現代ビジネスにおいてマーケティングは欠かせない業務となっています。
基本的なマーケティングなことがわかっているつもりでも、実はそれほど理解していない方も多数いらっしゃるのではないでしょうか。
というわけで今回は「企業においてのマーケティングの役割とは」について詳しく説明致します。
企業においてのマーケティングの役割とは①【マーケティングとは】
「企業においてのマーケティングの役割とは」というテーマで1つ目に取り上げるのは「マーケティングとは」です。
『企業における「マーケティング」の役割とは、なんですか?』と質問された場合に、的確に答えられる方はどれくらいいるのでしょうか?
漠然となんとなくわかっているようでも、言葉でちゃんと説明するのは、比較的難しいのではないでしょうか。
他人にわかりやすく説明する為には、しっかりとマーケティングが何であるかを理解しておく必要があります。
多くの人が、どこかの企業と繋がって仕事をしているのことがほとんどかと思われますが、現在の企業がどれだけマーケティングが重要で、密接な関係があるのか皆さんは実感していますか?
企業やビジネスだけでなく、日常においてもマーケティングは密接に関係しているのですが、日常の中では、一般の人がマーケティングを意識することもほとんどないのが現実です。
しかし、そんな現実の中でもマーケティングは、世の中に漂っています。漂っていると言うよりは、ビジネスにおいての中心と言っても過言ではないでしょう。
ビジネスには、売り手と買い手という2つの立場があります。
どちらもなくてはなりませんし、これが需要と供給を生み、取引や契約を行います。
その結果としての動きが経済活動というわけです。
売り手である企業は、買い手である顧客(消費者)に自社の商品を購入してもらったり、サービスを利用してもらう必要があります。
実際に顧客に商品を購入してもらうまでのプロセスは次のようになります。
- 企画
- 製品開発
- 生産
- 営業
- 販売
というプロセスが存在します。
マーケティングとは、これらの機能を統合する役割があります。
では、マーケティングが近年、企業にっとって必要とされている理由がわかりますか?
それは、思ったようには物が売れないからです。
消費者目線で考えればわかるのですが、大抵のものは、いつでもどこでも簡単に手に入ります。
そして世の中のあらゆる物から選び放題な状態なのです。
つまり、現代の世の中には、ありとあらゆる物が溢れています。
そのような状況だけに、他との差別化をはかるのは、非常に難しいことなのです。
その為に企業にとってのマーケティングというのは、非常に重要になっています。
企業においてのマーケティングの役割とは②【マーケティングの今と昔】
「企業においてのマーケティングの役割とは」というテーマで2つ目に取り上げるのは「マーケティングの今と昔」です。
現在は、ただ物を作って売ればいいという時代ではありません。
いくら優れた商品を作ったとしても、物が溢れた時代に埋もれてしまうことは、極普通なことなんです。
いくら企業が自信がある良い物だとしても、その存在を知ってもらわなければ、存在しないと同じことなのです。
遠い昔を振り返ると、物がない時代には、とにかく創れば物は売れるという時代もありました。
物がないのですから、物ができた時点でニーズはあるのです。だから売れた。
戦後の貧しい日本にもそんな時代はありました。
当時としての企業の役割としては、とにかく物を作ること、生産力をいかに高めるかに重点をおけばよかったのです。
つまり「売る」ことに関しては、企業は全く気にする必要もなかったのです。物さえ作れば勝手に売れていく、そんな時代でした。
このような状況であれば、マーケティング活動なんていりません。
生産すれば、勝手に売れるという意味では、当時のマーケティングのイニシアチブは、企業側にあったと言えます。
当時の「マーケティング」の定義さえも今とは、違っていました。
当時の企業のマーケティングとは、生産地から消費地に届くまでのサービス活動という定義でした。
つまりマーケティングの役割は、商品をどうやって消費者の元に届けるかを考えることでした。
企業の組織体制としても、マーケティング部など、存在せずマーケティング活動をリードしていくというような考えすらありませんでした。
