企業にとって時代のニーズに合わせるという変化は、非常に大切なことになります。
改革としてのビジネス戦略としてリブランディングがあります。そんなリブランディングを成功させた企業がオルビスです。
というわけで今回は「リブランディングを行ったオルビスのビジネス戦略」について詳しく説明致します。
リブランディングを行ったオルビスのビジネス戦略①【オルビスが行ったリブランディングとは】
「リブランディングを行ったオルビスのビジネス戦略」というテーマで1つ目に取り上げるのは「オルビスが行ったリブランディングとは」です。
化粧品メーカーであるオルビスが具体的にリブランディングを企業全体で行ったのが2018年のことになります。
オルビスが創業したのは1987年。
カタログ中心の通販会社のパイオニア的存在として、これまで成長してきました。ビューティーブランドとしての地位を築いてきたオルビスが顧客との関係性をより強固にし長期的な関係性を構築するブランド作りを具体的に行ってきています。
そもそもリブランディングというのは、大胆に変えていくという意味ではありません。
むしろ変化より原点回帰といったところが正しいのです。
リブランディングを明確に進めてきたオルビスでさえも、自らの取り組みがはたして正しいかどうかを確信を持つには自信が持てなかったということです。
というのも、リブランディングを行った場合に既存の顧客がはたしてついてきてくれるのか?という不安要素が常に付き纏っていたということなのです。
リブランディングを行った結果として、既存客がリブランディングを理解し、ついてきてくれるのか?これまで培ってきたことが否定されないだろうか?という感覚もあったのは事実なのです。
リブランディングとは、これまでとは全く違うことをやるということとは違い、原点に立ち返り、強化していくということをオルビスは再認識したということです。
リブランディングを行ったオルビスのビジネス戦略②【リブランディングは変革ではなく原点に戻ること】
「リブランディングを行ったオルビスのビジネス戦略」というテーマで2つ目に取り上げるのは「リブランディングは変革ではなく原点に戻ること」です。
では、具体的な取り組みとしてオルビスが実際に行ったのは、どのようなことか?と言えば、例えば商品企画部としては、創業当時からのカタログを洗い出しを行い、まずは自社の社員に見せることでした。
これは、顧客側の意見をまず、取り入れるよりも、まずは自社の社員が現状を知り、今の自社の価値を把握していくというものでした。
オルビスが2018年から提示している「スマートエイジング」という具体的な提供価値があるのですが、これが実は創業当初から全くぶれていないことが明確に示されています。
そのような様々な取り組みを行った上で、オルビスは創業以来「肌本来の力」というものを信じ、さらにそれを最大限に引き出していくというビューティーブランドとしての価値があるのです。
「スマートエイジング」という具体的な提供価値があることを全ての顧客にまずは知ってもらい理解してもらうことにより、繋がりを感じてもらうということが何よりも大切であると認識してもらうように徹底したのです。
その結果として開発し2018年に発売した「オルビスユー」の売上が成果としてついてきたことにより、リブランディングの成功に確信を持てたというわけなのです。
では、2018年のリブランディング以降のオルビスは、組織としては、具体的には、何がどう変わったと言えるのでしょうか。
オルビスは、「美」を追及する美容メーカーであるということは、誰もが認知していることではありますが、その一方で、実はデータマーケティングにも非常に強い企業としての一面もあり、それを強みみとして成長してきた企業でもあるのです。
これまで企業内に蓄積されたデータを上手く活用することによって、企画、開発、文化などを判断し構築していくという強みがあったのです。
しかし、一方ではデータマーケティングに頼り過ぎることでのデメリットというのもあります。
確かにデータというのは、非常に大事です。
数値は、裏切りませんし、物事を判断する基準となりえます。データを可視化することにより的確な判断ができ、効率的且つ合理的な手法となります。
ですが、その反面数値ばかりに頼り過ぎると、柔軟な思考が失われ、新たなチャレンジができなくなります。
