時代と共に変わるライフスタイル。毎日の生活を豊かにするには、人々が暮らす住まいの環境や設備が大きく影響します。
そこで登場した「オール電化」ですがメリットもあればデメリットもあります。
今回は【前編】に引き続き、より深く詳しく「オール電化」について迫っていきます。
オール電化導入のメリット・デメリットを知る③「オール電化のメリット」
クリーンで安全な住まいの「オール電化」ですが、実際に導入する上では、様々な検討材料があります。
顧客側のスタンスとして把握しておくべきメリット、デメリットについて説明致します。
また業者側としては、顧客(ユーザー)側へのメリット、デメリットを熟知した上でのマーケティング戦略が必要とされます。
まずは、メリットから触れてみます。
日常生活における家庭での消費エネルギーは、考えてみれば朝起きてから寝るまでに実に多くの電力に頼っています。
例えば冷蔵庫などは、24時間いつでも連続稼働なわけですから、電力がどれほど大切なものかはわかります。
【光熱費の管理】
オール電化にするということは、光熱費を電力1本のみに集約することができ光熱費の管理が明確になります。
ガス会社との契約も不要となりますので、非常にシンプルです。ガスと電気の併用の場合には、それぞれと契約する為、明細書も別々になりますが、電気のみなら光熱費の管理は楽になります。
これは、企業においてもコスト削減策として考えることもできます。不要な支払い手数料などをまとめることで経費削減になるのと同様です。
マーケティング戦略的に見ても効果的となります。
【光熱費の圧縮】
エネルギーが電力のみとなるので、ガス代を削減し電気代の圧縮もできます。
各電力会社は、オール電化住宅の普及促進に注力しており、オール電化住宅に有利な料金プランを用意したマーケティング戦略を行っています。
【火災のリスク】
オール電化住宅は、直火を使用することがない為、火災のリスクを減らすことができます。
特に小さいお子さんや高齢者のいる家庭では安全面を考えてもおすすめです。
また火災保険についてもオール電化住宅は火災リスクが低いことから、火災保険料が割安になる場合があります。
【ガスによるトラブルがない】
ガスを使用していないオール電化住宅には、当然ガス漏れや一酸化炭素中毒などガスによるトラブルがありません。
【災害時の復旧が早い】
実はオール電化の導入に二の足を踏む理由としての1つとしてあるのが、災害時など万が一の時のリスクマネジメントです。
災害時には停電などによりオール電化住宅が全く機能しなくなる懸念があるのではないかということです。
しかし、大規模な災害時であればライフラインが停止するのは、電気だけとは限りません。
実際にはライフライン停止時においては電気の復旧が最も早いという事実もあるのです。
さらに太陽光発電を設置している場合なら蓄電した電力を使用することもできます。
またエコキュートなら貯水タンクにお湯を貯める仕組みとなっている為、断水時やガス停止などが起こってもすぐには困りません。
オール電化導入のメリット・デメリットを知る④「オール電化のデメリット」
続いては、デメリットについて触れていきます。
【電気代が高くなる場合もある】
オール電化にすることにより期待することは、光熱費を安くする抑えることを期待してのものですが、実は生活習慣によっては、これまでより電気代が上がってしまうこともあるのです。
オール電化は、電気代が割安な深夜帯の電力を利用することにより電気代を安くするというのが基本です。
つまりそれ以外の条件での使用量が増えると電気代も上がるというわけです。
【導入コスト】
オール電化にするには、導入コストもかかります。
【お湯切れ】
エコキュートを利用する場合、お湯はタンクに貯水したものを使う仕組みなので、お湯を使いきってしまえと、湯切りしてしまいます。
湯切れしてお湯を沸かすまでに時間も要しますので、慣れないと不憫に感じる場合もあります。
またガス給湯器と違って、水圧も弱くなります。
【IHコンロ】
電気で加熱するIHコンロは、安全な反面、どうしても火とは違い、出来ないこともあります。
直火とは使い勝手が違います。「あぶる」やフライパンを離して加熱を調節することができません。
調理器具もIH専用に変える必要があります。
【近隣トラブル】
こちらもエコキュートによる近隣トラブルとなります。
エコキュートの稼働時間は深夜となります。静まりかえった深夜においてエコキュートの稼働による低周波音がうるさいとの近隣トラブルの可能性もあります。
オール電化の良し悪し
オール電化には、メリットもデメリットもあります。近年では新築住宅やリフォームでもオール電化を採用されることが増えてきました。
持ち家たけでなく賃貸住宅にも波及してきています。
オール電化にはメリットとデメリットもあります。
光熱費の削減は、生活習慣にもよりますし、導入時のコストもかかります。
その為、利用者としては、中長期的に判断することが必要となります。
結局は、自分自身のライフスタイルがオール電化にあっているかどうかが、オール電化を採用するかな否かとなります。
そういう意味では、オール電化住宅に寄り添い、共存できるかどうかがポイントとなります。