イメージの共有というのは、他人と何かを共同で行う場合や、組織、団体を正しく機能させるためには、基本として大切なことです。
効率的にイメージ共有するためにモックアップがあります。
というわけで今回は「効率的にイメージを共有できるモックアップとは」について詳しく説明致します。
効率的にイメージを共有できるモックアップとは①【モックアップとは】
「効率的にイメージを共有できるモックアップとは」というテーマで1つ目に取り上げるのは「モックアップとは」です。
「百聞は一見にしかず」。
このような諺があるように、耳で何度も聴くよりも、実際に自分の目で見たほうが、何倍も早く正しく認識することができます。
耳で聴く言葉というのは、風に乗ってやってくるというように、あちらこちらから、自然となんとなく耳にすることが多くなります。
そういう意味では、言葉というのは実体のないものであり、信憑性というのは、疑わしいものがあります。
やはり、目の前で目にすることは真実なわけなのです。
全ての生産物というのは、無からはじまり、たった一人の誰かの想像や発想から、実際に現物として世の中に存在していくわけです。
商品やサービスなどのプロダクト開発においても全く同じようなことが言えます。
自分のアイデアを他人に伝える時、口頭であれこれ言うのは、最も手っ取り早いのですが、確実性がありません。
そんな時、口頭で伝えるより「モックアップ」を作ってしまったほうが確実でスムーズに物事が進む場合もあります。
「モックアップ」というのは、試作品のことであり、実際に物を作る前につくるものです。
幅広い業種で活用されています。
近年、需要の多いITの分野でもWeb、ソフトウェア、アプリ開発・製作においても、モックアップの作成工程が含まれていることが多いのです。
イメージの共有することは、実は非常に難しく、違う人の頭の中身というのは、全く考えていることが異なるのです。
全く同じ絵を描けるということは、はじめの段階では、非常に難しく、お互いに手探りの状況で物事を進めていくことになります。
やがて、工程が進むごとに明確には、なるのですが、制作過程でイメージを共有し、連携を高めていけば、クオリティが高く効率よく開発を進めていくことができます。
頭で考えた仕様やデザインというのを企画段階で、他人に伝えるのは、非常に難しく、認識のズレ、意識の齟齬を生みやすくなってしまいます。
そのような認識のズレをできるだけ、なくすためにも、まずは最初にイメージとしての「同じ絵」を頭に描けることが大切なのです。
やはり、視覚的要素というのは、非常に効果的なため、実際に目にできるということは、非常に大切なのです。
モックアップを使うことによって、デザインイメージ共有、方向性のズレを調整することができるのです。
モックアップの意味は「模型」です。
模型というイメージからすると、プラモデルやミニチュアなどのイメージがありますが、正にそのようなものです。
建築計画などを行う際に、実際の建物などのミニチュアを作成するなど、よく使われます。
今はまだ現実に存在しない模型を作ることで、大きさやデザインを確認することができる模型=試作品を作ります。
モックアップの1つとして、自動車のショールームにある実際には、運転することはできない実物大の模型がありますが、正にこれがモックアップの代表例となります。
機能性はなく、動きはしませんが、実際の大きさやデザインというのを認識することができます。
やはり、ミニチュアよりも原寸大のモックアップというのは、体感的な感覚が異なり、より意識として強く残ります。
自動車などについては、毎回実物を用意するにしても、コストがかさむわけです。代わりにモックアップを使うことにより、コスト削減にも繋がっていきます。
効率的にイメージを共有できるモックアップとは②【モックアップの有効活用性】
「効率的にイメージを共有できるモックアップとは」というテーマで2つ目に取り上げるのは「モックアップの有効活用性」です。
モックアップと言えば、建設業や自動車業界、製造業などハード機器や実際に物を生み出す生産業に用いられるものと思われがちですが、前述したように、ハードだけでなくソフトの世界でもモックアップは多用されます。
インターネットが発展してからは、ネットの世界でもモックアップは多用されています。
