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現代ビジネスにおいて悔過ばかりを求めるような風潮がどこか感じられます。

確かに様々なことを論理的に考えビジネスを常に改善することは、決して悪いことではありません。

しかし考えてみれば効率化ばかりが果たして本当に正しいと言えるのでしょうか?

というわけで今回は「効率化ばかりがプラスになることはないという丸亀製麺の発想」について詳しく説明致します。

効率化ばかりがプラスになることはないという丸亀製麺の発想①【非効率はマイナスなのか?】


「効率化ばかりがプラスになることはないという丸亀製麺の発想」というテーマで1つ目に取り上げるのは「非効率はマイナスなのか?」です。

現在の世の中は、全てにおいて論理的な思考が求められ、どのようなプロセスを得て、結果として何が導きだされるかということに注目されています。

確かに「合理性」という意味で言えば、それは正しいものとされます。

ビジネスにおいては常に「結果」というものが求められますし、数値としてその結果が明確に現れるからです。

近年、様々な企業において「業務改善」が進められています。既に業務改善そのものが業務の一つとして認識されていることも実際には多々あるのですが、業務改善そのものが「業務」となってしまっては、それこそがパターン化されてしまい、マンネリ化してしまうのではないかという懸念もあります。

とにかく「効率化する」、「合理化する」ということが、多くの企業では、常に取り扱われているようなところもあります。

例えば、業務改革の一つとして「組織改革」があります。組織としての体制を見直すということは、「改革」という意味で、それなりの価値はあり、影響力を与えます。

何しろ組織を変えるということで、そこに属する従業員の意識自体を強く変えることには違いないからです。マンネリ感を生み出さないということが「改革」という言葉を持ってみれば非常に効果はあるのです。

しかし「効率化」ばかりに気をとられてしまって大丈夫なのでしょうか。

「効率化」という言葉は、ある意味「魔法の言葉」と言えます。

ビジネスにおいて使われる「効率」という言葉そのものの意味を改めて考えてみると、この「効率」とは誰のためのものなのでしょうか?

普通に考えれば、「業務効率化」といえば、企業や組織となりますから「効率」となると自社の利益のための言葉として使われるものかと思われます。

しかし本当の意味での「効率」は売り手である企業側ではなく、顧客のためにあるのです。

最終的には顧客の満足度を高めるために「効率化」を考えるのです。

効率化ばかりがプラスになることはないという丸亀製麺の発想②【行き過ぎた効率化は逆効果】


「効率化ばかりがプラスになることはないという丸亀製麺の発想」というテーマで2つ目に取り上げるのは「行き過ぎた効率化は逆効果」です。

そのような効率化という意味でアプローチーしているのが「丸亀製麺」です。

うどんの全国チェーンとして知られる「丸亀製麺」ですが、お店を訪れたことがある方ならお気ずきかと思われますが、店内に入るとすぐに入り口のところに小麦粉の入った袋が山積みになっていることがわかります。

気づいていなかった方は、今度、「丸亀製麺」を訪れた時にチェックしてみてください。

「丸亀製麺」の店舗を運営しているスタッフの皆さんは、若い方から年配の方まで幅広い年齢層の方が働いていますが、その多くがアルバイトやパートさんに支えられています。

基本的な店舗レイアウトとしては全店共通となっていますが、オープンキッチン形式となっており、顧客からみても、どのように作っているのか調理場が丸見えになっています。

そこには、どの店舗にもある大型の製麺機がありますが、「丸亀製麺」の主力商品である「うどん」は各店舗によって、小麦粉、塩、水という原料からいちからうどん生地を作っているのです。

