ヒット商品というのは、様々な要因が重なって生み出されます。
結果としてヒット商品となったものに共通して言えることは、多くの人が共感しているからです。
そんなヒット作としてとりあえずのが、ドラマ「半沢直樹」です。
というわけで今回は「ヒットの要因!半沢直樹で考えるマーケティング」について詳しく説明致します。
ヒットの要因!半沢直樹で考えるマーケティング①【ヒットを生み出す時代背景】
「ヒットの要因!半沢直樹で考えるマーケティング」というテーマで最初にふれるのは「ヒットを生み出す時代背景」です。
情報過多、物が溢れた現代において、ヒット作を生み出すというのは容易なことではありません。
ITやインターネットの発展は、世の中そのもののスピードを加速させる共に生活や社会の便利さ、豊かさを提供してきました。
世の中が便利になれば、なるほど物や情報の共有は高まり、他者との差別化は容易ではなくなります。
そのことから一般市場においてヒット商品を生み出すのは、容易なことではありません。
物が溢れている「今」だからこそ、商品やサービスの存在をアピールする必要があるのです。もし何もしなければ、商品やサービスは埋もれてしまい売れるものも売れなくなってしまいます。
だからこそ、現代ビジネスにおいてマーケティングは、重要視されているのです。
最終的にマーケティングの行き着くところは、「ブランド化」。
つまり、何もしなくても売れる仕組みを作ること。
世の中においてのその存在価値を認知させることです。
それには、消費者(顧客)からの評価と共感が必要となります。
そんな難しい時代ですが、いつの時代にも必ずやヒット商品があります。
そして今回取り上げるのは、テレビドラマです。
国民的な人気番組となったドラマ「半沢直樹」から、見えてくるマーケティングとヒットの要因について、ふれてみます。
娯楽としてのヒット商品として、社会的現象にまでなった「半沢直樹」。皆さんは、ご覧になったことがありますか?
視聴率としては、平均で約30%を叩き出すというほどのお化け番組として、一世を風靡した話題作「半沢直樹」が放映されたのは、今から7年前の2013年。
制作側としても、予想以上の大ヒットとなったのは、嬉しい悲鳴でもありますが、作り手側の予想を遥かに超えたそのヒットの要因とは、いったいなんなのでしょうか?
単純にエンターテイメントとしての質の高さ、面白さが広い層に対して受けたと言えば、それまでですが、1つのドラマが社会に大きな影響を与えるほどのヒットとなると、もう1つの立派なトレンドでありマーケティングとしても見逃すわけにはいきません。
インターネットの発達により若者のテレビ離れが叫ばれる時代において、視聴率30%超えという数字は、どれだけ強烈なものか図りしれません。
昭和初期であれば、テレビは娯楽の王様でもありましたが、当時と比較すれば今はテレビに頼らずとも、様々な娯楽がある中で、楽しみをテレビに求める必要はなくなりました。
マスマーケティングの代名詞であるテレビには、それなりのメリットもありますが、現在のマーケティングの主流は、デジタル化へ流れウェブマーケティングが主流となっています。
そんなあらゆる物に溢れ、ライバルが多い市場の中で目に見える数字という結果を残したエンターテイメント作品としての「半沢直樹」は、非常に評価できるものであり、マーケティング的にみてもふれないわけにはいきません。
そんな大ヒットドラマの半沢直樹が2020年、7年ぶりに新作として返ってきたのです。
今回も前作の期待と勢いを保ったまま高視聴率を維持しています。
シリーズ第2作目となり今作のスタート時期は当初2020年4月からの予定でしたが、新型コロナウイルスの影響を受け、スタートが6月に大幅に遅れたのです。
出演キャストのスケジュールもあり、継続に不安もありましたが無事スタートすることができました。
そんな大人気ドラマ「半沢直樹」がヒットしたのには、市場のニーズに合致したコンテンツということが言えるのではないでしょうか。
実感としては、プロダクト側でさえ、この結果は想定できなかったのではないでしょうか。
これは正にマーケティングが生み出した偶然の産物といっても過言ではないのではないでしょうか。
ヒットの要因!半沢直樹で考えるマーケティング②【半沢直樹、ヒットの要因とは?】
「ヒットの要因!半沢直樹で考えるマーケティング」というテーマで次にふれるのは「半沢直樹、ヒットの要因とは?」です。
