、「RPA」を実際に動かすには、それほどハードルは高くありません。少しの知識があれば、誰でも使えます。その便利さ、手軽さも「RPA」の魅力とも言えます。
それでも導入に迷う場合は、サポートサービスなどを行う企業もありますので安心です。