つまり、各店舗で打ち立て、出来立てのうどんを提供すること自体が「丸亀製麺」の売りでもあるのですが。あえて店舗での製麺にこだわっているのです。

もちろん製麺は手打ちではなく、機械を使ってはいますが、出来立て打ち立てを提供することには変わりはありません。

また麺を自家製にしているだけでなく、作った麺のゆで方にもこだわりを見せています。

うどんをゆでるのは、うどん担当のスタッフさんなのです。

お店を訪れるとわかるのですが、ゆで担当のスタッフさんは、各店舗において常に同じ人が担当していることに注目してみてください。

ゆで時間は、およそ20分で小分けにして茹でているというこだわりようなのです。

次に顧客からオーダーが入った後、ゆで上げた麺を水で一度締めて提供しているのです。

かけうどんやぶっかけうどん、釜揚げうどんの麺の茹で方や提供時間も異なり、ベストな食べ頃を見計らって提供しているのです。

だからと言ってオーダーしてから、全く待たされるわけではありません。かけうどんであれば、提供時間は極僅かな時間で提供されます。

お昼時のランチの込み合う時間であっても、長蛇の列ができますが、回転率が非常によく待ち時間もほとんど苦にはなりません。

さらに、うどんの他のサイドメニューにもひと手間かかっています。

天ぷらには天ぷら担当のスタッフさんが、売れ行きを見ながら天ぷらをあげ、その他おにぎりやお稲荷さんなどのご飯ものまで、リアルタイムの状況を見ながら作っていくのです。

会計担当のスタッフさんも別におり回転率を効率よくさせるシステムが完成されています。

会計後に、ネギや生姜、ゴマなどのトッピングは自由で好きにカスタマイズできますし、セルフサービスというのも顧客にとっては、うれしいサービスです。

トッピングの生姜自体は、担当スタッフが手ですりおろしているというわけです。

生姜にしても、わざわざ店舗ですりおろさなくても業務用のおろし生姜を使えば手間もコストもかからないのですが、それをあえて手間とはせず、現場ですりおろすというこだわりがあるのも、「丸亀製麺」ならではなのです。

生姜に関して言えば、生姜はあくまでサービスであり商品としては主役ではありません。薬味である生姜にこだわりを持つのは、うどんの味を引き立てるためなのです。

生姜の辛味や香りという薬味としての役割を最大限に引き出すには、やはりおろしたてが一番ということです。しかも使う生姜は、生に限るのです。

通常、全国チェーン展開する外食産業の多くが採用しているのがセントラルキッチン方式です。

各店舗でのスタッフを極力減らすと共に、マニュアルにのって行えば誰もが簡単に調理できるという合理化を進めているのが一般的です。

しかし、「丸亀製麺」の場合は、合理化、効率化しているところはしっかりしているのですが、手間をかけている点は十分にこだわって商品として提供しているのです。

丸亀製麺が最終的に顧客に提供したいのが純粋に「おいしさ」なのです。

そしてその”おいしさ”の先にあるのが顧客に与える「感動」なのです。

そのためには必ず「手間」が必要であると丸亀製麺は認識しているのです。

うどんというのは、素材がシンプルなだけにおいしく提供するには、作り置きができないわけです。ベストな状態で提供できてこそ、うどん本来の美味しさが追及できるというわけです。

つまり感動を生み出す商品提供を実現させるには、効率化ばかりがプラスになるわけではないというわけです。

一見、非効率であると見えることが、プラスの効果を生み出すことになるというわけです。

効率化ばかりがプラスになることはないという丸亀製麺の発想③【丸亀製麺の演出】


「効率化ばかりがプラスになることはないという丸亀製麺の発想」というテーマで3つ目に取り上げるのは「丸亀製麺の演出」です。

丸亀製麺が、ひとりの顧客に対し一杯のうどんを提供することは、効率性という意味からすれば、それは決して効率がよいものとは言えません。

むしろ非効率と言ってもいいでしょう。

単純にただ単に利益重視という観点だけで考えるならば、効率を上げることは、いくらでもできるのではないでしょうか。
前述したようにセントラルキッチンとマニュアル化することによって店舗運営をよりわかりやすくスムーズにすることはできます。

しかし、そこをあえてやらなければ、丸亀製麺の品質というのは保たれるわけではありません。

また丸亀製麺の店内というのは広く、湯気と熱気が常に立ち込めているような印象がありますが、これは本場「讃岐のうどん」を前面にアピールしたいからです。

つまり”うどん屋”という空間演出をあえて行っているというわけです。雰囲気そものから、うどんの美味しさに顧客を誘っているというわけなのです。

まとめ

いかがだったでしょうか。今回は「効率化ばかりがプラスになることはないという丸亀製麺の発想」というテーマで詳しく解説致しました。

丸亀製麺が目指しているのは、「おいしさ」を常に求めるということで、顧客に対して感動を与えたいというわけです。

効率化に対しての観点で考えるには非常に参考になるビジネスモデルとしてとらえてもよいのではないでしょうか。


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