そこでオルビスが実際に行ったのは、自然と新たな挑戦が生み出しやすい組織作りというものです。
2018年以降、第二創業期として「オープンマインド」と「未来志向」という2つの具体的キーワードを掲げてきたのです。
オルビス社内でも明確に改革を行ったことにより、当初は反対意見や不満要素を持つ社員も少なくありませんでした。
そんな組織改革をリードしていったのは、HRであり社員の行動指針を変え、浸透させることにより、組織の空気感から変えていったのです。
また社員の評価体制自体を変えていったことも非常に大きいのです。
つまりオルビスが行ったリブランディングというのは、ブランド力そのものを変えていったというよりも、組織自体の体質を変化させていったことになります。
改革以前のオルビスは、効率優先の縦割り組織であり、他部署との連携も不足がちで、作業を淡々と行っていくというような企業体質でした。
それが、「スマートエイジング」という提供価値を提示することにより新たな取り組みが生まれるようになったのです。
リブランディングを行ったオルビスのビジネス戦略③【オルビスが目指す未来】
「リブランディングを行ったオルビスのビジネス戦略」というテーマで3つ目に取り上げるのは「オルビスが目指す未来」です。
オルビスが目指すべき、企業としての未来とは、いったいどのようなものなのでしょうか。
今後のオルビスのビジネス戦略としては、ブランドの未来は、多様化するニーズに対してどのように対応していくかという現実的課題に取り組むということです。
多様化するニーズに応えるということは、顧客1人1人のニーズに向き合い応えていくということが大切になるわけです。
これは企業としては、非常に大きな取り組みであり、今後のマーケティングに対する答えとして、非常に大きな意味を持つ取り組みと言えます。
本当の意味での多様性を実現するためには、どのようにすればよいのか?
企業として、やはり大切になるのは、社員一人ひとりの資質というものを大切にし、それを最大限に上手く活用するということです。
つまり、社員の個性を最大化できる組織体制をまずば、組織として整えるということなのです。
そんなオルビスが具体的に掲げるのが「スマートエイジング」です。
これをリアルに体現する企業として、世の中にアピールできる組織としてブランドイメージを進化させているのです。
企業としては、常に挑戦し続ける存在として、人やブランドともに進化し続けていくことこそが、オルビスという企業なのです。
企業には多様性な人材が存在することにより、様々なシナジー効果が企業内に生み出され、その結果ブランドとしての価値を最大化できるという考え方に基づいています。
多様化する時代において多くの選択肢の中から、選ぶのは顧客自身です。
市場や顧客から選ばれる「ビューティーブランド」としての明確な目標があり、企業としては、そこを目指しているのです。
オルビスの今後のビジネス展開としては、「スマートエイジング」というコンセプトの上で、顧客1人1人が抱える課題や問題、悩みなど顧客ニーズに寄り添っていく商品開発を行い、その上で顧客にとっては有意義になる顧客体験の感覚を提供していくことを望んでいるのです。
2021年にオルビスが新規事業開発グループを創設しましたが、これが具体的なオルビスの顧客ニーズに合わせてた時代へのビジネスアプローチの答えです。
「未来の価値を創る」という明確なコンセプトは、企業の未来に向かっての明確な方向性であります。
スキンケア、化粧品という市場というのは、既に成熟している市場と言えますが、既存の経営資産にとどまることなく、多角的な視点で顧客ニーズに対応するということが非常に大切なのです。
「スマートエイジング」という1つのコンセプトに基づき、共感者を増加させることにより、顧客一人一人が満足し、自分自身が自分らしく生きられる社会の実現という非常に大きなテーマに向かっているのです。
そのためには、まずは消費者にわかりやすくするために、商品やサービスがリードし、新新規事業開発グループを創設しというわけです。
これにより顧客としては、企業の明確な意思表示を受け取ることができ、消費者として幅広い選択肢の中から価値観をさらに広げられれば、よいのではないでしょうか。
企業がリブランディングをし、時代にマッチしたビジネス戦略を明確に示すことが、顧客からの評価を高めてくれるのです。