少子高齢子、晩婚化、未婚化など様々な問題を抱える現代日本。時代のニーズと人々の考え方、価値観によって人間の関係性、家族という形も変わってきます。
そんな中、様々なライフスタイルの変化によってマーケティングへの影響は、どのようなものがあるか今回はまとめてみました。
「結婚」とは、そもそも何なのか?
皆さんは「結婚」について、どう思われますか?「結婚」とは、いったいなんでしょうか?そもそも「結婚」とは、人間が取り決めたきまりであり「契約」です。
書面にて交わす契約であり、『人と人との関係を法的にも公的にもはっきりさせるもの』これが「結婚」ではないでしょうか。
言ってみれば、紙切れ一枚だけの関係と言えば、それだけですが、社会で生活する以上この紙切れ一枚の契約が様々なところで効力を発揮します。そして結婚は、様々なところで拘束されるのです。
このような他人同士を家族として公然と認識させる為のルールである「結婚」そのものに対する価値や考え方は、以前とは随分変わってきました。
その影響もあり、日本社会の問題となっている少子高齢化へと繋がっているのです。結婚に対する価値観が変わったのは、何も現代に生きる人間の感覚だけではありません。
結婚への意識の変化は、社会的構造の変化や環境面の変化が大きな影響を及ぼしています。さらに家族の形そのものの変化とも関係しています。
どこに価値感を見出し、生きていくかということは個人によって全く違います。結婚をして出産、家族を作り子育てをするというような、これまでの当たり前の「幸せの形」を求める人ばかりではなく、自分の意思に基づき、そして自分中心で生きていくという選択をする人も増えているのです。
その為、家族に憧れるということはなく、家庭を持つより自分のこと、自分の人生を楽しみたいという考え方も増えています。そのようなことから、未婚率が増加しています。
変わる「結婚感」
上記のように「結婚」への価値観や意識は、変化している現在においても結婚する人はいるわけで、する人はする、しない人はしないと考え方や生き方は、それぞれ違っています。
一生未婚のままの方も増加していますが、未婚率だけでなく離婚率もかなり多いのです。離婚については、もはや当たり前のようになっており、スピード離婚も多いようです。
さらに驚くのは、離婚率だけではなく再婚率も増加しているのです。この再婚率の増加というのは意外なこととして感じられるかもしれません。
ビジネス的にみれば、非常にニッチな側面がありビジネスチャンスの可能性もあります。離婚率の多い時代の今、なぜ再婚率も高まっているのでしょうか?マーケティングの観点からみても非常に興味深いところです。
増加する再婚率ですが、具体的にはどのくらいなのかと言えば、結婚の全体の約1/4の結婚が、なんと再婚ということなのです。
しかも離婚後5年未満の再婚率は非常に高く、当たり前とも言えるような状況となっているのです。多様化している結婚のスタイルを知ることができます。
「再婚率」の増加が意味することとマーケティングとの関係
再婚率のデータをまとめてみると1968年は11%。これは戦後間もないことから混沌とした時代背景があり、戦争未亡人が存在したからです。
この時の再婚率は最低ラインとなり、それ以降の再婚率は増加の一途をたどり、現在は27%といところで落ち着いています。
未婚率、離婚率の増加ばかりが取り上げられている一方で1/4の再婚率は、話題になるのも当然です。これだけ大きな割合であることに驚いた方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。
もちろん、再婚についての意識は、男女で異なります。再婚の男女比のデータは、男性20%、女性17%。男性のほうが若干高めですが、この割合は以前から変わらないようです。
再婚は、再婚同士な再婚、初婚と再婚での再婚など、夫婦によっても実に様々です。
どちらかというと、よく取り上げられている離婚率の増加ですが、その影に隠れて再婚率も注目されるようになった要因として「再婚」に対する考えの変化があったからでしょう。
人生においての再スタートである「再婚」は、もはや当たり前でありポジティブなことという認識が高まったこともあります。
また1つには少子高齢化の打開策として、家族を作ることの良さが提示されるような時代がくるかもしれません。国を上げての様々な取り組みや制度改正は、各企業の経営戦略にも必ず反映されます。
今また変わろうとしている「結婚」への常識は、既に過去のものになろうとしています。
昔ながらの考えやスタイルに縛られることなく前向きでポジティブな意識が日本社会を大きく変えるのではないでしょうか。
離婚に比べて明らかにポジティブ要素が強い「再婚ブーム」を作り出すことにビジネスチャンスとしての可能性を感じずには、いられません。