ファーストフードの代表格である「マクドナルド」と言えば、一度は口にしたことがあるのではないでしょうか。
そんな「マクドナルド」の「夜マック」が好評ですが、【前編】に引き続き今回は業績好調である「マクドナルド」の営業戦略とその理由について具体的に触れていきます。
マクドナルド好調の理由とは?
数年前のどん底から、見事復活し現在も好調を維持するマクドナルドの理由とは、いったい何なのでしょうか?
マクドナルドの好調の要因となるのが、徹底的なマーケティング戦略が行われた結果です。その上で様々な営業戦略を行ってきました。
具体的なマクドナルドの好調ぶりを支える営業戦略をまとめてみました。
- 100円〜200円の低価格商品
- 200円からのセットメニューとしての朝マックメニュー
- ワンコイン以下で買える「バリューランチ」
- 100円プラスしパティ(肉)が倍になる「夜マック」
など定番メニューに加え、顧客のニーズに応えたセットメニューを充実させる販売戦略が功を奏しました。
それに加え、顧客へのアピールも手を緩めることなく飽きさせないように毎月、期間限定の新商品やキャンペーン、イベントなどを畳み掛けているのです。
このように顧客のニーズを考え、顧客に対して常にマクドナルドの存在感をアピールする姿勢が顧客のハートをがっちりキャッチしていることに繋がっているのです。
この営業戦略は、まさにマーケティングあってこそであり、今、何が求められ、どうすれば売れるのかを熟知しているようにも思われます。
好調の背景には「夜マック」
様々な営業戦略を仕掛けるマクドナルドの好調の要因の一つにあるのが「夜マック」です。
この「夜マック」がヒットしているということは、現在の世間のニーズに合致したからと言えるでしょう。
「夜マック」は、ハンバーガーの肉が倍になるというサービスメニューです。価格はたったの100円で倍になるということですから、お得感は半端ないのではないでしょうか。
この「夜マック」の好調の要因は、夕食ニーズの創出にあります。
さらに、この「夜マック」の凄いところは、新商品ではないというところです。
「夜マック」は午後5時以降な、ハンバーガー類を注文時にパティ(肉)の量を2倍にできるサービスです。つまり、時間限定の販売方法なのです。
新商品などにおける開発も不要であり、新商品に比べ発売時のリスクが低いことも企業側にとっては、良いことなのです。
既存の商品に対しての「売り方」を変えただけなのです。この売り方を変えたという営業戦略、商品展開こそ正にマーケティング的営業戦略と言わざるを得ません。
時代のニーズを敏感にキャッチした営業戦略と言えます。
「夜マック」の導入においては、全国展開する以前にトライアルもしっかり行われました。2017年6月に東海エリアにてトライアル販売したところ高評価だったことから全国展開となりました。
夜マック投入後の売上高は、前年同月比10%増。客単価にてして6.2%増と明らかに売上は上向きとされる数値を著したのです。
近年の好調ぶりを更に進める右肩上がりの奇襲策として「夜マック」は、大きな要素となりました。
「夜マック」により夜間の売り上げを伸ばしたことが全体の売上増に繋がったと判断されています。
「夜マック」ヒットの背景には、マーケティング的な話題作りの単なる企画として終わるわけではなくマクドナルド側により緻密なマーケティング戦略に基づいているからです。
「夜マック」ヒットの要因
「夜マック」ヒットの要因について触れてみましょう「夜マック」が受けた理由としては、「夕食」として認識されるようになったことです。
これまで、ハンバーガーというのは、どちらかと言えばボリュームの関係で夕飯として食べるには、少し物足りないとされるところがありました。
しかし、パティを倍にすることでボリューム感もアップし、夕飯としての選択肢としてマクドナルドのハンバーガーを顧客が入れたということです。
実は、この顧客の意識改革というのが、メーカーや企業側からすれば最も難しいことなのですが、それを「夜マック」が変えさせたというわけです。
「夜マック」の登場によって朝食となる「朝マック」、ランチの「バリューセット」、そしてディナーの「夜マック」と全ての時間帯で顧客のニーズに合う商品を揃えたということになるのです。
これまでのマクドナルドと言えば主に利用されていたのは、朝食と昼食でした。そこに「夜マック」が加わり、3つの食事の時間帯を満たしたということは、外食産業としては、かなり影響が大きいのです。
実は「肉好き」の方は、世間には多くガッツリ肉を食べたいという方も多数いらっしゃるのです。更に驚くのは、その比率なんです。
ガッツリと言えば男性のイメージが強いのですが、なんと4割が女性ということなんです。意外にも女性にもボリューム感は求められていたことがわかりました。