ビジネスというのは、全てが思うがままにうまくいくわげてはありません。
成功の影に失敗は付き物ですが、失敗例を学ぶこによりビジネスを成功に導くこともできます。
そんな失敗をした企業にリンガーハットがあります。
というわけで今回は「失敗から学ぶリンガーハットの経営戦略とは」について詳しく説明致します。
失敗から学ぶリンガーハットの経営戦略とは①【コロナ禍という状況が与えた影響】
「失敗から学ぶリンガーハットの経営戦略とは」というテーマで1つ目に取り上げるのは「コロナ禍という状況が与えた影響」です。
人は失敗からいったい何を学ぶのか?
失敗することが決して無駄というわけではなく、失敗したとからこそわかることも数多くあるのです。
要な失敗を失敗のままに終わらせるのではなく、その失敗をいかに成功へと転換することができるかによるのです。
ただ、失敗を失敗のままで終わらせては全く意味がないのです。
マーケティングやビジネス理論を学ぶ上では、成功例ばかりに着目してしまいがちですが、決して成功事例ばかりではなく、失敗から何かを学ぶということも大切です。
そんな失敗事例の具体例として、とりあげるのが「リンガーハット」です。
ご存じの方もいらっしゃるかと思いますが、一度でもリンガーハットのちゃんぽんを食べたことがある方ならっ、おわかりかと思いますが低価格で安定の美味しいちゃんぽんを提供している企業として知られています。
「ちゃんぽん」と言えば、本場は九州は「長崎」となりますが、リンガーハットは、そんな長崎ちゃんぽんチェーンを全国展開しています。
「長崎ちゃんぽん」を売りにはしていますが、リンガーハット自体は東京に拠点を構えています。
実は、メイン商品の有名所となる土地の企業ではないという事例が数多くあります。
リンガーハットと同じく大手外食産業チェーンとして名をはせる、「丸亀製麺」もうどんの本場、四国は丸亀市を拠点としているわけではなく、こちらも東京に本社を構えています。
「丸亀製麺」についても全国チェーン展開をするビジネスモデルとしては、非常に参考にすべき点がありますので、また別の機会に取り上げてみます。
さて、話しをリンガートハットに戻しましょう。
「リンガーハット」は、はたして儲かっているのでしょうか?
近いところの経営状況を見てみると2021年2月期決算で公開されたのは、当期純利益が87億4600万円の赤字となりました。
これだけの赤字というのは、実は「リンガーハット」がはじまって以来の最大のものとなります。
この要因については、時期的なところも多いに関係していますが、皆さん、ご察しの通り、コロナ禍による影響です。
これまでにないほど、飲食業界全体は苦境に立たされ、営業そのものを制限されるなど非常に厳しい立場に追い込まれたのです。
「リンガーハット」以外の各企業も非常に痛い目にあったのですが、組織として成立している企業は、店舗の縮小、統合、閉店など施策を行ったとしても、チェーン店としてのほとんどが現在でも生き残っているわけです。
しかし、多くの個人経営店などは、営業を持続する体力がなく廃業に追い込まれたケースも非常に多かったのです。
失敗から学ぶリンガーハットの経営戦略とは②【人流の変化】
「失敗から学ぶリンガーハットの経営戦略とは」というテーマで2つ目に取り上げるのは「人流の変化」です。
コロナ禍による最大の要因というのは、はたしてなんだったのか?
それは、「人流の変化」となります。
これまでの平常時であれば、人の流れというのは、ある程度のパターンがありました。
平日ではオフィス街に人が流れ、休日には大規模ショッピングセンターや繁華街などへの人の流れが主なものでした。
この「人流」が遮断されてしまったことで、リンガーハットにもダイレクトに影響を受けたのです
では、リンガーハットの具体的な戦略的な問題点とはいったい何だったのでしょうか?
それは、「集中的な出店戦略」です。
正にこれがコロナ禍という状況に被り戦略的アプローチが裏目に出てしまったという格好となったのです。
もちろん飲食関連全般において、コロナ禍による影響というのは、多かれ少なかれ、どこの企業も影響を受けました。
が、中でもリンガートハットはモロに打撃を受けたことにより大幅な減収減益となったのです。
世の中が瞬く間に「ステイホーム」という概念にシフトしたことにより、「巣ごもり需要」のニーズが高まったのです。
各飲食業界は、テイクアウトやデリバリーを強化をしたものの、コロナ以前の売り上げをリカバリするところまでには、至らなかったのです。
コロナ禍で激変した「人流の変化」。
これに対応することが、どの企業に対しても与えられた課題となったのです。
特に小売業や飲食業など直接、顧客と関わる業界にとっては、ビジネスフローそのものを見直す必要があるのでした。
主な施策としては「外販の強化」というのは、ごく当然のように各社で行われましたが、リンガートハットが課題として取り上げたのは、「出店エリアの再考」、そしてDXの推進です。
リンガーハットの商品がそもそも顧客から評価されていないのか?ということでは決してなく、むしろコロナ禍による「巣ごもり需要」による伸びしろというのは非常に大きいのです。
しかし、これまでリンガーハットが実店舗を拡大路線による販売戦略の基本は、来店型の店舗であり、お店でベストな状態でちゃんぽんを提供するということでした。
確かに、数多くのラーメン店も同様で、基本的に汁ものの提供は、店内で調理し提供するというスタイルが定番でした。
しかし、「巣ごもり需要」となれば話しは違います。
外に出られないからこそ、これまで何の迷いもなく外で食べられたものをテイクアウトでも、人は食べたいと思うものなのです。
同社の主力商品となる長崎ちゃんぽんや皿うどんなども冷凍食品として販売することで新たな販路を開拓しているのです。
これらの取り組みそのものは顧客からも高評価で、売り上げ的には着実に伸びているのです。
品質そのものには自信を持っている同社は、EC経由での販売も積極的に行っているのです。
今後はさらに各店舗や量販店での販路拡大などを目指していき、これまでの出店戦略からは舵を取り直したことが明確に伝わってくるのです。
失敗から学ぶリンガーハットの経営戦略とは③【復活のシナリオとは】
「失敗から学ぶリンガーハットの経営戦略とは」というテーマで3つ目に取り上げるのは「復活のシナリオとは」です。
コロナ禍という状況を鑑みても、それまでの同社の戦略的アプローチというのは、思惑通りには行かず時代のトレンドとは全くかみ合わなかったことと言えますが、当然このままでよいわけではなく「ポストコロナ体制」というのを確立する動きがはじまっているのです。
具体的にリンガーハットが起こっていることとは、いったい何なのか?
まずは「生産性の向上」があります。
同社に限らず近年では、少子高齢化による労働人口の減少から、DX(デジタル・トランスフォーメーション)の推進というのが行われていますが、同社においても積極的なDXの推進をこれまで以上に高めていったのです。
DXを推進することによって、大幅なコストダウンをはかろうというものです。
特に人件費の大幅圧縮という点において注目し、生産性を向上させたいという狙いがありました。
またDX推進に留まらず、大幅な店舗削減を実施したことにより、現実的な人件費の圧縮を突き詰めていくことになったのです。
DX推進の具体例としてAIによるデータ解析により、在庫確認・管理、売上予測を行うことにより徹底したロスの最小化。これにより結果的には各スタッドの作業負荷を軽減し、生産性の最大化を図ることを目標としました。
またこれまでの戦略展開の主流であったリアル店舗の出店計画を見直しというのは同社が掲げる巻き返し戦略としては、これまでの失敗例を率直に受け入れた姿勢の現れといえるのではないでしょうか。