「薄利多売」という言葉は、皆さんもよく耳にする言葉だと思います。
この言葉の意味を理解していらっしゃる方は多いと思いますが販売戦略の観点からみると、どのようなものなのでしょうか?
というわけで今回は「10分でわかる!薄利多売のメリット、デメリット」について詳しく説明致します。
10分でわかる!薄利多売のメリット、デメリット①【薄利多売とは?】
「10分でわかる!薄利多売のメリット、デメリット」というテーマで1つ目に取り上げるのは「薄利多売とは?」です。
世の中には、様々な商品やサービスが存在し、そこにビジネスがあります。
情報社会の現代においては、いかに効率的、効果的な情報を発信し顧客の元に届けることができるか、それが大切になります。
様々なビジネスモデルや顧客アプローチ、マーケティング手法、そして販売戦略がありますが、その中の一つとして「薄利多売」があります。
ビジネスを行っている方なら、意識的に考える方も多数いらっしゃるかと思いますが消費者としても、薄利多売は日常の中でも実感することが多いのではないでしょうか。
でら薄利多売の戦略というのは、いったいどのようなものなのでしょうか?
販売戦略として、ビジネス戦略として、より深く考察してみましょう。
物価に対しての動きとしては、2022年は、あらゆるものの価格が上昇しており値上げの年と言われています。
商品の価格が上がれば消費者としては、買い控えや節約志向が高まり、財布の紐がきつくなります。
一人ひとりの消費が抑えられると、全体としての景気は不景気となるわけです。
様々なモノがあふれる現代において他社との差別化というのは、非常に難しくモノは、売れない時代と言われています。
モノを売るための戦略として、商品やサービスの価格を下げることにより売れるようにするという戦略があります。
しかし、単純に値段を下げて売れたとしても、利益は落ちてしまうわけです。売上を上げるのと利益を上げるのは、話しが違うのです。
売上と収益というのは、バランスがとれている必要性があるのです。
薄利多売には、メリットもありますが、もちろんデメリットも存在しているのです。
薄利多売は、利益を少なくすることにより値下げを行い、生産力を上げる分、大量の商品を売りさばく必要があります。
商品1つの単価は下がるため、利益そのものは小さくなりますが、それをカバーするために売上数を上げることにより、利益へと変えていくのです。
商品の特徴として回転率が高い商品なとが効果的と言えます。
飲食店を例にとれば、手間暇をかけた個人経営のお店には限界がありますが、大規模チェーンのファーストフードなどは、オペレーションと効率化により、顧客単価は押えても、回転率を上げることにより、安価な商品でも、大量に売りさばくことにより、大きな利益を得ているのです。
薄利多売の逆として「厚利少売(こうりしょうばい)」があります。
こちらは、薄利多売に比べたら、あまり聞き慣れない言葉と言えます。
高い利益率を持つ商品を少ない人に売り込む販売戦略と言えます。
売れる商品数自体は少ないのですが、たった一つの商品さえ売れれば大きな利益を得ることができるのです。
わかりやすい例で言えば、不動産があります。
厚利少売という販売戦略のターゲットとなるのは、高所得者なのです。
そのため、高額商品を扱うブランド店や高級店などで採用される戦略と言えます。
薄利多売は、1つの商品に対する利益率は低いため、その分、大量に売りさばく必要があります。
その一方、多売薄利は、商品を数多く売っても利益は薄いのです。
また言い方を変えれば薄利多売はポジティブであるのに対し多売薄利はネガティブと言えます。
戦略的に利益率を下げていることならばビジネスとしては、成立しますが、不本意な状況で利益率が下がるのとは、全く意味が変わってくるのです。
「薄利多売」と言う販売戦略そのものに対しての印象を良く捉えない方もいらっしゃいますが、一概に戦略的に悪いというわけではありません。
価格を下げるという販売戦略は、あくまで戦略的に利益率を下げるということです。その分多くの商品を売りさばく必要性があるということを理解しておかなければなりません。
そのような観点から、薄利多売は基本的には、ポジティブな販売戦略としてとらえるべきなのです。
10分でわかる!薄利多売のメリット、デメリット②【薄利多売のメリット】
「10分でわかる!薄利多売のメリット、デメリット」というテーマで2つ目に取り上げるのは「薄利多売のメリット」です。
薄利多売という販売戦略について具体的なメリットについてふれていきましょうか。
次の3つがメリットとしてあります。
