どの会社でも人手不足という問題に直面していると思います。
わが社でも人手不足の問題に対してコミュニケーションの密度を濃くするという方法で解決を図りました。
ここではわが社で実践した人手不足対策をご紹介させていただきたいと思います。
人材不足の要因とは
人手不足という問題はどの会社でも直面しているほどの深刻さだと思います。わが社でも例外なくその問題に悩まされています。
人手不足というと「優秀な人材がやめていく」「優秀な人材が来ない」との嘆きがよくきかれ、要は
- 退職者が後を絶たない
- 新人が入社してもすぐやめていく
の大きく2つが人材不足を深刻化させる要因だと思います。
わが社ではその問題に対してまずは①を優先的に対策を感上げました。
退職者を少なくする方法
そのためには今在籍している従業員に会社のどの部分に満足していないのか匿名でのアンケートという方法を実施しました。
思いのほか集まったのですが、特徴として給与面などの待遇というよりは残業時間が多すぎて自分の生活やプライベートが守られていないというものでした。
そのため特に製造部での残業時間を管理している管理者と社長含めみなでその解決策を図りました。その中で判明したのが従業員同士があまりコミュニケーションをとっておらず、あまり互いに連携して会話していないことがわかりました。
これでは連携作業も取れず互いに助け合うことで少しでも早く業務を終わらせようという作業体制ではないのは明白です。
そのコミュニケーションを図るために会社全体で1,2か月に1回のペースで飲み会を実行しました。職場と環境が変わりまたお酒も入ることから普段は全くしゃべらない人たちが思いのほか会話が弾んでいたりと互いのわだかまりが解けていくようでした。
その方法をとったことにより今まで会話もなく暗かった会社の雰囲気もすごく会話の弾む明るい雰囲気になり、それをきっかけに残業時間も減り退職する人もいなくなりました。加えて製造側と販売側の部署の垣根を超えた交流も盛んになり、いままでは部署違いということで顔もなかなか合わせることもなかったのですが、部署を超えた連携が見られるようになり、この方法により新たな副産物を見つけられた気がします。
また加えて製造内でのコミュニケーション力がアップしたことから作業効率も向上し、さらには不具合製品発生などのクレーム発生件数も少なくなりました。今までは一人一人がそれぞれ単独で仕事を行っているような感じでしたが、コミュニケーションを図ることで製造内みんなで互いにバックアップしあう気風によりみんなでトラブルを回避しようという意識も向上したことが更なる副産物でもありました。
新卒がすぐに辞めるのを防ぐには!?
それから②の新人が入社してもすぐやめていくという問題解決に着手しました。
ハローワークには求人応募しており、全く応募問い合わせがないというわけではなく月に一定の採用面接を行っております。しかし入社した後2か月で、ひどい時にはたった一日でやめていくという新人の定着率の悪さが顕著でした。
その方法をとってわかったことがやはり先ほどから問題視されているコミュニケーションの乏しさが明るみに出ました。入社してもまずは何をしていいのかわからないのが当たり前ですが、それをつきっきりで指導したり、作業内容が正しいのかどうかチェックっしてくれる先輩がいなく一種の孤独感を感じているというものです。これではやりがいを見つける前に嫌になり辞めていくのは当然です。
そこで改めて製造責任者と社長などと対策を真剣に話し合いました。
よく話してみるとやはり新人研修のための時間を忙しいの一点張りで設けておらず、見よう見まねで覚えろというような昔気質の風潮がありました。しかし今後の会社を考えるうえでその方法では新人の定着率の悪化は免れませんのでまずは一日新人に対してどのような指導研修を行ったのか日報形式で提出してもらうことにしました。
更にはその新人研修システム構築のために、まずは製造品目ごとにマニュアルを作成し、新人が少しでも多くの知識経験を習得できる環境づくりを促進しました。このマニュアル作りには多大なる時間と労力を要しましたが、私も責任者と連携し何度も文書を作成しなおしチェックし、それを新人に渡し、よく熟読してもらい、そのマニュアルをもとに実際の製造を行ってもらい、責任者はそれをチェックし指導修正していくという基本的な指導システム構築を図りました。時には社長にもその場で立ち会ってもらい、そのシステムが単なる一過性で風化しないよう継続してもらいました。
そのうち新人が入社してきてもすぐやめるという事態はなくなり、人手不足という事態も徐々にではありますが解消されつつあります。その当時何もわからなかった新人もいまではマニュアルを携えて指導チェックする様子も見られ、徐々にスキルアップしベテランの道へと近づいていく姿がうかがい知れました。
今いる従業員が満足できていない会社はいずれ破綻します。そして新人をしっかりとバックアップすることでより優秀な人材へと成長してもらうシステム作りに注力しました。優秀な人材は待って招き入れるものではなくわが社が育てるというスタンスで臨みました。いまでは徐々に増収増益へと業績を回復しつつあります。