それどころか、マーケティングという言葉自体も意識されていませんでした。
マーケティングを兼ねているのが主に営業部で、各部門がそれぞれの役割を担うという考えでした。
マーケティングのイニシアチブが売り手である企業側にあった昭和時代と現在では、条件が全く異なります。
現在のマーケティングのイニシアチブは、買い手である顧客側にあるのです。
物が溢れている時代、マーケティングの出発点となるのが顧客ニーズです。
マーケティングを仕掛ける側としては、常に顧客目線のスタンスで考えるようになります。
いかにして顧客ニーズを満たし顧客満足度を高めるかが重要なのです。
そのような時代の変化に応じてマーケティングの役割も大きく変わるのです。この先もマーケティングは、変わり続けます。
これまでと同じようなマーケティング戦略を続けていけば、すぐに時代遅れとなります。
現代マーケティングの役割というのは、イニシアチブがある顧客側のコントロールを可能とする機能を持つことです。
マーケティングというのは、企業と顧客を結びつけ、密接な関係性を構築する最適な活動を行う為のトータル的な役割なのです。
企業が市場に対して、そして顧客に対して行うべきこととは、顧客ニーズを満たしたサービスを企業全体で一貫して行うことです。
企業内の全ての機能、部門に対してマーケティングを意識させ徹底させることが重要なのです。
企業内のポジション的にもマーケティング活動をリードするマーケティング部門の役割とは、経営を左右する非常に大事なのです。
「マーケティング」の歴史と定義についてふれてみましたが、「マーケティング」という言葉そのものを考えた時、どこか漠然としてイメージが掴みにくい印象があります。
言葉の指し示す意味を深堀りすると「マーケティング」そのものの認識がこれまでとは、変わってきます。
マーケティングと類似のものとされることが多い市場調査や宣伝活動など、マーケティング=プロモーション活動と一緒にされる場合がありますが、これは違います。
リサーチやプロモーションといったものは、それぞれマーケティングの機能の1つであり、マーケティングそのものではありません。
それらの機能含め、マーケティングと考えるのが正解です。
企業においてのマーケティングの役割とは③【企業の存在意義】
「企業においてのマーケティングの役割とは」というテーマで3 つ目に取り上げるのは「企業の存在意義」です。
ここまででマーケティングの意味を理解していただけましたでしょうか?
では、次に企業の存在意義について考えてみましょう。
「企業」とは、いったい何でしょうか?
こう唐突に聞かれても、あまりにも一般的で意識することもなく、どこか漠然としたイメージがあります。
企業は、何の為にあるか?さらに誰の為にあるか?
それは、ビジネスの根底を考えればわかります。
前述したように、ビジネスとは契約であり取引です。
そして、ビジネスには、買い手と売り手の両者がいて、はじめて成り立ちます。
そして企業は買い手(顧客)のニーズを満たすことが仕事です。
つまり企業の目的は、顧客の創造を満たすことです。
顧客というのは、はじめから自分が欲しいものは、わかっています。
これは、はっきりしたイメージがあって、そのイメージに合うものを探し出すのです。
物が溢れた現在であれば、顧客がそのイメージを満たすには、スマートフォンで検索します。
数多い商品の中から、顧客ニーズを満たすのは、商品ニーズとクオリティ、そして販売価格や納期などの条件です。
これらの全ての条件が整ったところで顧客は、購入を決めるのです。
企業には、この顧客の潜在的イメージを探り出す必要があるのです。
例えば、たった1人の他人の考えやニーズを満たすことでも難しいのに、これが複数人の顧客となれば、さらに顧客ニーズを知ることは難しいと感じられるでしょう。
つまり、企業の役割とは顧客の潜在的なイメージを把握することが大切なのです。
最終的には、顧客に自社の商品やサービスを買ってもらい利益を上げることが企業の目的ではありますが、企業の存在意義とは、それだけではありません。
利益というのは、目的の1つではありますが、その目的の真意は、企業を存続させる為なのです。