世の中が発展するのは、他者を意識した競争原理とルールがあらからに他なりません。
人間が生み出した最大の発明とも言われる「お金」も世の中を動かす1つの要素であることは間違いありません。
というわけで今回は「ビジネス・業界・競争要因とマーケティングの関係」について詳しく説明致します。
ビジネス・業界・競争要因とマーケティングの関係①【業界の収益要因】
「ビジネス・業界・競争要因とマーケティングの関係」というテーマで最初にふれるのは「業界の収益要因」です。
企業活動というのは、そもそも何のために行っているのか?
マーケティングを学び理解する上で、基本的なこととしてビジネスの構造を知るということが、いかに重要であるかは、マーケティングを知れば知るほど理解できることになります。
企業活動というのは、売上を上げ収益を確保すること、そして社会貢献という意味もあります。
企業そのものの発展と社会全体が豊かになるような社会の利益を上げるためでもあります。
そして、もう1つとしてあるのが、企業が存続するためです。
企業が長い期間安定して経営していくためには、安定した収益が必要となりますを
さらに言うなら、企業そのものが安定し利益を追求できる環境として業界そのものの安定性が、各企業の収益を左右する非常に大きな要因となるのです。
ビジネスには、様々な分野が存在し、カテゴリという概念でわければ、「業界」という1つの大きな概念となります。
企業が収益をあげるには、各企業の企業努力によるものですが、大きな意味でとらえるならば、実は企業の収益を決定付ける根本的要因は「業界構造」そのものとなるのです。
最終的には、製品自体の分類による競争環境によって企業の収益は決まってしまうということです。
わかりやすく言えば特化性があり、競合が少ない場合は、利益を得やすくなりますが、一方で競合少ないということは、業界全体のシェアがそれほど大きくないこともあり、収益は業界シェアに準ずるというわけです。
逆に参入企業が多く競合他社が多い場合は、業界自体は活況と言え、厳しい業界といえども、大きな収益を得るチャンスは十分にあるというわけです。
業界自体によっても扱う商品の単価か変わってきます。
例えばブランド物のバッぐや財布など、1つで数十万もするものと、1つ10円のお菓子などもあり、販売数と収益性によっても全く変わってくるのです。
単価として高いのは、土地や建物を扱う不動産業や自動車業界であり、単価が低いのは食品などの流通業となり、業界ごとの環境によっても競争原理やビジネス理論というのは、大きく異なるのです。
ビジネス・業界・競争要因とマーケティングの関係②【業界のパワーバランスと競争原理】
「ビジネス・業界・競争要因とマーケティングの関係」というテーマで次にふれるのは「業界のパワーバランスと競争原理」です。
各業界によって異なる収益性についてふれてみましょう。
業界の収益性というのは、どのような要因によって違いが出るのでしょうか?
その要因となる競争原理とは、次の5つで決まるのです。
- 新規参入の脅威
- サプライヤーの交渉力
- 買い手(顧客)の交渉力
- 代替品の脅威
- 既存企業間の競争原理
では、それぞれについて詳しく説明していきましょう。
【1 新規参入の脅威】
業界にとって新規参入者の増加は良くも悪くもあります。
新規参入者が増加すれば、業界は活性化しますが、その一方で限られたシェアの中での競争はライバルが増えた分だけ激化します。
イコールそれは、収益性の低下を意味しまし。
さらに新規参入者の脅威となるのは、参入障壁の高さが関係してくるのです。
業界によっても、新規参入への障壁というのは、全く異なり、参入しやすい業界もあれば、参入が難しい業界もあります。
新規参入の障壁要因となるのは、次の点となります。
- サプライサイドの規模の経済事情
- ディマンドサイドの規模の利益
- 既存企業の優位性
- 企業規模の違い
- 資金ニーズの違い
- 消費者のスイッチングコスト
- 流通チャネルの不平等さ
- 政府が関与する引き締め政策
【2 サプライヤーの交渉力】
サプライヤーの交渉力自体も大きく影響してきます。
利益に対して自社で価格を決定できるかどうかによっても大きく変わってきます。
例えばスーパーマーケットなどでは、商品を市場から仕入れることになりますが、天候などの条件によっても、野菜の価格は変動します。
