餃子とラーメンが手軽に食べれる店として人気なのが「餃子の王将」です。全国チェーン展開する人気店ですが、どの店舗に行っても安定した餃子を食べれるのがチェーン店の強みです。
そんな「餃子の王将」がこれまでにないスタイルの店舗をオープンさせました。今回は、新たな戦略に挑んだ「餃子の王将」にスポットをあて、その経営戦略を徹底解剖致します。
「立ち食い」のみの新業態店舗をオープン
安くて美味しく、焼き立ての餃子が食べれるのが「餃子の王将」です。全国チェーン展開する庶民の中華を提供する大手外食産業となります。
景気に左右されやすい外食産業において生き残りをかけた「餃子の王将」の新たな経営戦略が話題となっています。
今回、「餃子の王将」が仕掛けた新戦略とは、これまでの店舗にない新たなスタイルを投入したことてす。新業態の店舗スタイルとは「立ち食い」のみの店舗スタイルです。
これまでの「餃子の王将」には、立ち食いスタイルの店舗は、存在しませんでした。ラーメンや餃子を提供するお店での「立ち食い」スタイルは、ほとんど聞いたことがありません。
「立ち食い」と言えば、普通は「そば」が定番とされています。ラーメン店での立ち食いスタイルは、駅中にあるお店くらいで、一般的には座席があるのが定番となっています。
そんな常識を覆すような、新スタイルの店舗を既にはじめた「餃子の王将」の狙いとは、いったいどんなものなのでしょうか?
「餃子の王将」を運営している企業は「王将フードサービス」。
新業態の立ち食いスタイルのお店は、「餃子の王将 Express アトレ秋葉原店」となります。日本が誇る世界の電脳都市「秋葉原」は、近年再開発が進み、JR秋葉原駅周辺を中心とし以前とは全く違う新しい街となっています。「秋葉原」をいつでも多くの人が行き交う街です。
そんな秋葉原にオープンした新スタイルの立ち食い店舗は、わずか14.1坪という狭さで、およそ20人弱しか入店できないお店となっています。
店舗内には、椅子は1つもなく完全立ち食いスタイルのお店となっています。
これまでの王将には、全くないスタイルの新店舗で全てのことが新しいチャレンジとなったのです。
なぜ「立ち食い」スタイルに王将はチャレンジしたのか?
気になるのは、「王将フードサービス」がなぜ「立ち食い」スタイルの新たなスタイルのお店にチャレンジしたのか?ということです。
「餃子の王将」の立ち食い店舗は、そのスタイルの斬新さから、多くのメディアでも取り扱われ話題となっています。
今回、立ち食いスタイルにチャレンジした理由は、「そこにニーズがあるから」ということです。
「餃子の王将 Express アトレ秋葉原店」の立地条件は、JR秋葉原駅に直結しているということです。
つまり、電車を利用する顧客をターゲットとしたのです。電車の乗り換えの間にささっと食べたいとか、小腹満たしに短時間で食べたいという人のニーズがあると見込んだからです。
確かに現代人は、何かと時間に追われ忙しい日々を送っています。ネット社会全盛となった現代では、時や場所を選ばず、どこにいてもビジネスをすることができます。そんな時代のニーズがあると「餃子の王将」は、判断したからです。
これまでも、駅チカに店舗を構えていたお店は、いくつもありますが「クイック性」に特化した店舗は、ラーメン店では確かに少なかったのかもしれません。
「立ち食い」スタイルに合わせた新たな営業戦略
今回の「立ち食い」スタイルという新たな店舗業態を始めるにあたり、「餃子の王将」は新スタイル用の営業スタイルを作りだしたそうです。
クイック的な顧客のニーズに応えるには、スピードが勝負となります。オーダーを受けてから料理を提供するまでの時間をスピーディーに対応する為、メニューも検討したようです。
これまでの新店舗には、存在しない「立ち食い」スタイル店舗用の新メニューも追加したそうです。メニュー数に関しては、通常店と異なり限られたメニュー数に絞られており、わずか10種類程度と限定されています。
「餃子の王将 Express アトレ秋葉原店」で提供されるのは、ギョーザ、かき揚げ丼、ラーメン、から揚げなどの定番メニューとなり、ニラレバ、チリソースなどの鍋料理はメニューからは除外されています。
つまり、調理に時間のかかるメニューは、ここではあえて外しているのです。さらに多くの売上が見込まれるラーメンに関しても対策を施しており、麺のゆで時間を短縮する為、麺を通常よりも細くしているという工夫がされています。
このように無駄を省くことにより、クイック性とスピード力を高め、顧客の回転率を上げることによって狭い店舗を活用し、売上を獲得するという営業戦略を展開しているのです。
「立ち食い」スタイルの店舗は、まだはじまったばかりですが、今後どのように発展していくかは、注視する必要がありそうです。