ホームページやアプリの製作というのは、非常に多いプロダクト制作の仕事であるのですが、顧客や消費者を引き付けるためのデザイン性を考慮する場合、やはり口頭での説明だけでは、事足りず、なんらかの目に見える形が必要となります。
モックアップを作成することにより、視覚的にダイレクトに訴えかけるこもとができるので、イメージの共有も簡単に行うことができます。
しかし、実際に全てのプロダクト制作においてモックアップの作成が必要かと言えば、決してそのようなことはありませんし、ケースバイケースではあります。
モックアップなど、作らず即、制作に取り掛かったほうが早いのではないかと思われる方もいらっしゃかもしれません。
モックアップは面倒だし、工程においては、遠回りではないかと思われるかもしれませんが、事前にモックアップを作成しておくことにより後戻りが少くなることは、確かなのです。
企画者と製作者というのは、初期段階からイメージが完全に一致していることなど、ほぼありません。
そこには、必ずイメージのギャップが存在しているわけです。
そのイメージのギャップというのが近ければ、近いほど、より良いものが作れますし、制作自体もスムーズに進みます。
また双方でイメージが共有できていれば、制作過程の段階で、確認しあいながら進めていくことが出来るので、途中での大幅な路線変更というのは、ほぼ起こりません。
つまり、制作過程の方向転換というリスクそのものを軽減できるというわけです。
これによって無駄な工程自体が発生しないという利点が生まれるのです。
モックアップと似たような言葉として、もう1つあるのが「プロトタイプ」です。
「プロトタイプ」とは、どのような意味なのでしょうか?
プロトタイプもモックアップと同じで、試作品を意味します。
違いとしては、モックアップより、プロトタイプのほうがより実物に近い形のものとなります。
モックアップは完全に表面上の見た目的な部分やデザイン性を確認するための模型であって、プロトタイプというのは、そこに機能性をもたせたものになります。
つまり、プロトタイプは動く機能を盛り込んで居るというわけです。
実物(完成品)により近いものがプロトタイプと言います。
モックアップはビジュアル的なものであるので静止しています。
それに対しプロトタイプは機能が含まれているので動的となります。
この違いを明確に覚えておくには、静的なのがモックアップ、動的なのがプロトタイプ、と覚えていきましょう。
ビジネスシーンでも、よくこの2つの言葉は登場しますので、混同しないように明確にして使い分けたいものです。
効率的にイメージを共有できるモックアップとは③【モックアップを作成する具体的メリット】
「効率的にイメージを共有できるモックアップとは」というテーマで3つ目に取り上げるのは「モックアップを作成する具体的メリット」です。
モックアップを作成するメリットについて、より具体的にお伝えしていきます。
ポイントは2つあります。
1. イメージしやすくなること
企画段階においてプレゼン用の資料や、事前打ち合わせのドキュメントなどは、作成することが多くミーティングなどの材料となります。
文章や口頭での説明というのは、実際にはイメージしにくいこともあり、打ち合わせの回数も段階をおって行っていく必要性があります。
例えば、ある物を全く知らない人に対し、それがどういうものか口頭で伝えるには、その物の特徴をいくつか伝えてあげる必要があります。
色や形、大きさなどを伝えても、相手がそれを知らないならば、頭の中で同じ絵を書けるというメリットはありません。
そのようなケースであれば、モックアップを直接見せれば、それで済むわけです。
2. リスク回避
制作工程の初期段階で、モックアップを作成し共有しておくことにより、この後、工程が進んでいく中で大胆な方向転換をするというリスクを軽減できます、
モックアップを作成することによって、認識のズレや勘違い、齟齬を減らすことができます。
リスクが生まれてしまうのは、相手とのコミュニケーション不足が問題だったりします。
仕様変更による余分なコストや工数の発生を回避させるという意味では、モックアップを使うことは、効果的です。
具体的なモックアップのメリットを下記にまとめました。
- 完成形を視覚的に表現可能
- 課題の可視化
- 大胆なリスクを回避
- 大幅な計画の見直しを軽減できる