野菜の価格が高騰すれば、利益率にはダイレクトに反映されてしまうということです。
これと同じことは、飲食業界にも言えます。日々変わる野菜の相場は、売上に大きく関わります。
とんかつ屋さんや、お好み焼き屋さんなど材料に使うキャベツは外せませんが、キャベツの価格が上がってもメニューの価格を頻繁に変えることはできないからです。
販売価格は変わらずとも、仕入れ値が大きく変わってくるわけです。
【3 買い手(顧客)の交渉力】
買い手の立場となると良い商品を少しでもやすく買いたいというのが心情です。
顧客によっても違いはありますが、強い顧客となると、商品やサービスのクオリティに対する要望は強まる一方、値下げを要求する傾向が強くあります。
顧客(買い手)と企業(売り手)の立場は、価格感度によって変わってくるわけです。
《顧客の立場が高くなるケース》
- 売り手が少ない
- 製品がそのものがコモデティ化している
- 顧客の内製化
《価格感度が高くなるケース》
- 製品が差別化されていない
- 高額な製品
- 性能が重要でない製品
このように価格感度の違いにより顧客の交渉力が変わってくるのです。
【4 代替品の脅威】
代替品の脅威が大きすぎると、業界全体の収益性が大きく影響してきます。
最近で言うとわかりやすいのが、テレワークが進めは、パソコンや通信機器などのニーズが増加する一方、通勤しないことによって鉄道会社などの交通機関の利用が少なくなれば、売上は減少します。
つまり、テレワークは通勤の代替品と言えます。
【5 既存企業間の競争原理】
既存企業間の業界内での競争原理というのも関係してきます。
- 価格競争
- 新製品の投入
- 広告キャンペーン
- サービス改善
- アフターケア
ビジネス・業界・競争要因とマーケティングの関係③【3C分析】
「ビジネス・業界・競争要因とマーケティングの関係」というテーマで最後にふれるのは「3C分析」です。
業界を大きな1つのカテゴリとして捉えることによって、その業界独自のビジネス戦略と、業界そのものを活性化させる競争要因を分析することによってマーケティングが見えてくることがあります。
マーケティングには様々な側面から検証することが大切ですが、その手法として代表的なのが「3C分析」です。
マーケティング用語としても度々登場している「3C分析」ですが、企業がマーケティング戦略を考察する上でよく使われるメジャーな分析手段です。
戦略マーケティングのフレームワークである「3C分析」は、次の3つの観点から市場に対する自社の評価を客観的に分析していきます。
- Customer
- Competitor
- Company
上記3つの「C」に着目した観点で分析していきます。
【Customer】
カスタマーは、商品やサービスのターゲットとなる顧客層のことであり、市場と顧客の分析となります。
【Competitor】
業界におけるシェアと競合他社との関係を分析します。
【Company】
各企業独自のストロングポイントやウィークポイントから、自社の特徴を分析します。
これらの3つのポイントに絞って評価、分析することによって、市場、顧客、自社の関係を知ることができます。
マーケティング分析手法としては、よく活用される3C分析ですが、その他のマーケティングフレームワークとしては、SWOT分析やPEST分析なども有効です。
その中でも3C分析は、シンプルに自社の分析を行うことができ、課題や成功要因の分析を行うことができます。
上記3つの点から、さらに深堀りして下記のような点を知ることができます。
- 市場規模の推移
- ユーザーニーズの把握
- 購買行動の分析結果
- 競合他社の存在
- 競合他社の売上と実情
- 成功事例のビジネスリソースの把握
- ビジネスモデルの仕組みの分析
上記の点を知ることができ、自社と他社の経営理念、経営戦略の違いなどの課題をまとめることができます。
課題となるのは、次の事項となります。
- 自社の強みは何か?
- 自社の弱みは何か?
- 顧客にたいする自社の提供価値は何か?
- 自社が抱えるリソースとは何か?
- 結果に繋がる自社の仕組みはできているか?
これらの要素を1つ1つ見ていけば、おわかりの通り、決して専門的なことではなく非常にシンプルになっていますので、わかりやすいということが言えます。
リアルな市場に対しての自社の評価を分析し把握することができるのです。