旅行やドライブでのお立ち寄りスポットとしての役割も果たす高速道路のオアシス「サービスエリア」。人気のサービスエリアには多数の人が訪れます。
というわけで、今回は「サービスエリア」の営業戦略について触れてみます。
人気スポットとなったサービスエリアの魅力。
ビジネスチャンスというのは、実はあらゆるところに転がっているわけで、サービスのクオリティや集客アプローチを少し変えるだけで予想以上の効果を上げることができます。
新ビジネスへのアプローチは、何も全くの新規事業である必要もなく、既存の仕組みやサービスを見直すことにより活性化させ、再生させることも可能なのです。
そんな変化がきっかけで存在価値を高めたのが、「サービスエリア」です。
ハイウェイオアシスと言われるドライブの休憩スポットというのが本来の役割です。皆さんも一度はサービスエリアを利用されたことがあるでしょう。
そんなサービスエリアの存在価値は、数年前より高まっており、単なる休憩所というだけでなく、旅のお立ち寄りスポットとしての存在価値が高まりました。
日本一の集客率を誇る人気サービスエリアとして有名なのが、東名高速道路の神奈川県海老名市にある「海老名サービスエリア」です。
「海老名サービスエリア」は、上下線共に集客率が非常に高く、上下線合わせて1日の利用者は約10万人という人気ぶりなのです。
この集客率は、驚きの数値でビジネス市場としては、素晴らしい場所と言えるでしょう。
顧客そのものが常に安定しているので1年を通じて閑散期がほぼなく、テナント出店している小売業などは安定的収入を予測でき、出店の際のリスクが低いのです。
「海老名サービスエリア」の集客率は、日本一であるのは当然ですが、これは世界一の水準とも言えるでしょう。世界にも例をみない「海老名サービスエリア」の魅力は様々あります。
連休などの直前には、テレビの情報番組などで、海老名サービスエリアの中継や紹介、グルメ特集なども行われるなどメディア展開も派手に行われる影響もあり、多くの人を呼び込むのです。
もちろん、「海老名サービスエリア」の集客率、人気の高さは、人を惹き付ける魅力だけでなく、人口が多い首都圏からの人が通過するポイントとしての立地的条件も要素の1つとなっています。
これだけの集客率を誇るサービスエリアはマーケティング的な観点から見ても非常に興味深い素材となり、ビジネスモデルとして参考になる点が多々あります。
なぜ、サービスエリアの存在価値は上がったのか?
そもそもサービスエリアと言えば、トイレ休憩や給油や、食事、お土産を買うというイメージでした。
現在ではグルメ特集がメディアで報じられるなど、単なる休憩所としてだけではなく人気スポットとしての付加価値をつけた観光スポットという認識に変わったのです。
「休憩所」から「人気スポット」としての存在価値の変化を成し遂げた理由は、いったい何なのでしょうか。
その理由は、いくつもありますが、その理由を知ることで、「サービスエリアの経営戦略」を知ることができます。
では、ここからは具体的にサービスエリアの存在価値を高めた理由のポイントを解説していきます。
1. コンセプトを持った運営
サービスエリアの運営というのは、実は各サービスエリアによって経営母体がそもそも全く違うのです。その為、各サービスエリアによって特色が全く違うのが、そのせいです。
確かに全てのサービスエリアの運営が統一されており、フランチャイズ化されていれば、何処によっても雰囲気は変わらず安定的な効果を生み出すかもしれません。しかし、それでは全く面白みがありません。
経営母体が違うからこそ、各所でオリジナリティあるサービスエリアを作ることができるわけです。
サービスエリアは閉鎖空間という特殊な条件がある中で各サービスエリアは、売上を伸ばそうと必死になっています。その為、他との差別化をはかり特徴を作り、顧客に対してインパクトのあるサービスエリア作りを意識しています。
つまりドライブプランをたてる段階から、あのサービスエリアには必ず立ち寄ろうと最初から組み込まれるようなサービスエリア作りに努めているということです。
実際にサービスエリアの中では、活況なところとそうでないところとの差が激しく、厳しい競争が行われています。
そんなことから、各サービスエリアは独自のコンセプトを明確に持ち、顧客にとって価値の高い場を提供しているのです。
2. 地域密着
次に上げられるのが「地域密着」です。独自の運営母体が経営し特色のある場を提供しているサービスエリアは、地元と連携し地域の特色を前面に出しています。
その地に行かなければ買えない物、特産品、お土産、名物などをプッシュし、徹底的に地域密着に徹しています。
これは、顧客の立場からしても、もっともなことで、旅に出かければご当地グルメや珍しいお土産などを欲しがるのは、当然だからです。
3. 設備の改善
サービスエリアに気が付くのが、「トイレのキレイさ」です。サービスエリアで必ず利用する「トイレ」をキレイにリニューアルすることで、ドライバーや利用者に気持ちよく使ってもらう為です。