皆さんは「バリュープロポジション」という言葉を聞いたことがありますか?
日本ビジネスにおいては、それほど耳にすることがない言葉かもしれません。
というわけで今回は「10分でわかるバリュープロポジション」について詳しく説明致します。
10分でわかるバリュープロポジション①【バリュープロポジションとは】
「10分でわかるバリュープロポジション」というテーマで1つ目に取り上げるのは「バリュープロポジションとは」です。
現代ビジネスにおいて必要不可欠であるマーケティング。
そんなマーケティングがビジネスをより進化させます。
マーケティングというのは、そもそも売り手側の都合ではなく、顧客目線で考えることが大切となります。
様々なモノや情報に溢れる今だからこそ、顧客理解というのは非常に大切になるのです。
マーケティング手法には実に様々なアプローチ手法がありますが、その中の一つとしてあるのが「バリュープロポジション」です。
では、そんなバリュープロポジションとは、いったいどんなものなのでしょうか?
マーケティング用語には実に多くの言葉がありますがマーケティングの現場においても、耳慣れないのが「バリュープロポジション」ではないでしょうか。
バリュープロポジションは、「顧客が望んでいる状態で競合が提供できていない独自の価値を言語化したもの」となります。
つまり自社がターゲットにとする顧客に対し適切な提供価値を言語化するののです。わかりやすく言えば「セールスコピー」に近い考え方と言えます。
では、セールスコピーとバリュープロポジションの違いとは、なんでしょうか?
違いとしては「公開範囲」となります。
セールコピーが対象とするところは、あくまで「顧客」であり、どれだけ顧客に読んでもらえるかが大切となり、それを踏まえた上で作成します。
一方でバリュープロポジションの対象とするのは必ずしも顧客ではないということです。
バリュープロポジションは、「どんな価値を提供するのか」を言語化したものなのです。
バリュープロポジションを企業内部で共有することによって様々なメリットが得られます。製品開発やプロダクトマーケティングにおける指針とすることで大きな変化がみられます。
10分でわかるバリュープロポジション②【バリュープロポジションを作る理由】
「10分でわかるバリュープロポジション」というテーマで2つ目に取り上げるのは「バリュープロポジションを作る理由」です。
バリュープロポジションを作っておく理由としては、主に二つとなります。
- 顧客が製品価値そのものを再認識するため
- 作り手側が顧客視点に立てるため
では、それぞれの理由について詳しく説明していきましょう。
(1) 顧客が製品価値そのものを再認識するため
企業内にいる各部署の社員というのは、その道の専門家であり日々、プロフェッショナルな業務をこなしています。
現在では、世の中に様々モノがあふれ、ありとあらゆるニーズに応えています。
類似品も非常に多く、顧客側からしたら、何が自分にとってベストなのか見極めることは極めて難しいと言えるのです。
そのような現状において、現代の顧客というのは、簡単にリサーチし情報を取得できる時代となっています。
売り手側からすれば自社製品を中心としとらえていたとしても、自社商品のみに注目するわけではなく競合の製品価値の認識もできます。
企業とすれば、ターゲットとする顧客に対し積極的にアプローチすることになります。
もちろん企業側の人間からすれば、その道のプロであり自社商品の存在価値というのを熟知しきっていると言えますが、顧客はプロではありません。
専門的な知識を持たない顧客に対し自社製品の価値を一瞬にして認識させるために必要なのがバリュープロポジションなのです。
(2) 作り手側が顧客視点に立てるため
買い手と売り手の立場は全くして違います。単純に言えば、顧客とすれば出来るだけ質のいいものを安く買いたいし、売り手としては利益がでる価格で買ってほしいと思うものです。
製品を生み出すメーカーと顧客の思惑というのは全く違うものです。
思いは往々にしてすれ違うものです。
考えのすれ違いというのも起こる可能性があるわけです。
作り手としては、顧客のためを思って作ったものの、予想外の機能と顧客に受け止められ全く使われないというケースもあったりします。
その原因としては、作り手が作り手本位の思いで製品開発を進めてしまったからです。作り手にとっても、モノを作るということの一定の満足感というのは必ずあるものです。
思いだけが先走り製品開発に勢いで進めてしまったということもなきにしもあらずです。確かに勢いというのは時には必要です。やる時に行わないと、物事が進められないからです。
売り手目線の考えや都合による影響というのもあります。自社の都合を優先した、売り込みメインのマーケティング活動は、言ってみれば押し売りなのです。
顧客のことを全く意識していないということは現代ビジネスではナンセンスそのものです。
営業、マーケティング、製品開発という企業においての各部門では、このような問題は常に起こり得ているのです。
バリュープロポジションを企業内で共有し、浸透させておくことにより、売り手と買い手、作り手と顧客とのギャップというのは、少なくとも縮まることのひとつと言えます。
作り手側の熱い思いというのは、直接的には顧客に関係ないのです。独りよがりな製品開発、マーケティング、営業活動という全ての企業活動において、バリュープロポジションは、方向性進むべき指針となってくれるのです。
10分でわかるバリュープロポジション③【バリュープロポジションの3つの要素】
「10分でわかるバリュープロポジション」というテーマで3つ目に取り上げるのは「バリュープロポジションの3つの要素」です。
バリュープロポジションを作る際には次の3つの要素を意識することが大切となります。
1. 顧客の課題をいかに解決できるかを明確化すること
バリュープロポジションのキーとなるのは、この製品を使うことによって、どのような課題がどうやって解決できるのかを明確に理解することができることです。
現代マーケティングにおいては、デジタルマーケティングが主流となっておりマーケティング活動を有効活用する手段は様々あります。その手段の一つとしてマーケティングオートメーションツールがあります。
マーケティングオートメーションツールに関しても専門のベンダー企業がありますが、実際にマーケティングマーケティングオートメーションと一般社員の方に言われても、イメージがつかないものとなります。
マーケティング部門に所属し日頃からマーケティング業務に精通している方ならまだしも、マーケティングオートメーションツールは一般的な商品とは言えないのです。
そのようなマーケティングオートメーションツールのような特殊な製品に対しても一般の人に目を向けてもらうためには、どのようにアプローチするかを検討することが大切と言えます。
マーケティング担当者以外の多くの顧客が来場するイベントに出展するという手段もアピールのひひとつとなります。
2. 顧客が購入するメリットを明確化すること
適格なバリュープロポジションというのは、製品購入後、顧客が実際にどんなメリットが自分に対してあるのかを明確にすることです。
バリュープロポジションとして明確なキャッチフレーズを発するということも大切となります。一目見ただけでわかるような明確なフレーズを提示するということは非常に大切なのです。
またメリットのみではなくでなくベネフィットも訴求できると、より効果的となります。
ベネフィットとは、顧客がが自社の商品を購入する目的のことを言います。
3. 競合製品との差異を明確化すること
バリュープロポジションは、競合他社の他の製品と比較することによって自社製品がどれだけ優れているかを知ることができます。
バリュープロポジションでは、競合と比較することによって、どんな機能が他社より優れているかを把握することが一目瞭然となります。
バリュープロポジションを見た顧客がこの機能ならば、すぐにでも買いたいと納得したいと思うものなのです。