飽食の時代と言われる今の日本にいれば、まず食べることに困ることはありません。日本国内には数多くの飲食店が存在します。
それだけ飲食店が多く存在する理由とは、いったいなんでしょうか?多くのお店が存在する飲食店ですが実は経営するには非常に難しい業種でもあります。
今回は、そんな飲食店の経営について触れてみます。
独立・開業に飲食店経営を選ぶ人が多いのはなぜか?
サラリーマンだった方が会社を辞めて独立または定年後のセカンドライフとして飲食店経営に乗り出す方が多くいらっしゃるのはなぜでしょうか?
日本全国には大手チェーン展開を広げるフランチャイズ店舗や、テイクアウトなどの飲食店などとにかく無数に存在します。飽和状態と言われている飲食業界の状況下で会社を辞めて飲食業に手を出す人が増加しています。
そもそも人間にとって生きていく上で『食』は外せません。つまり飲食業には終わりはありません。地球上のどこにいっても、国籍や年齢に関係なく、「食」を求める全ての人々が顧客となりえるわけです。好みや好き嫌いはあるものの、生きている人間は食べていくことは、必ず必要となります。
命を繋ぐ食事、生きていく為に必要な食事、生活に密着している「食」に対して、誰もが興味があるところです。誰もが毎日行う人間の営みの中の「食事」。当然多くの人が興味を持っています。
会社勤めの平凡な毎日に新鮮さを感じなく、自分自身で自由に飲食店を経営し、多くの人に美味しいものを提供したいという自由な思いが飲食店にチャレンジしたいという人を突き動かすのではないでしょうか。
もちろん、「食」に感心があり、強い興味がある方が自分のお店を持ちたいと思うのは、当然のことでしょう。
独立・起業する人はやりたいことをやる、やりたい仕事をやるというのが一番の理由でしょう。
どんな業種にしても、独立・開業することにリスクはつきものです。しかし、ビジネスにおいてリスクを恐れては何も始まらないのも事実です。行動しなければ何もはじまりせん。
そんな中、独立・開業するには飲食店は、リスクの高い業種でもあります。飲食業は憧れを抱きやすい業種ではありますが、素人は手を出すべきではない業種とも言われています。想像よりも簡単に勝てるような業種ではありません。
現実は甘くない飲食店経営
自分の理想のお店を持ち、夢と希望に向けて走り出す飲食店経営者の皆さんは、リスクよりも実現したいと欲求を優先してお店を開くわけですが、現実には飲食店経営は甘くはないようです。
飲食店を開く際には、それなりの資金が必要となります。店舗や設備、広告宣伝費、仕入れなど様々なものが必要となります。小規模な店舗を個人で開業する場合なら初期費用としては700万円~1,200万円程度はかかります。およそ1,000万円は目安としてかかると考えて下さい。
それだけのお金がかかるのに、開店してわずか1年で閉店となる店が実に多いのです。実際は更に厳しく1年経てばよいほうで半年持たないような店舗も存在します。つい最近家の近くにできたと思っていたラーメン屋さんが気がついたらなくなっていたなんていう記憶がある方も多いのではないでしょうか。それだけ飲食店経営は難しく現実的には厳しいのです。
実は飲食店の経営は、「高開業」かつ「高廃業」の業種と言われているのです。新しいお店ができることも多ければ、それだけ潰れるお店も同じくらい多いということです。
「高開業」の理由としては、先に上げたように自分のお店を持つという夢・憧れを抱いている人が多いからです。飲食店経営希望そのものが多いこと、そして新規参入するには敷居が低いことです。個人で飲食店を経営するには、ある程度の資金があれば実現可能なのです。
飲食店の経営には様々なスタイルがあります。自分自身がお店の運営、接客、調理など全てに対して関与する経営者もいれば、実務などは実際には行わないオーナースタイルの経営者もいます。
どのようなスタイルでお店の営業に関わるかは、経営者の考え方によって異なります。副業として飲食店経営を行うオーナーもいます。例えば有名タレントやスポーツ選手などの引退後など、自分の知名度を利用し飲食店経営に乗り出す方もいますが、例え有名人が経営するお店だとしても、全てが成功しているわけではないのです。
飲食店経営が難しい理由
飲食店経営が難しい理由は様々あります。飲食店の難しいところは、提供する料理が美味しければ、必ず成功するとは限らないことです。もちろん最も重要なのは提供する商品(食品)のクオリティであることは間違いありませんが、それ以外にお店の知名度、そして出店場所など様々な要素があります。
まずお店の存在を知って貰ってう必要があります。そしてお店に食べに来てもらう必要があります。味が良いのに、誰も知らなければ全く意味はありません。お美味しいからと行ってもアクセスが悪く、行きにくい場所にあるようでは顧客は足を運びません。
そのような様々な要素が必要なことを開業前に想定していなかったことが、飲食店開業後の難しさだったりします。