- 顧客数と売上の増加
- 少数の顧客が離脱しても影響が薄い
- 口コミによる集客効果と認知度向上
上記3つのメリットをバランスよく活用することができれば利益は上がるというわけです。
では、それぞれについて詳しく説明していきます。
1. 顧客数と売上の増加
薄利多売は、売り上げを増やしやすいことがあり、利益を伸ばしやすい販売戦略と言えます。
薄利多売の基本戦略として、商品1つに対しての労力や負担をいかに減らせるかということにあります。
その分多くの商品を売る必要がありますが、多くの売上と利益を獲得するためには必要不可欠となります。
例えばたった1人で営業する個人がいくら頑張ったところで限界は、すぐに見えてくるわけです。
しかし、仕事の仕方やアプローチを変えれば利益を上げることができるのです。
外注を利用することにより、作業自体はアウトソーシングして、自らは指示を出すことのみに業務を集中させることにより、利益を高めることはできます。
1商品単位での売り上げに対し、全体としてどれだけのコストダウンをできるかということが薄利多売のポイントとなります。
薄利多売の販売戦略プランが成功することの前提条件として商品が確実に売れることが大前提となります。
採算が取れないような商品を扱うのでは、薄利多売という販売モデルは成り立ちません。
2. 少数の顧客が離脱しても影響が薄い
薄利多売の2つ目のメリットとしてあるのが、少数の顧客が離れたしても影響は、さほど大きくはないということです。
薄利多売の場合、対象とする顧客というのは、最初から多くの顧客とります。
そのため少数の顧客が少々離脱したとしても影響自体は非常に少ないのです。
様々な取引先に対し商品を卸していた場合には、例え一つの取引先との関係が途切れたとしても、企業としての売り上げには、それほど影響は、ないというわけです。
中小企業などの多くが実は、取引先が単独であるとかそれほど多くないケースも実際には少なくはありません。
そもそも少ない取引のみでは、企業としては非常にリスクが高いのです。
一つのメインの取引先に頼っていてばかりでは、その取引先企業が倒産したならば、モロにその影響を受けてしまうというほどリスクが高いのです。
企業間の取引の例を見れば、非常にわかりやすい例と言えますが、これが顧客となっても、全く考え方は同じとなります。
顧客数が多ければ多いほど、商品販売におけるリスクは下がるのです。
このことは、利益率と購入率ということに大きく関わってきます。
10分でわかる!薄利多売のメリット、デメリット③【口コミ効果とデメリット】
「10分でわかる!薄利多売のメリット、デメリット」というテーマで3つ目に取り上げるのは「口コミ効果とデメリット」です。
3. 口コミによる集客効果と認知度向上
薄利多売は「商法」の一つであり、ビジネス戦略でもあります。
売る商品の数を増やすということが前提となるので、当然それに比例して商品やサービスを手に取る顧客というのも増加していくことになります。
顧客数の増加=見込み客の増加とはるわけですから、ビジネスチャンスというのは、当然広がるわけです。
薄利多売といっても、多くの顧客を対象とするわけですから、安価な商品の中に高価なバックエンド商品の売り込みというのが実は可能なとなります。
これを実際に行っているのが100円均一です。100円ショップには非常に多くの商品が揃っている一方、100円以外の高額商品も一部に含まれています。
薄利多売という販売戦略をベースとしつつ、100円という安価な商品のみらならず、300円、500円、1000円といった100円ショップの中では高額となる商品も取り扱っているのです。
つまり薄利多売というのは、販売戦略のコンセプトとして捉えておくことは大切のですが、実際には商品の採算が合わない場合でも、結果的に全体からすればビジネスとしてはOKとなるのです。
薄利多売によるメリットとしては、単に顧客数が増加するということのみではありません。顧客が増えれば、それだけ口コミ効果というのが高まるのです。
口コミによる公告効果というのは、現代ビジネスにおいて売り上げを上げるという意味では非常に効果のあることなのです。
ネット社会だからこその口コミ効果というのは、非常にリアルでシビアな情報として消費者からも商品購入における判断要素となるのです。
メリットもあればデメリットもある薄利多売。メリットと同じくデメリットも3つ存在しています。
- 労力がかかる
- 利益率が低いことから赤字になりやすい
- 顧客クオリティの低下
薄利多売で集まる顧客は、価値ではなく安価を目的としているのです。