企業が商品やサービスを提供する上では、現在ではマーケティングが重要視されています。社会のニーズや消費動向は無視できません。
そんな中、現在、単身世帯向けの「おひとりさまビジネス」か活況です。
今回は、そんなおひとり様ビジネスについて触れてみます。
増加する単身世帯
皆さんは「ひとり暮らし」というと、どんなイメージを持ちますか?
自由気ままなシングルライフでストレスない生活ができて羨ましいと単純に憧れを抱く方もいらっしゃるのではないでしょうか?
「ひとり暮らし」=単身者、単身世帯のことですが、この「単身者」へのイメージは、現在の世帯スタイルによって感じ方は随分異なるものになるのではないでしょうか。
例えば、夫婦と子供の子育て世帯では、育児や仕事に追われる忙しい毎日の中で、自由気ままな単身者への憧れが強く、逆に現在、単身者の方は、育児中の家族の気持ちなんて全く理解できないのではないでしょうか。
近年、そんな単身者の数が増加傾向にあります。単身者が結婚し家庭を作らない理由として、自分の時間が減ってしまうから、自分の人生を行きたいからという意見が聞かれます。
確かに現在の子育て世帯は、核家族で夫婦共働きが多く、育児に仕事に多忙な方が増加していますから、独身でいたい気持ちも理解できます。
かつてのスタンダードは、夫婦と子供の核家族でした。しかし、現在の家族の主流とは言えなくなっています。それは単身世帯が増加してからです。
単身世帯の増加を具体的に見てみると、1995年にはおよそ1,123万世帯でしたが、20年後の2015年には、およそ1,841万世帯まで増加しています。
このような社会構造の変化をマーケティングは、見逃すわけにはいきません。
そんな社会のニーズに対し、企業が注目するのは当然です。ニーズがあれば市場は拡大するのは自然な流れです。
そんなニーズに応えた新たなビジネス戦略が「おひとりさま向けビジネス」です。
現在、意外なほど多くの単身者向けサービスが存在しています。
「おひとり様ビジネス」のニーズ
かつて、家族の形のスタンダードだった「ファミリー世帯」向けの商品やサービスが当たり前でした。
しかし、現在の家族のトレンド?となる単身世帯の増加に目を向ける企業が多数存在します。この新たなターゲットへのビジネス展開を進めることは当たり前のこと。なぜならそこにニーズがあるからです。
ニーズがあるところにビジネスチャンスは転がっています。
少子高齢化、非婚化など様々な問題が提示されていますが、マーケティング的に見れば企業にとっても新たな需要を生み出すのには、よい機会なのかもしれません。
単身世帯は、かつては20代の若年層が割合の多くを占めていました。しかし現在では高齢者の単身世帯も増加しています。
高齢者の単身世帯は男女共に増加傾向にあり、年代的には男性は60歳以上、女性は80歳以上が増加しています。
定年を迎える60代以上が多くを占めています。これは、日本が世界的にみても長寿国であることの証明です。
これだけの人口比率があるわけですから、あらゆる業種が単身世帯に目を向けるのは当然です。
そんな単身世帯向けの「おひとり様ビジネス」を具体的に見て行きましょう。
様々な「おひとり様」ビジネス
【カラオケ】
カラオケと言えばかつては、二次会などの定番としてカラオケブームの時代がありました。
現在は、高齢者が昼間に利用するなどニーズが高まっています。友達や仲間との真昼間からのカラオケパーティーを開いたり、1人カラオケで思うがままに楽しむ方も増加しています。
食事やドリンクなども気軽に楽しめることから、高齢者の方の娯楽として人気があります。
最近ではレコーディングも簡単にできるなど楽しみ方も広がっています。
【焼肉】
焼肉もファミリーや友人と鉄板を囲んで賑やかに食べる印象がありますが、最近では1人焼肉スタイルも増加しています。
これは決して、高齢者をターゲットとしたわけではなく、働き盛りの中年男性や未婚の独身女性が気軽に手軽に焼肉を食べれることからニーズが高いのです。
まさに、現在の時代の流れを敏感に汲み取った営業戦略と言えるでしょう。
1人焼肉専門店なども存在するほど、「おひとり様」のニーズがあるのです。やはり1人でも美味しい焼肉を食べたいという需要が高いのです。
焼肉の他、ラーメン店などでも1人席を設けている店舗も存在します。
カウンター席の両サイドにパーティションのような敷居があるので、周りを気にすることなくラーメンを楽しむことができます。
女性1人でも気軽にラーメン店に入れることから、こちらも顧客のハートをキャッチしている店舗スタイルです。
【ウェディング】
単身者向けの「おひとり様ビジネス」としては、意外なサービスかもしれませんが、意外性があるからこそニーズがあるのです。
独身の女性向けのこちらのサービス。1人で利用できるフォトウェディングサービスです。ニッチなサービスと言えますが、意外にも利用者が多いのです。
結婚は望まなくても、ウェディングが着たいという女性が多いのです。