そんなコンテンツとしての評価の高い「半沢直樹」が、これほどまでに人気があるのかをマーケティング的観点から分析してみます。
まず、主人公である「半沢直樹」のキャラクター設定にあります。
銀行員である半沢は、言ってみればサラリーマンのうちの1人で、リアルな人間像が滲み出ていつつも、実際は、ドラマの主人公ながら「ヒーロー」であるということです。
いつの時代にあっても、人々はヒーローを求めているわけで、時としてスポーツ選手や半沢のようにエンターテイメントの中の架空の人物をヒーローとして求めるというわけです。
つまり、時代は常にヒーロを求めているのです。
半沢の場合、組織の中のポジションとしては、中間管理職となり、責任がありつつも上にも下にも気を使うような、何か大変なポジションであり、この大変さが共感を呼んでいるのです。
権力という力を持たずとも、己の信念に基づき突き進む姿に感動し賛同するのです。
つまり半沢というキャラクターは共感マーケティングととらえることができます。
次に万人受けする、わかりやすいストーリー内容があります。
マーケティング的にとらえれば、老若男女の垣根を越えて幅広い層に受けるような商品やサービスを生み出すことは至難の業です。
個が重要視される多様化した現代においては、多くの層から支持されること、万人受けするということは、ターゲットを絞りきれないということにもなりかねません。
それでも多くの人を虜にする法則というのは確実に存在するわけで、エンターテイメントとしての成果物には、それらの要素がふんだんに盛り込まれている作り方がされているのです。
ドラマコンテンツにおけるストーリー作成上にもセオリーとなる基本要素は、もちろんあるのです。
その要素とは、人々の心理を揺さぶる次のようなものです。
- 勇気
- 希望
- 挑戦
- 挫折
- 葛藤
- 愛情
- 憎悪
- 復活
- 成功
- 逆転
などです。
どれもストーリーを組むにおいて、または、人生に置き換えても紆余曲折と起承転結をもたらす要素と言えます。
エンターテイメントとマーケティングは実は似ているところがあります。
プロセスを経て段階的に作りあげていくマーケティングと、多くの人の力を集め作りあげるドラマもマーケティングと同じように、1つ1つの作業の積み重ねが結果となっています。
ストーリーは王道的であり、挫折あり、逆境あり、復活あり、勝利を呼びこむという視聴者の待ちに待ったパターンが惜しげもなく描かれているのです。
そして最後は、画面に登場するキャストの演じる能力の高さです。
やはり、見るもののを引きつけるのは、演者の演技力ですね。
それとともに絶妙なキャスティングも話題をさらっています。
実力派俳優かズラリと並ぶだけでなく、個性豊かな俳優陣と意外性のある人選が話題を呼びます。
視聴者の興味を引くようなキャスティングとは、顧客を呼びこむためのマーケティング手段の1つともされます。
作り手側としても、話題作りをしようという戦略が見え見えの感じもします。社会派ドラマだけに、番組アピールもマーケティング戦略をプロジェクト全体で考慮し実行に移しています。
ヒットの要因!半沢直樹で考えるマーケティング③【半沢直樹にならうヒットの方程式】
「ヒットの要因!半沢直樹で考えるマーケティング」というテーマで最後にふれるのは「半沢直樹にならうヒットの方程式」です。
ここまでで、ドラマ「半沢直樹」の魅力、ヒットの理由についてふれてみましたが、このことからヒット商品を生み出すヒントというのが垣間見えてきます。
「半沢直樹」から見るヒットの方程式についてふれてみましょう。
ヒットの方程式は、次の通りとなります。
- 市場のニーズを読む
- ヒーロー像を創る
- 王道であること
- 信頼性を高める
- 期待を裏切らない
- 顧客(視聴者)が望む想像以上を提供する
- 意外性のあるキャスティング(人材採用、人選)
これらの点を見れば、おわかりになると思いますが人を惹き付ける魅力が詰まっています。
つまり、これらの要素は商品開発や集客、宣伝活動、マーケティング活動においても利用できるということになります。
その他に必要なのは、顧客(視聴者)に対して与えるインパクトという意味では、人の心を掴むキャッチコピーが必要となります。
半沢直樹で言えば決め台詞の「倍返し」が、それに当たります。
このセリフは視聴者に対し強烈なインパクトを与えます。
「倍返し」と言えば「半沢直樹」というように、商品やサービスの宣伝効果としてもキャッチフレーズは必要となるのです。