変わるもの変わらない物、世の中には、様々あります。老舗と言われるように長い間同じビジネスを守り続けている企業もあります。
しかし、変化の激しい時代において、積極的に変っていく企業もあります。そんな企業が「ワークマン」です。
というわけで今回は「ワークマンのブランドマーケティング戦略」について詳しく説明致します。
ワークマンのブランドマーケティング戦略①【新たなビジネスフォーマット】
「ワークマンのブランドマーケティング戦略」というテーマで1つ目に取り上げるのは「新たなビジネスフォーマット」についてです。
物と情報があふれる時代において、新たな物を生み出すことは、非常に創造力がいり難しいこととなっています。
しかし、そのような状況であっても、新たな物やサービスというのは、次々と生み出されるわけで、世の中のトレンドというのは生み出されています。
そんな時代だからこそ、企業にとっては、マーケティングというのは非常に大事になってくるのです。
売るための物を作り上げるための要素として、マーケティングはもはや必要不可欠なものとなっています。
そして日夜様々な企業が努力を重ね、新たな製品やサービスを生み出しています。
数ある企業の中で今回、注目するのが「ワークマン」です。
「ワークマン」と言うと、非常にピンポイントなターゲットに対しての商品を提供している、そんなイメージがあります。
「ワークマン」と言うと、その名の通り作業服に目を向けた商品開発を行ってきました。
ワークマンとしての歴史は40年間以上という長きにわたっています。
作業服の個人向け市場の中で、業界内でのポジションを確固たるものとしてきました。しかし、そんなワークマンでも店鋪数には限界を感じていました。
というのも、小売業にとって脅威となったのは、ネットショップなのです。
Amazonや楽天など大手ショッピングモールは、いつでもどこでも購入でき、様々な商品が取り揃えられていることから、どんなにニッチな商品を取り揃えていても、影響はかなり受けるのです。
ネット小売業に勝とうとするのは、やはり並大抵ではなく非常に難しいのです。
そこでワークマンが打ち立てた新たな戦略というのは、新たなビジネスフォーマットの確立でした。
ワークマンのブランドマーケティング戦略②【WORKMAN Plusという違った形】
「ワークマンのブランドマーケティング戦略」というテーマで2つ目に取り上げるのは「WORKMAN Plusという違った形」についてです。
これまでのワークマンのスタンス、そしてカラーと言えば「ニッチ」なものに目を向けてきた姿勢です。
作業服という観点から「職人」を常に意識してきており、ワークウェアとして、これまで370万着も生産してきました。
ワークマンの特徴としては、作業着という観点だけでなく低価格が非常に魅力でしたが、そんな働くプロフェッショナルなための作業着から一転、一般消費者向けのカジュアルウェアの販売へと舵をきったのです。
これまでニッチな世界を追求してきたワークマンが新たに立ち上げた新ブランドが「WORKMAN Plus(ワークマンプラス)」です。
「WORKMAN Plus(ワークマンプラス)」は、新業態としてアウトドアウェア商品を展開する新たなブランドとして登場しました。
「WORKMAN Plus(ワークマンプラス)」を新たに展開してから2019年5月末時点での国内店鋪数は840店舗。
店鋪数そのものは、なんとあのユニクロを追い抜く店鋪数を達成し、一般的な認知度も非常に高まったというわけです。
SNSマーケティングもマーケティングの手段として非常に大きな効果ありますが、WORKMAN Plus(ワークマンプラス)は、インスタグラムでも話題となるほどです。
インスタグラムと言えば若い世代、特に女性からの圧倒的な支持を集めています。
インスタグラムマーケティングにて重要なのが「ハッシュダグ」ですが、「#ワークマン女子」というハッシュタグが発生するほどの人気ぶりとなっているのです。
数年前であれば、ワークマンと女性との関連性など、全くイメージできませんでしたが、インスタグラムと関連つけられていることから、浸透度はなかなかのものがあります。
ワークマンというブランド名は、直訳すれば、皆さんおわかりですよね。
そう、「働く人」なんです。
つまり働く人のための、働きやすい服を提供しているわけです。
もっとさらに噛み砕いて言えば、動きやすい=働きやすい服を作業服または作業着と言います。
これは、一つの定義であり、ニーズそのものなんです。
作業服には、必ずニーズがあります。世の中に仕事というものがなくならない限り「ニーズ」は、絶対尽きることはありません。
ワークマンのブランドマーケティング戦略③【マーケティングリサーチの必要性】
「ワークマンのブランドマーケティング戦略」というテーマで3つ目に取り上げるのは「マーケティングリサーチの必要性」についてです。
では、作業服という確固たる自社のポジションがあったワークマンがなぜ、新たなブランドを展開しようと考えたのでしょうか?
それは、「ワークマン」だからこそなんです。
「ワークマン」だからこそ、気が付いた「気付き」が、そこにあるからです。
ワークマンは、わかっていたのです。
それは何か?
「作業服市場への限界」というものを理解していたのです。
この「気付き」は、企業にとっては必要なことなんです。
なぜなら市場における自社の立ち位置を知るということは、とても大切だからです。
マーケティングにおいても全く同じことが言えます。マーケティングの基本というのは、売り手目線ではなく、買い手目線であるかと言うこと。
決して売り手側の都合であっては、ならず、顧客(買い手)に対して押し付けがましいものでは、いけいのです。
つまり、マーケティングにおいて必要なのは、客観的な視野なのです。
そこをワークマンは理解していたというわけです。
そんなワークマンが顧客拡大のために目を向けたのが、アウトドアスポーツ市場。
確かに、作業着という機能性を重視した商品開発がコンセプトにあるアウトドアなら、納得ができます。
「WORKMAN Plus」は、全くの1から立ち上げたということです。
ワークスならではのノウハウと顧客層の拡大を行うために、まずワークマンが行ったのは、商品そのもののことでした。
ワークマンが行ったのはマーケティング分析であり、商品のポジショニング分析を行ったのです。
リサーチの結果、実はスポーツアウトドア市場というのは、メジャーなブランドメーカーの独占状態というのが現状でした。
つまり、そこでの存在感を高めるには、ブランド力が必要であるということがわかったのです。
そしてマーケティング観点から見るともう一つわかったことは、アウトドア商品の価値基準そのものでした。
実はブランドメーカーによって今、消費者から評価されているのは、高価格で機能的なものばかりでした。
意外なことに低価格で機能的なものというのは、マーケティング的に穴が開いていた状況だったのです。
つまり、ここには競合がいないという現実があったのです。
しっかりとしたマーケティングリサーチによって、既に確定しているとされた市場のニッチな部分を見出したワークマンによって、「WORKMAN Plus」は成功への道を模索してきたというわけです。
作業服、そしてアウトドア商品という商品そのものに共通点もあり、無駄を極力排除したことも勝因なのです。